4月25日(日)に大阪・フェスティバルホールで開催される、野村家親子三代による『祝祭大狂言会2021』。人間国宝・野村万作を筆頭に、野村萬斎、野村裕基の親子三代ほか一門が出演するこの公演では、「二人袴 三段之舞」、「月見座頭」、関西初上演となる新作狂言「鮎」の三演目が上演される。開催を前に、野村万作(89)と長男の野村萬斎(54)が大阪市内で記者会見を開き、抱負を述べた。

 

「月見座頭」で、萬斎と共演する万作。「月見座頭」では、人間の“善”と“悪”の二面性が描かれる。万作は、「人と人との交流がちぐはぐになりつつあるのが今の世の中ではないかと思う。世の中の暗澹たる中で、笑いというものをどう皆様の心にお届けするか。そして笑いだけでなく、もっと人間的なことを考えるというテーマも狂言にはある」と話す。ことし6月に卒寿を迎える人間国宝。『祝祭大狂言会2021』では、その芸を堪能することができる。

新作狂言「鮎」の演出を担当した萬斎は、「池澤夏樹先生の戯曲を基に、舞台ならではの面白みを持たせるために鮎を擬人化した。結末は、今までの狂言にはなかったものを目指した。どうなるのかは見てのお楽しみ」とPR。『祝祭大狂言会2021』では冒頭に萬斎がそれぞれの演目について分かりやすく解説する。「予備知識なしで楽しめます」(萬斎)

また、「二人袴 三段之舞」には、萬斎の長男・裕基(21)が出演。聟(むこ)を裕基が、その兄を野村太一郎が演じる。お囃子も入り、賑々しく楽しい演目で祝祭の雰囲気を盛り立てる。

 


2年に一度開かれる祝祭大狂言会。会場は、一般的な能楽堂の5倍以上となる2700の客席数を誇る、大阪・フェスティバルホールだ。大空間で狂言を演じる意義について萬斎は「舞台の両サイドに橋掛かり(廊下のようなもの)が設置できるなどの空間演出が可能。そして、大きな空間では、“人間の小ささ”を感じることもできる。狂言が描く“人間の滑稽な側面”をより愛おしく、肯定的に感じてもらえるのではないか」と話す。
また、親子三代で演じることについては、「めでたいし、ありがたい。解脱したかのような存在感の父、中間管理職のような私、21歳の若さが魅力の裕基。三世代の“花”、それぞれの良さを味わってほしい」と述べた。

コロナ禍により、社会には鬱屈した雰囲気も漂う。萬斎は「狂言に携わる者ができることは、皆さんの心の開放。笑うだけではなく、生きるって素晴らしいことだなと感じてもらいたい。狂言は、声と体のみで表現する飾りっ気のないストレートな芸能。来ていただいたお客様の期待に応えられるよう、公演に臨む」と誓った。



《公演情報》
【公演名】祝祭大狂言会2021
【日時】2021年4月25日(日)15:00開演/14:00開場
【会場】フェスティバルホール(大阪市北区中之島2丁目3−18)
【演目・出演者】「二人袴 三段之舞」(野村裕基ほか)、「月見座頭」(野村万作、野村萬斎)
新作狂言 「鮎」(野村萬斎ほか)
【主催】フェスティバルホール/関西テレビ放送
【企画制作】万作の会/フェスティバルホール
【運営協力】ダンスウエスト
【協賛】医療法人 聖授会、株式会社 竹中工務店
【カンテレHP】https://www.ktv.jp/event/syukusai2021/
【イベント公式HP】https://www.festivalhall.jp/syukusai2021.html