熊本県内の小中学校は25日、多くの市町村で春休みに入る。新型コロナウイルスの感染防止策として始まった臨時休校と合わせ、1カ月以上となる休みは異例の長さだ。保護者からは「原則、自宅待機」が続く子どもたちの運動不足やストレス増加を心配する声も出ている。

 22日の昼下がり。熊本市南区の平成中央公園には多くの家族連れが訪れ、子どもたちは遊具やサッカー、バドミントンで遊んでいた。保護者もレジャーシートを広げ、おしゃべりを楽しんだ。

 同市西区のパート井手口京子さん(32)は「家で過ごさせたいけど、子どもたちは遊び盛り。テレビやタブレットを見てばかりというわけにもいかない」と悩ましげな表情。長女で小学2年の愛禾[あいか]さんは「やっぱり気持ちいい」と外遊びを満喫していた。

 臨時休校が始まった2日、熊本市教育委員会は保護者らの不安に対応する相談窓口を設置。23日正午までに63件の相談が寄せられた。当初は高齢者を中心に、「カラオケ店やファストフード店で子どもを見かける」「見回りを強化し、自宅で過ごすよう促してほしい」といった指摘や要望が多かったという。

 「重症化リスクのある高齢者が、子どもの外出に過敏になったのではないか」と市教委教育政策課。

 ただ、その後、窓口には、子どものストレス増加などを心配する保護者が自宅待機の緩和を求める声が増加。こうした声に呼応する形で市教委も13日、各学校の判断で運動場を開放することを認め、公園などでの運動もできるとした。

 一方、熊本市は市動植物園の営業再開をいったん決めたものの、県内7人目となる感染が確認されたことで見送りに。例年、春休みには多くの子どもたちが訪れる市立熊本博物館や市子ども文化会館なども、再開の見通しは立っていない。

 政府の専門家会議は、感染が確認されていない地域での学校活動を認める見解をまとめた。文部科学省はこれを受け、学校再開に向けた具体的指針を24日に示す見通しだ。同課は「不要不急の外出を控え、感染防止の対策を十分に取ってもらうことには変わりはない」としている。(臼杵大介)