東京五輪マラソン代表 最後の1枠をかけた『大阪国際女子マラソン』

増田明美が予想する有力選手とは?独自の解説スタイル、その意外な原点も明らかに!

今夏いよいよ開催される2020年東京オリンピック。マラソン女子日本代表はすでに前田穂南選手(天満屋)と鈴木亜由子選手(日本郵政)が内定しているが、最後の1枠を争うマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジの最後のレース『第39回大阪国際女子マラソン』が1月26日(日)に開催される。そこで、同日正午から生中継する『奥村組スポーツスペシャル 第39回大阪国際女子マラソン』で解説を務める、元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美にインタビュー! レースの見どころやコースの印象、そして注目の選手を語るほか、選手の裏ネタに迫った増田流の解説スタイルが誕生したきっかけを明かしてくれた。

例年以上に白熱したレース展開が待っている

オリンピック代表の条件は2時間22分22秒の設定記録をクリアした上で、日本人最速タイムとなること。これについて、増田は「日本人選手は覚悟を決めてスタートラインに立つことになります。勝負はもちろんのこと、2時間22分22秒を突破して勝つという目標が明確なので、すごくレベルの高い白熱したレースになると思います。スピードランナーが多く、特に福士加代子さん、松田瑞生さん、小原怜さんには、ぞれぞれドラマがあるので、誰が勝っても見ている人は涙しちゃうんじゃないかな。そんな顔ぶれですよね」と強豪選手に期待を寄せる。

 

福士加代子選手の“集大成”に期待したい

その中でも最も注目すべきは、37歳のベテラン、福士選手だという。「やっぱり歴史がありますから!初マラソンに挑戦したのが12年前、2008年の『大阪国際女子マラソン』。あのとき、何度も転んでは立ち上がってやっとゴールした福士さんが、干支が一回りした今年、チャンスを掴んだらすごいドラマですよね。最近の彼女の走りはとってもいいし、マラソンの探究者というぐらい、指の動きにいたるまで“楽に走る”ランニングフォームを研究しています。日本の中でもランニングフォームの素晴らしさはダントツ。考えてみたら、3000m、5000m、ハーフマラソンの日本記録保持者ですから。福士さんは今回ラストランのつもりで走るでしょうし、賭ける思いそのものが違います。まさに“集大成”。その緊張感は見ている方にも伝わるのではないでしょうか」と大注目。

 

選手一人一人に対する深い思い入れ

さらに、「小原怜さんは2016年リオ五輪には行けず、昨年9月のMGCは4秒差とあと一歩のところで五輪代表の座を逃しました。悔しい思いをしているかと思ったら、本人としては『10のうち6の仕上がりであそこまでいけたから、次こそは!』ってノリノリなんです。もっと高みを目指そうという精神状態が今の小原さんの強さになっています。ちなみに、岡山出身で郷土愛が強い小原さんに“悔し涙の桃太郎”というキャッチフレーズを付けたんですけど、今回は3度目の正直で“うれし涙の桃太郎”になってもらいたいですね。それから、“浪速の腹筋女王”松田瑞生さんは、MGCではレース展開を読み間違えて全然持ち味を発揮できなかったけど、あの悔しさがあったからこそ自分は成長したと本人が言っています。だから、今の彼女のテーマは“自分越え”なんです」と、選手一人一人への思いがあふれ出す。

 

高速ペースメーカーが記録突破の鍵に!

今回の大会では海外選手を含めた複数人のペースメーカーを起用し、最大30㎞までレースを牽引。中でも秋の世界選手権(ドーハ)女子1万メートル代表・新谷仁美選手(東京陸協)の参戦は、日本勢にとって心強い存在に。「新谷さんは絶対マラソンはやらないと言っていますが、ハーフは自信があるんです。体内時計を持っていて、トラックでの走りを見ていても1秒も狂わない。そういう人がペースメーカーをやるというのも興味深い。見どころの一つですよね」と、序盤から新谷選手が作り出すハイペースのレース展開を予想する。

 

