新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクやアルコール消毒液が手に入らない状態が続いている。学校などで感染症予防の助言をしている県薬剤師会の富永孝治会長(64)に、家庭で簡単にできるマスクと消毒液の作り方、使用時の注意点などを聞いた。

 「マスクは感染予防というよりも、自分がせきやくしゃみをした時に周りに飛沫[ひまつ](しぶき)を飛ばさないために使うもの」と富永会長。せきやくしゃみが出る時のエチケットとしてマスクを着けたいが、どこにも売っていない−そんな時に重宝しそうなのが、キッチンペーパーで作る簡易マスクだ。

 手作りマスクは、キッチンペーパー1枚と輪ゴム2個、ホチキスがあればできる。作る前によく手を洗い、使用する机もきれいにする。机は除菌し、水分が残らないよう拭き取ろう。

 キッチンペーパーは1センチほどの山折りと谷折りを繰り返す。折ったキッチンペーパーの両端にホチキスで輪ゴムを留めれば完成。マスクのサイズは端の“余白”の長さで調節できる。

 「輪ゴムだと耳が痛くなることもあるので、使い捨てマスクのゴムを再利用する方が楽」と富永会長。キッチンペーパーマスクは1日1回以上は取り換え、外す時は表面を触らないように注意しよう。

 市販の紙製使い捨てマスクを「煮沸、除菌して使う」という声もあるが、富永会長は「繊維が粗くなってしまうため、お勧めできない」。どうしても洗って使いたい場合は、ゴシゴシこすらない方がいいという。

 アルコール消毒液もなかなか手に入らないが、次亜塩素酸ナトリウムを含む台所用漂白剤で代用できる。商品表示に従って薄めた希釈液をタオルに含ませてドアノブや床などを拭く。この時、ビニールやゴム製手袋の着用と室内の十分な換気を忘れないようにしよう。もちろん、手指の消毒には使えない。

 金属はさびる可能性があるので、希釈液で拭いた後にしっかり水拭きを。富永会長は「作り置きすると家族が誤飲する恐れがあるので、その都度使い切って」と注意する。

 日頃から多くの患者と接する薬剤師。感染症をどのように予防しているのだろうか。富永会長は「せきやくしゃみをしている患者と接した後は、すぐ念入りに手だけでなく顔も洗い、うがいをしてマスクも取り換える。いすやドアノブの消毒も欠かせない」と教えてくれた。(豊田宏美)