熊本県美里町洞岳の下福良地区では、毎朝7時に大乗寺の鐘の音が響く。突いているのは励徳小6年の三保琉人君。6年間、ほぼ毎日取り組んできたが、中学進学で4月から後輩に役目を引き継ぐ。寺の寺本俊章住職(76)は「大人でも大変なこと。よく頑張った」とねぎらった。


 三保君が鐘突きを始めたのは2014年の夏前。当初は二つ年上の姉と一緒だったが、やがてひとりで担うようになった。以来、修学旅行などを除き、週末や長期休暇中も休まず続けてきた。

 山あいの地区では、冬場は気温がマイナス10度以下になることもある。「4年生のころにやめたいと思ったけど、家族から説得された」(三保君)。今では「自分が突いた鐘の音でみんなに朝が来るので、やりがいがある」と思うようになったという。

 中学校へのスクールバスが午前6時台になることで、3月末で鐘突きも卒業。4月からは地区で唯一の小学生になる石坂陽菜さん(9)が引き継ぐ。石坂さんは「夏休みのラジオ体操の時に突いたことがある。楽しみ」と大役へのプレッシャーはなさそう。三保君は春休みの間は毎朝、見守ることにしている。(内田秀夫)