熊本城の「開城」道具そろって発見 東京・永青文庫所蔵

熊本城の「開城」道具そろって発見 東京・永青文庫所蔵

 肥後細川家が江戸時代、熊本城を幕府に明け渡す場合に備えて用意していた道具3点が見つかった。藩主不在中の改易という事態を考えたもので、3点ともそろっているのが確認されたのは初めて。熊本大永青文庫研究センターは「ほかの大名家でも似たようなアイテムがあるに違いない」と推測している。

 8代藩主・斉茲[なりしげ]直筆の「書状」と「包み紙」、直径2・6センチの円筒形の「香箱[こうばこ]」。いずれも永青文庫(東京都)の所蔵で、熊本大が寄託を受けている史料の一部。熊本地震後、研究センターが城の被災と修復の履歴を調べる中で、そろって残っているのを確認した。

 センターによると、書状と包み紙は1789(寛政元)年に書かれた。書状は字面を二つに切り、包み紙も端を斜めにカットしてある。銀製の香箱はふたと本体に分かれ、合わせると刻印の文様がぴたりと重なる。「合[あい]験[じるし]」と呼ばれる割り符の一種で、藩主と国元の家臣が片方ずつ持っていたという。

 藩主が不在の時に、仮に幕府から開城の命令が下っても、3点の合験とともに藩主からの指示が届かなければ城を明け渡さない仕組みだった。藩主は基本的に隔年で参勤交代し、1年間江戸に滞在していた。

 細川家のほかの藩主が書いた同じ内容の書状は確認されていたが、三つの合験がすべてそろって見つかったのは初めて。センター長の稲葉継陽教授は「家臣は幕府よりも当主の指示を重視している。藩の一定の自律性を示している」と指摘。「これをきっかけに情報が集まり、新たな研究につながれば」と期待を寄せている。(飛松佐和子)

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