解説者それぞれの視点にも注目

選手層の厚さはもちろん、番組解説者も豪華な顔ぶれが揃っている。1993年から解説を務めている増田をはじめ、有森裕子、高橋尚子、千葉真子、野口みずきらメダリストが勢ぞろい。「解説者で駅伝チームが作れますね(笑)。私たち解説者って、普段はしょっちゅう会ったりしていないので、ここが新年会の場になっていて、解説者もみんな喜んでいますよ。みんなマラソンランナーなので、本番でも我を通しながら、自分らしく喋るのでおもしろい解説になると思います!」とPRする。そして、増田といえば選手の小ネタを盛り込んだ独特の解説が評判を呼んでいる。「私はQちゃん(高橋)と一緒の移動車に載るので、Qちゃんが競技のことをしっかり喋ってくれる分、私は選手の人となりを語ろうと思っています。語り過ぎちゃって、『マラソンの解説しっかりしろ!』って意見もありますけど」と苦笑い。朝の練習や駅伝の現場で選手から取材したエピソード、家族や周囲から聞いた話題をノートに書き留め、一つの大会で一冊の大学ノートを使いきるという。

 

独自の解説スタイル、その原点とは?

そもそも増田流の解説スタイルが誕生したきっかけは、ある人の言葉によるという。「実は永六輔さんに生前よくしていただいて、ラジオの仕事を始めたとき、永さんが『マラソン中継は好きでよく見るけど、独走になるとつまらなくなる。見ている人を飽きさせないよう、俳句の一句ぐらい詠んだらどうですか』と言ってくださって。それから、『興味のある人がいれば会いに行って、そこで材料を集めることが取材なんだから、五感を通して感じたことを喋るといいんじゃないの』ってアドバイスをいただいたんです」と、テレビやラジオで巧みな話術を繰り広げた放送作家でタレントの故・永六輔との貴重な秘話を披露。また、2017年のNHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』でナレーションを経験したことも解説に変化をもたらしたという。「脚本の岡田惠和さんや有村架純さんをはじめとする役者のみなさんは、“登場人物は今、どういう気持ちでいるんだろう?”と想像力を常に働かせているからか、本当に心のひだが多いんです。私たち競技者は“強くなきゃいけない”っていう生き方をしているけど、『ひよっこ』でいろんなキャラクターに寄り添ったことで、“寄り添う語り”ができるようになりました」と振り返った。

 

大阪は高速コース!チャンスは十分ある!

増田も選手としてこれまでに4度出場している『大阪国際女子マラソン』。そのイメージはというと「大会前の囲み取材にしても選手村にしても、大阪の雰囲気は抜群に明るいんです。大阪元来のお笑い好き、面白いことが大好きという、そういう空気の中で本番を迎えられることは幸せだなって思います」と好印象。「それに沿道で応援してくださる人の数が圧倒的に多くて、それだけ“マラソンを見る文化”が根付いているんだと感じています。沿道からファーストネームで呼んで応援してくださるし、大阪が好きな選手ってとても多いんですよ。そして、大阪国際女子マラソンのコースはアップダウンが少なく、世界も認める“高速コース”といわれています。2時間22分22秒を突破する、そのチャンスは十分ありますね!」と力強く語った。

 

「最後は、私。」をキャッチコピーに、いつにも増した白熱のレース展開が予想される『第39回大阪国際女子マラソン』。果たして、どんなドラマが生まれるのか? そして2020年東京オリンピックへの切符をつかむのは誰なのか? お見逃しなく!

 

【番組解説】

『奥村組スポーツスペシャル 第39回大阪国際女子マラソン』

1月26日(日) 12:00〜14:55

https://www.ktv.jp/marathon/index.html

《出演者》

◇MC 加藤綾子 

◇解説 増田明美(スポーツジャーナリスト) 有森裕子(バルセロナ五輪銀メダリスト・アトランタ五輪銅メダリスト) 高橋尚子(シドニー五輪金メダリスト) 千葉真子(パリ世界選手権銅メダリスト) 野口みずき(アテネ五輪金メダリスト) 

◇ゲスト解説 河野匡(日本陸連長距離・マラソンディレクター) 

◇副音声 土佐礼子(エドモントン世界選手権銀メダリスト、大阪世界選手権銅メダリスト)、 渋井陽子(マラソン前日本記録保持者) 

◇副音声・進行※関西テレビスタジオから 大橋雄介、高橋真理恵(カンテレアナウンサー) 

◇実況 若田部克彦、岡安譲、杉本なつみ、石田一洋、吉原功兼、坂元龍斗、服部優陽、谷元星奈(カンテレアナウンサー)