兵庫県尼崎市杭瀬−。昭和の雰囲気が色濃く残るこの下町の魅力を伝えようと、杭瀬中市場の総菜店主と映像クリエーターが動画サイト「ユーチューブ」で、配信チャンネルを立ち上げている。名付けて「杭瀬チャンネル」。総菜店の名物おじさんが杭瀬周辺の店やイベントを訪ね、軽妙なトークで場を盛り上げ、和ませつつPRする。約5分の番組を週1、2回配信しており、2人は「動画を楽しんで、ぜひ杭瀬へ!」と呼び掛ける。(山本 晃)

 ユーチューバーは、総菜店「もっこす亭」の店主石原和明さん(54)。老舗銭湯「第一敷島湯」の紹介番組では、この銭湯であったのど自慢大会でデビューした“婚活アイドル”(活動目的が結婚相手探し)のきっしーさんも登場する。

 石「きっしーと言えば、第一敷島。だいたい、そんなセットやんな」

 き「まあ、そんなとこですね(笑)」

 石「お風呂好きなん?」

 時にツッコミとボケを交え、湯に入ると派手なテロップで「あったか〜!」。

 他にも食や遊びを楽しめる多彩な場所を紹介。ドローンを飛ばして市場内を撮影したり、阪神電車の運転シミュレーターに挑戦したりと実践的な動画もある。

 活動は昨年9月、映像クリエイターの廣瀬有哉さん(22)らが市場の空き店舗に市民交流スペースを開き、石原さんが「歓迎会」と称して酒席に誘ったのがきっかけだった。たまたまユーチューバーの話題で盛り上がると、廣瀬さんが撮影機材を回し始めた。「石原さんがやったら面白いですよね」。カメラを向けて「撮影と編集は手掛ける」と持ち掛けたところ、石原さんが二つ返事で応じた。

 昨年9月末にチャンネルを立ち上げ、今年3月21日までに登録者は約220人。まだまだ知名度は低いが、廣瀬さんは「杭瀬を知り尽くし、地域の信頼もある石原さんがしゃべるから面白い。地域にコミュニケーションを広げ、街の一体感をつくりたい」と話す。

 石原さんは「見た人が杭瀬に興味を持ち、店を出したいという人が増えるのが最終目標」と意気込む。