中岳「レベル1」半年 安定状態続くか見通せず

中岳「レベル1」半年 安定状態続くか見通せず


 昨年10月に爆発的噴火をした阿蘇中岳第1火口の噴火警戒レベルが、2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げられ、7日で半年となる。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が急増するなど不安定要素もあるが、今後の活動の見通しはどうなのか。京都大火山研究センターの大倉敬宏教授に聞いた。(岡本幸浩)

 −レベル1に下がった後も、気象庁の観測で火山ガスの放出量が基準より多い時があります。

 「直近では7月21日に1日当たり2900トンで、『非常に多い』基準の一歩手前だった。しかし、翌日は『やや少ない』の600トン。活動の揺らぎで増加することもあるが、全体としては減少傾向。他の観測からも安定した状態と考えていい。昨年の爆発的噴火後、新たに見つかった第1火口西側の噴出口からガスが出ているのではないか」

 −昨年10月の爆発的噴火で、前兆現象は捉えられたのですか。

 「過去の観測から、中岳は噴火前に草千里の地下約6キロにあると考えられるマグマだまりが膨張し、草千里を挟んだ水平方向の距離が伸びるのは分かっている」

 「今回(の爆発的噴火)は、熊本地震による断層活動でも同じ現象が起きて区別しにくい状況だったが、火口近くに設置した京都大の観測用トンネルの傾斜計などで上下方向の変動を観測した。マグマだまりの膨張と考え、噴火の5日前に気象庁に報告し、近く噴火が起きるとの見解で一致していた」

 −他に中岳の活動に特徴はありますか。

 「中岳は、湯だまりができる静穏期、その消滅で赤熱現象などが見られる不安定期、活発なストロンボリ式噴火−という活動サイクルを繰り返している。過去にも活動が落ち着く前には大きな噴火をしており、今回も2014年に始まった一連の活動の終息段階だったと考える」

 −爆発的噴火では大量の火山灰と噴石が飛散しました。
「過去の爆発的噴火の直前には、体に感じない周期15秒ほどの特徴的な地震が起きていた。今回捉えたのは6分前。結果として大きな噴火だったが、正確に規模を予測するのは今のところ困難だ」

 「今回、約20年ぶりの噴火活動だった。過去の例では活動の間隔はさまざまで、安定した状態がいつまで続くのかも分からない。ただ、京都大を含め関係機関の観測体制の整備は進み、噴火の時期はある程度予測できるようになった。データの蓄積も進み、より正確な情報を提供できるよう努めていきたい」

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