熊本県知事選で現職の蒲島郁夫氏(73)が4選を決めた22日夜、候補者本人が遊説しない異例の選挙戦を支えた自民、公明両党の幹部は「創造的復興を成し遂げてほしい」と安堵[あんど]。一方、元熊本市長で新人の幸山政史氏(54)を支援した野党は「一枚岩になれなかった」と肩を落とした。

 自民県連の前川收会長は、蒲島氏の選挙事務所(熊本市中央区)で当選確実の一報を聞き、満面の笑み。新型コロナウイルス対策のため遊説や集会を控える初の選挙戦だったが、「現職を変える必要がないという思いが、県民に広がっていた。そこをさまざまな運動を通して後押しできた」と胸を張った。

 公明県本部の城下広作代表は「投票率がこの程度の減少にとどまって再選したのは重要。強い決意でコロナ対策や熊本地震からの創造的復興を実行してほしい」と力を込めた。

 一方、国民民主党と共産党、社民党の県組織幹部は、幸山氏の選挙事務所(同市東区)で落胆の色を隠せなかった。

 国民県連の中山弘幸代表は「自民党の組織力が圧倒的だった。(野党最大の支援組織である)連合熊本が現職を推薦し、野党が一枚岩になれなかった」と敗因を分析。社民県連合の今泉克己代表は「集会が開けず、有権者に浸透できなかった」と振り返った。

 共産県委員会の松岡勝委員長は「水俣病や震災復興の課題解決が4年間遠のいた」としながらも、「知事選で県内野党と課題を共有できたのは財産。衆院選に向け共闘したい」と前を向いた。

 自主投票だった立憲民主党県連の濱田大造幹事長は「国政と知事選は別物なので、共闘には影響しない」と話した。(内田裕之、田上一平、高宗亮輔、中尾有希)