熊本県の「中小企業高度化資金」の貸付先のうち、廃業で回収困難な未収金計27億5300万円が生じている8団体が貸付額の3割弱しか返済していないことが15日、分かった。熊本日日新聞の取材に対し、県が返済を終えていない23団体の事業種別や個別の貸付残高(2018年度末)を明らかにした。

 県は一部債権を昨年放棄した千興ファーム(御船町)を除き、団体名を非公表とした。県商工振興金融課は「団体名は県情報公開条例の不開示情報に当たる」としている。

 廃業した8団体への貸し付けは計37億8400万円。返済額は10億3100万円で貸付額の27・2%にとどまった。1983年度に2億3千万円を借り入れてショッピングセンター用地を造成した団体(2001年度廃業)は、貸付額の3・0%に当たる700万円しか返済していなかった。

 県は廃業した8団体の土地や建物といった担保物件を売却、連帯保証人からも徴収してきたが、未収金解消には遠く及んでいない。このうち2団体は「連帯保証人に資力がない」として現在、徴収を停止している。

 返済を終えていない23団体には1983〜2018年度に計160億9500万円を貸し付けた。18年度末の残高は61億8700万円。事業種別はショッピングセンター建設が7団体、工業団地造成4団体、アーケードや加工施設整備が各3団体と続いた。

 事業を継続している15団体中、熊本地震で売上高が減少するなどした7団体は特例で返済を猶予しており、8団体は計画通り返済している。

 同資金は、都道府県と独立行政法人「中小企業基盤整備機構」(東京)が、中小企業の組合などに土地購入費や施設整備費を無利子・低利で融資する制度。県の貸付残高に対する未収金の割合は44・5%で、全国平均6・3%を大きく上回っている。(高宗亮輔)