山鹿市菊鹿町阿佐古[あさご]地区で14日夜、小正月の伝統行事「かせいどり打ち」があった。顔に墨を塗った子どもたちが各戸にしめ縄を配り、五穀豊穣[ごこくほうじょう]や家内安全を祈願した。参加した子どもは、これまでで最少の6人。地区は少子化の影響を受けながらも、伝統を守り続けている。

 「稼ぐ」と「取る」が語源で、約600年前から続くと言われている。子どもは神の使いで、顔を黒く塗るのは悪霊に気付かれないよう闇夜に紛れるためとされる。

 日没後、子どもたちは3班に分かれて約60戸を訪問。玄関で「かせいどり、どっさり、お祝いな」と叫び、しめ縄であがりかまちをたたくと、住民たちがお礼のお菓子を手渡していた。

 同地区の2019年度の小中学生は11人で、旧菊鹿町が合併で山鹿市となった05年の半分にまで減った。地区では「頭」を務める年長の子の家で墨を塗り、しめ縄を作ってきたが、今年は負担分散のために集落センターに変更した。ただ、来年実施するかどうかは未定で4月の会合で決める。矢野博信区長(70)は「親が阿佐古出身の地区外の子どもを誘うなど、知恵を絞りたい」と話している。(河内正一郎)