激戦SUV市場でホンダ「ヴェゼル」はなぜ6年間も人気が続く? 売れ続ける理由とは

激戦SUV市場でホンダ「ヴェゼル」はなぜ6年間も人気が続く? 売れ続ける理由とは

ホンダのSUV「ヴェゼル」は、2013年の発売から6年が経つにも関わらず、国産SUV市場で首位を獲得するなど、高い人気を示しています。強力なライバル車が存在するにも関わらず、売れ続けている理由とはなんなのでしょうか。

モデル末期でも売れ行き好調! ホンダ小型SUVが6年人気の訳

 近年、SUVは新車市場において人気のボディタイプとなっていて、各社から新型車が続々と登場し、販売競争は熾烈を極めています。

 そんななか、発売から6年が経過するホンダのSUV「ヴェゼル」が、2019年現在も好調な売れ行きを保っています。いったいなぜ人気が続いているのでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会によると、2019年上半期(1月から6月)におけるヴェゼルの販売台数は3万3445台となり、SUVカテゴリのなかで1位を記録しました。また、同年7月から10月にかけての販売ランキングにおいても、7月:2位、8月:3位、そして9月と10月は2位、と、概ね好調を維持しています。

 なかでも注目されるのが、その売れ行きの安定性についてです。クルマのモデルチェンジの周期は、車種によってばらつきはあるものの一般的に5年から7年前後の周期でおこなわれるといわれていて、2013年12月に発売されたヴェゼルもこのサイクルに当てはめるとモデル末期に該当します。

 しかし、ヴェゼルは基本設計が新しくないにも関わらず、2019年1月から9月のすべての月で対前年同月比で90%以上を記録。同年1月には対前年比で133.5%を記録しました。

 消費税増税があった同年10月は対前年比55.6%となったものの、この10月はヴェゼル以外のクルマにおいても前年比を大きく下回っており、ヴェゼル自体の人気と関係は薄いといえるでしょう。

 いずれにしても、モデル末期のクルマがほとんどの月で前年同等の売れ行きを記録しているのは驚異的です。

 このように、ヴェゼルが息の長い人気を保ち続けている理由としては、フルモデルチェンジこそないものの、新たなパワーユニットの追加など細やかな改良が重ねられてきたことが挙げられます。

 これまでに2015年、2016年、2018年と3回のマイナーチェンジがおこなわれ、新グレードの追加も実施。2019年1月にはシリーズ唯一のターボモデルとなる最高出力172馬力の1.5リッターターボエンジンを搭載した「TOURING・Honda SENSING」が追加されました。

 ホンダがTOURING・Honda SENSINGを追加した狙いにも、やはり変化するSUV市場のなかでヴェゼルの人気を維持させることがあったといいます。ホンダの開発者は、変化するSUV市場や新車市場全体に関して、次のように説明します。

「2019年1月の新グレード追加時、ヴェゼルは発売してから5年ほど経過していました。そのためヴェゼルの販売を維持することと、いままでできなかった性能面でのさらなる底上げということで、『上質とスポーツ』というポイントから新たなエンジンを追加することになりました。

 また、TOURING・Honda SENSINGは上質という面でも静粛性の向上や内装の質感アップをおこなっています。

 新車市場全体を見たとき、SUVを新しく購入するお客さまには、安定した乗り心地が特徴のセダンや多人数乗車や積載性をウリにしているミニバンなど、ほかのニーズを持っていたさまざまなユーザーがいます。そのため、SUVにはあらゆる要望が寄せられるのです。

 また近年のSUVには、今までのSUVに対するデザインや目新しさ以外に、『運転の楽しさ』を求めるユーザーが増えていると感じます。これは、今回のTOURING・Honda SENSINGを投入した理由にも繋がります」

 さまざまなユーザーがのニーズを満たすための度重なる改良が、ヴェゼルの人気を支えていたといえるでしょう。

ヴェゼルの強力なライバル! トヨタ「RAV4」はなぜ人気?

 モデル末期のヴェゼルが安定した売れ行きを示す一方で、2019年春以降にもっとも人気のSUVとなっているのが2019年4月に発売されたトヨタ「RAV4」です。

 発売翌月の2019年5月にSUVカテゴリで首位を獲得した後、その後直近の同年10月の販売ランキングまで一度も首位を譲らず、破竹の勢いが続いています。

 登場したばかりで新型車効果があるとはいえ、なぜRAV4はここまで人気なのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「これまでSUV新車市場をけん引してきたのは、ヴェゼルやトヨタ『C-HR』などのスタイリッシュな都会派クロスオーバーのコンパクトSUVでした。

 対して、RAV4はミドルサイズSUVで、デザインもワイルド系です。機能面では世界初の4WDシステムを採用するなど、これまで売れ筋だった都会派コンパクトSUVとは方向性が異なるモデルです。

 また、この3車種の価格帯も販売台数に影響しています。ヴェゼルの価格は約210万円から約300万円、C-HRは約230万円から約310万円です。

 RAV4はひとつ上のセグメントですが約260万円から約390万円となり、C-HRとヴェゼルの上級グレードを検討すると、RAV4は比較対象になりやすくなるのです。また、ヴェゼルやC-HRと方向性の違う新しいSUVという点などが、売れている要因といえます」

※ ※ ※

 一方、販売台数に下落傾向が見られるのが、トヨタのコンパクトSUVに位置づけられる2016年12月発売のC-HRです。

 C-HRは発売翌年の2017年にSUVカテゴリで販売台数1位となるものの、2018年は対前年比65.4%を記録。ヴェゼルに競り勝ちSUV首位は守ったものの、すでに販売台数の落ち込みが見られました。

 その後も売れ行きは下落する傾向にあり、2019年上半期のランキングでヴェゼルを下回る2位となったほか、各月のランキングを見ても対前年同月比で50%を割り込む月が出るなど、厳しい状況です。

 しかし、C-HRも販売台数を回復させるべく、商品力向上のテコ入れをおこないました。

 2019年10月に、C-HRとして初めておこなわれたマイナーチェンジでは、新たなエンジンの追加設定はなかったものの、設定されるトランスミッションに6速MTを追加。

 また、トヨタがモータースポーツ活動で得たノウハウや知見を投入したスポーティグレード「GR SPORT」が登場するなど、より幅広いユーザーへ訴求できるグレード展開となっています。

 C-HRのマイナーチェンジでヴェゼルやRAV4の売れ行きがどう変化するのか、注目されます。


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