新型コロナウイルス感染拡大を受けた巣ごもり消費でインターネットの通信販売などが増える中、購入した商品に関する苦情が熊本県消費生活センターに寄せられている。在宅勤務用にズボンを買った合志市のパート女性(60)は「粗悪品」として事業者に交換を申し出たが連絡も取れない状態。「同じ被害に遭う人が一人でも減ってほしい」と訴えている。

 女性は5月中旬、外出自粛で買い物に出掛けにくい中、インスタグラムの広告を見て2本目無料で約6千円のズボンを注文。6月上旬に届いた商品は、足首のほつれやウエストの縫製のつなぎ目が段違いになっているなど「想像と全く違う粗悪品」だった。

 通販サイトのオンラインチャットを通じて交換を申し出ると「お待たせして申しわけありません」との書き込みが来るばかりで、フリーダイヤルもつながらないままだ。

 ズボンのレビューには好意的な書き込みが多数あったが、さかのぼって見ると同じ内容が散見され、自分が書き込んだレビューは削除されていた。女性は「レビューもいわゆるサクラではないか。6千円でいい勉強になった」と語る。

 県消費生活課によると、通信販売を巡る相談はここ数年、コンスタントに寄せられており、昨年度は1322件、本年度は26日までに170件(暫定値)あった。「商品が届かない」「画面で見た物と違う」といった内容で、大半は事業者と連絡が取れていないという。

 通販はクーリングオフの制度がないため、(1)購入条件・解約規定・返品条件(2)事業者の情報(3)配送方法や要する日数−を確認するよう呼び掛けている。

 宅配便大手のヤマト運輸によると、取扱個数は4月が前年同月比13・2%増、5月が同19・5%増と、ともに過去最高。巣ごもり消費によるインターネット通販の急増が押し上げているという。

 同課は「海外の事業者の場合、実態がつかみづらい」とした上で「新しい生活様式で通販利用者が今後も増えることが予想される。買う場合は情報収集をしっかりし、不審に思ったら購入を諦めてほしい」としている。(福井一基)