新型コロナウイルスの影響で短縮された学校の夏休みは熊本県内45市町村で期間にばらつきがあり、理由を尋ねる投稿が熊日の「SNSこちら編集局」に寄せられた。取材を進めると、授業の遅れを取り戻す“戦略”の違いが浮かんできた。

 県教育委員会の集計に熊日の取材を加えた結果、全市町村平均の夏休みは16・6日。昨年度より20・7日短縮された。最も長い熊本市の30日に対し、最も短い産山村と南阿蘇村は9日。その差は21日にもなる。

 産山村は、今後訪れるかもしれない感染の第2波を懸念。「再び休校すれば、遅れを取り戻すのが難しくなる。今のうちから日数を確保し、余裕を持たせたい」と説明する。

 南阿蘇村は「1日の授業の数を増やしたり、土日に授業をしたりすれば現場に負担がかかる。できるだけ夏休みや冬休みで調整したい」と、既に冬休みの短縮も決めた。

 一方、夏休みが唯一7月から始まる宇土市は「7月後半からお盆にかけては最も暑い時期」と熱中症を懸念。熊本市に次いで長い25日間とした。各校にエアコンはあるが、登下校時のリスクを回避。土曜授業をするほか、遠足や家庭訪問を削るなどして日数の確保に努めているという。

 「S編」には、高校受験を控えた中3の保護者から「期間の差に焦りを感じる。足並みをそろえてほしい」との投稿もあった。

 県教委は「各教委は地域の実情に応じて期間を定めており、一律にするのは難しい」と説明。その上で「再び休校になったとしても、最終学年を優先的に登校させるなどの配慮をしたい」と強調する。(臼杵大介)

■熊本県内最長の熊本市 “見なし授業時間”の平均値重視

 熊本市の夏休みは県内最長の30日間。市教育委員会は、市立の全小中学校が休校中に実施できた家庭学習やオンライン授業の時間を踏まえ、夏休みの短縮幅を決めたという。

 市教委は、対面授業と見なすことができる休校中の学習が各校で何時間あったか調査。学習指導要領の標準授業時間数などから差し引くと、学年ごとの平均不足日数は小1の2・3日から中3の12日までの開きがあったが、全学年の平均不足日数は6・5日だった。

 これを基に市教委は(1)短縮なし(2)6日間短縮(3)12日間短縮−の3案を15日の臨時教育委員会議に示した。

 委員の1人は「(対面授業と見なせる時間が)0〜25時間と少ない学校と、75〜100時間と多い学校がある。なぜこんなに差があるのか」と質問。その上で、「切り捨て」が起きないよう、平均値ではなく授業不足が著しい学校に合わせて議論するよう提案した。

 遠藤洋路教育長は各校のオンライン授業がばらついたほか、対面授業と見なす基準がさまざまだった可能性を指摘。「(ばらつきがあるからこそ)平均値に合わせるのが合理的」と説明し、6日短縮で決着した。ただ、中3だけは最大6日の臨時登校日を認めた。

 市教委は夏休み短縮以外にも、行事や来年度に回すことができる学習の見直しを進める。(澤本麻里子)