新型コロナウイルスの感染を判定する熊本県内の1日当たりの検査能力が6月上旬に比べて1・5倍以上の約300件に増えていることが26日、県への取材で分かった。検査を担う民間の医療機関が増えたためで、行政が使用してきたPCR検査より手間が少ないLAMP(ランプ)法による遺伝子検査を行っている。

 22日に感染が分かった天草保健所管内(上天草市、天草市、苓北町)の90代女性は、LAMP法による民間の検査で陽性が判明した県内初のケース。

 県健康危機管理課によると、LAMP法の検査を行う県内の帰国者・接触者外来の民間医療機関が、6月上旬の2カ所から同下旬までに7カ所に増加した。装置の購入費に対する国の全額補助が6月に決まり、後押ししたとみられる。

 県内でLAMP法による1日当たりの検査能力は約120件。行政検査を担う県保健環境科学研究所(宇土市)と熊本市環境総合センターによる1日当たり計140件とほぼ同じ数だ。

 検査は保険適用され、自己負担はない。患者の鼻の粘液や唾液から採取した検体と試薬を混ぜるのはPCRと同じだが、検査時間は2〜3時間短くて済む。診察した民間の医療機関で検査ができれば、これまでのように検体を運ぶ必要がなく、結果判明までの時間は大幅に縮まる。

 一方、1回の検査能力はPCRの方が数倍程度多い。同課は「集団感染で一度に大量の検査が必要な時は行政が担うなど、第2波に向け民間と連携した効率的な検査態勢を構築したい」としている。

 このほか、新型コロナの検査は、熊本市の民間検査会社1社と熊本大病院が市の委託を受けて実施。7月1日には、市が市医師会に運営を委託する「地域外来・検査センター」が開業。県北、県南、天草地域にもセンター設置に向けて準備が進んでいる。(内田裕之)

 ◆新型コロナウイルスの検査 これまで、主に行われてきたのは「PCR法」と呼ばれる検査。ウイルス特有の遺伝子配列を専用の装置で増幅して検出する。「LAMP法」も同様の手法だが、検査の過程で複雑な温度調整が必要なPCRに比べ、作業は容易。精度は同程度あるとされる。