首まで浸水、パニックの牛30頭を救出 西日本豪雨

首まで浸水、パニックの牛30頭を救出 西日本豪雨

 西日本豪雨による山腹崩落で土砂ダムができ、宍粟牛の生産牧場が浸水している兵庫県宍粟市波賀町戸倉で10日、国土交通省姫路河川国道事務所のポンプ車による排水作業が始まった。24時間態勢で稼働しており、水位が下がるのを待って土砂の撤去を開始する。

 崩落は8日午後8時半ごろ、宍粟牛を肥育する道谷牧場の下流側で発生。土砂が約30メートルにわたって県道をふさぎ、道谷川を対岸まで埋め尽くした。土砂ダムは高さ約10メートルあり、上流側約150メートルがため池のようになった。

 牧場を経営・管理する同町の男性(55)は停電で異変に気付き、牧場の様子を見に行くと、繁殖用牛舎は既に胸の高さまで浸水していた。牛は水面から首だけ出してパニック状態になっており、週末で帰省していた次男(19)と2人で2頭ずつ連れ出し、約30頭を無事に救出したという。

 浸水したのは古い牛舎で、今春増築した2棟は敷地をかさ上げしていたため被害を免れた。男性は「大きな被害がなくてよかったが、また山が崩れないか心配」と話していた。

 同事務所によると、1分間に15立方メートルのペースで排水しているが、流入量が多く目立った水位低下はみられないという。今後は重機で土砂ダムを掘り崩し、排水量を増やす予定。県道の復旧は土砂ダムの撤去後になるという。(古根川淳也)


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