スムースな回転と官能的な音が魅力の直列6気筒エンジンは、根強い人気があります。なかでも、記憶に残る直6というと、「RB26DETT型」をはじめとする日産の「RB型」ではないでしょうか。そこで、RB型を搭載した日産車を5車種ピックアップして紹介します。

直列6気筒らしい滑らかな回転と高出力を誇った名機

 現在、国内メーカーが販売している乗用車で、直列6気筒エンジン(以下、直6)を搭載しているモデルは、2019年5月に発売されたトヨタ「スープラ」のみです。

 しかし、このスープラのエンジンはBMW製で、国内向けに直6を生産している国産メーカーはなく、2リッター以上の大排気エンジンはV型6気筒(以下、V6)が主流になりました。

 かつて、国内でも直6エンジンは数多くありましたが、なかでも日産のRB型は「スカイライン」などに搭載され、1980年代後半から2000年代初頭まで日産の花形エンジンでした。

 そこで、名機といわれるRB型エンジンを搭載した日産車を5車種ピックアップして紹介します。

●ローレル【RB20E型】

 日本初のハイオーナーカーとして「ローレル」は1968年にデビューしました。1972年に発売された2代目以降は、シャシやパワートレインをスカイラインと共有しながら代を重ねていきます。

 そして、1984年に発売された5代目では、当時の日産車が多く採用した角張った外観デザインとなり、搭載されたエンジンは2リッターV6ターボとともに、新開発の2リッター直列6気筒をラインナップ。

 これが、「L型」に替わる新世代の直6エンジンRB型です。RB型というとスカイラインのイメージが強いですが、じつはローレルが初めて搭載されたモデルになります。

 ローレルの「RB20E型」エンジンは最高出力130馬力/最大トルク18.5kgm(グロス)で、スペック的には「VG型」ターボエンジンに及びませんでしたが、静粛さやスムースさは高い評価を受けます。

 しかし、国内市場では高出力化が進んでいたため、パワーアップが望まれ、1986年のマイナーチェンジ時に175馬力/23.0kgmを発揮する、2リッター直6DOHCターボエンジンである「RB20DET型」搭載車が追加されました。

●フェアレディZRシリーズ【RB20DET型】

 1983年のモデルチェンジで3代目に進化した「フェアレディ300ZX」は、ロングノーズ・ショートデッキのスタイルは継承しながら、それまでのL型エンジンと決別し3リッターV6ターボの「VG30ET」を搭載。

 輸出仕様ではトップスピードが250km/hを超えハイパフォーマンス・スポーツカーの仲間入りを果たし、日本でもその動力性能は高く評価されます。

 一方で、2リッターV6ターボを搭載した「200ZX」では物足りなさを感じていたユーザーたちから、直6を搭載したフェアレディZの復活を望む声が多く上がります。

 そして、7代目スカイラインに搭載された2リッター直6ターボ「RB20DET型」エンジンを搭載する「ZR」グレードを発売。最高出力180馬力を誇り、直6復活を待ち望んでいたファンから歓迎され、2リッターモデルの主流となりました。

●スカイラインGTS-R【RB20DET-R型】

 1973年に発売された「スカイラインGT-R」(通称ケンメリGT-R)以来となるDOHCエンジンを搭載した、6代目スカイラインRSは、大いに話題となりました。

 さらに、1983年には2リッター直列4気筒DOHC16バルブターボエンジンを搭載する「スカイライン2000RSターボ」が登場すると、国内メーカー間のパワー競争が勃発。

 そして、1985年に7代目が発売されると、すべての6気筒モデルはL型からRB型にチェンジされます。

 トップグレードに搭載されたのは最高出力210馬力/最大トルク25.0kgm(グロス)を発揮する2リッター直6DOHCターボエンジンである「RB20DET型」です。

 当初は4ドアセダンのみでしたが、新開発の4輪操舵システム「HICAS」を備え、ハンドリング性能も高く評価されます。

 そして1987年のマイナーチェンジ時に、当時の「グループAツーリングカーレース」で戦うことを前提として、800台限定でホモロゲーションモデル「GTS-R」が登場。

 専用のターボチャージャー、インタークーラー、等長ステンレス製エキゾーストマニホールドが装着された「RB20DET-R型」エンジンは、GTS-R専用マフラーの装着により最高出力210馬力/最大トルク25.0kgmを発揮。

 数々の特別な装備が与えられたGTS-Rは、好景気が始まっていた背景もあり、発売直後からプレミア価格で中古車が取り引きされるほどの人気でした。

だれもが知っているRB型最強スペックが登場!

●スカイラインGT-R【RB26DETT型】

 1969年に初代が発売された、スカイラインの高性能モデルであるスカイラインGT-Rは、レースに勝つことを目的に開発されました。

 2リッター直6DOHC24バルブエンジンの「S20型」を搭載し、実際に国内レースで連戦連勝を飾り、伝説となります。そして1973年に発売された2代目スカイラインGT-Rはレースに出場することなく、排気ガス規制強化のためわずか197台しか生産されず、GT-Rの名前は一旦途絶えました。

 排気ガス規制への対応が一段落した1980年代に入ると国産車の高出力化が進み、7代目のスカイラインGTS-Rに続き、1989年にモデルチェンジされた8代目では、第2世代の「スカイラインGT-R」がデビューします。

 新世代のスカイラインGT-Rは、最高出力280馬力/最大トルク36.0kgmを発揮する2.6リッター直6DOHCツインターボの「RB26DETT型」エンジンを搭載。

 このパワーを電子制御4WDシステム「アテーサE-TS」によって路面に伝えられ、さまざまな路面条件でも圧倒的な速さを誇りました。

 1990年からグループAツーリングカーレースに出場。デビューウィンを飾ると、そこから1993年にレースが消滅するまで負けなしの全勝と、まさに無敵でした。

 レースに勝つというGT-Rの使命は、現在も続いています。

●ステージア【RB25DET】

 1996年にデビューした「ステージア」は、ローレルのシャシとコンポーネンツをベースにしたステーションワゴンです。

 なかでも「RS FOUR」シリーズは、スポーティさを強調したメッシュタイプの専用グリルとフロントスポイラーを装備し、最高出力235馬力/最大トルク28.0kgmを発揮する2.5リッター直6DOHCターボのRB25DET型エンジンを搭載。

 駆動方式は、前後トルク配分をほぼ50:50に固定できるシンクロモードが付いた「アテーサE-TS」フルタイム4WDシステムが採用されていました。

 さらに1998年のマイナーチェンジでRB25DET型エンジンは、10代目スカイラインと同じ「NEOストレート6」と呼ばれる新世代エンジンにあらためられたことで、当時のメーカー自主規制値である280馬力までパワーアップします。

 トランスミッションは5速MTに加え、新開発の4速ATの「デュアルマチックM-ATx」が採用され、マニュアルモードにより、スポーティな走りも満喫できるクルマとなりました。

 1997年にはRB26DETT型を搭載した「オーテックバージョン260RS」がオーテックジャパンから発売されると、「GT-Rワゴン」の異名で人気となります。

 2001年に2代目にモデルチェンジされると全グレードがV6エンジンの「VQ型」になり、この代をもってステージアは消滅しました。

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 直6エンジンは世界的に数を減らしていますが、メルセデス・ベンツが直6の良さを再評価し復活させ、大いに話題となりました。

 国内でもマツダが開発中ということで、登場したあかつきには、注目されることは間違いないでしょう。

 実際に、直6エンジン独特のフィーリングは優秀で、一度体験すると忘れられないほどです。