ラグジュアリーな車にはアナログ時計が装備されていることが多いです。運転中はデジタルの方が視認性が良いように思われるのですが、なぜアナログ時計が採用されているのでしょうか。また、採用される時計メーカーには、どのようなブランドがあるのでしょうか。

最先端の高級車でも時計はアナログを採用

 ラグジュアリーな高級車のインテリアも最近はデジタル化が進み、先進的な大型モニターを中央に装備するクルマが増えました。その一方で、高級車ではアナログ時計が採用されていることが多いようです。

 デジタル時計の方が視認性が良さそうに思いますが、なぜ高級車ではアナログ時計が装着されているのでしょうか。

 モノ系雑誌で時計の記事を執筆しているライターは、次のようにいいます。

「クルマ好きの人は、高級な腕時計好きが多いといわれています。スポーツカーに通じる機能美が、高級腕時計にあるからでしょう。

 映画『007』のジェームス・ボンドも、クルマはアストンマーティン、腕時計はオメガというのがお決まりですし、高級車に乗る人は、車格に合ったものを身に付けたいという願望もあるのではないでしょうか」

 ジャガールクルトやIWC、パネライ、ブルガリなどいった高級腕時計ブランドは、クルマで例えるならフェラーリやポルシェ、マセラティ、ジャガーなどといったラグジュアリーモデルと通じるものがあります。

 いずれのモデルも性能はもちろん、所有すること自体がステイタスがある存在です。過去の名車や高級車でも、アナログ時計などのインテリアでさらなるラグジュアリー感を演出しているといえます。

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 国産車でもアナログ時計を採用しているモデルが存在します。 

 レクサスでは、フラッグシップの「LS」「LC」はもちろん、コンパクトSUV「UX」などもGPS時刻補正機能付アナログ時計が装着されています。また日産では、「シーマ」や「フーガ」などの上級セダンにアナログ時計が採用されています。

 興味深いのはトヨタ「センチュリー」です。センチュリーは国内モデル最高峰のショーファーカーで、VIPが乗車する後席の高級感や快適性を追求しています。

 そのため、後席にアナログ時計が装備されていますが、運転手が座る前席にはアナログ時計は装着されておらず、メーター内にデジタル時計が表示されているのです。

高級車と高級時計ブランドのコラボとは?

 高級車と高級ブランドのアナログ時計がコラボしたモデルが存在します。コラボモデルには、どのようなものがあるのでしょうか。

●メルセデス・ベンツ「AMGシリーズ」× IWC

 メルセデス・ベンツのラインナップのなかでも、パワーと豪華な内装や装備で特別な存在となっている「AMG」。車両価格が数千万円ともなれば、それに見合う時計も限られてきます。

 メルセデス・ベンツに採用されているのはIWCです。ジュエリーやファッション時計などの超高級ブランドを傘下に持つスイスのリシュモン・グループに属するIWCなら、お互いの価値にふさわしい相手といえます。

 アナログ時計が装着されることについて、メルセデス・ベンツ日本は次のようにいいます。

「『Eクラス』や『Sクラス』などの高級モデルや、2シータースポーツモデルを中心に、以前からアナログ時計が装着されていました。AMGモデルなどでは、時計にIWCを採用しています」

●ベントレー × ブライトリング

 走る不動産ともいわれる超高級車ベントレーのインパネに鎮座するのは、スイス製高級時計ブランド「ブライトリング」のアナログ時計です。

 ベントレーとの関係性も良好で、ブライトリングがベントレーとコラボした腕時計を多数リリースするほどの間柄です。

 ちなみにクルマに搭載されるのは基本的にクォーツ(電池式または電気式)になるのですが、なんと「ブライトリング」ご自慢の最上級機械式時計「トゥールビヨン」がオプションで用意されているそうです。

●キャデラック「エスカレード(2代目)」× ブルガリ

 現在はデジタル化が著しいアメリカの高級車ブランド「キャデラック」のSUVとして人気の高い「エスカレード」は、2002年の2代目に高級宝飾メーカーであるブルガリの製アナログ時計を採用していました。

 古臭いイメージから脱却したインテリアで非常に評判も良かったのですが、残念ながら2007年登場の3代目からは採用されていません。

●マセラティ × ラ・サール

 1998年にフェラーリに買収される前のマセラティといえば、ダッシュボードに金色に輝くアーモンド型のアナログ時計がアイデンティティでした。

 一時はカルティエ製ともいわれていたこのアナログ時計ですが、正式にはスイスのラ・サール社製のものが装着されていました。

 現在はラ・サール社製ではなくなったものの、アーモンド型をモチーフにしたアナログ時計を引き続き採用しています。

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 腕時計は男性が身に着ける装飾品であり、高級車と高級時計のブランドイメージの相性は非常に良いといえます。

 最近では、クルマにアナログ時計が装着されるだけでなく、クルマのブランド自体がコラボした腕時計を発表することもあり、セイコーウォッチと日産「GT-R」やホンダ「NSX」などスポーツカーがコラボレーションした限定ウォッチが登場して話題になりました。

 なお、GT-Rのコラボウォッチは、日産とイタルデザインの共同開発車である「GT-R50 by Italdesign」にインスパイアされたもので、価格(消費税別、以下同様)は2000万円、最大3本の完全受注生産のカスタムメイドモデルです。

 さらに、1969年の初代「スカイライン2000GT-R」の登場から50周年を記念した限定モデルで、価格(消費税抜)は220万円で世界限定200本が販売されました。

 また、NSXのコラボウォッチは、2019年モデルの新色「サーマルオレンジ・パール」を取り入れたデザインで、価格は50万円でこちらも限定200本が販売されました。