クルマとアニメの趣味を同時に楽しめる痛車ですが、飽きてしまったとき、中古買取り店で査定してもらえるのかは気になる問題です。そこで、今回はどのレベルの痛車なら売却できるのか、実際に査定するといくらになるのか、大手中古車買取り店に取材してみました。

そもそも痛車とは?中古車販売店で売却できるの?

 痛車は、クルマとアニメの両方が好きな人に楽しまれている趣味です。好きなアニメキャラクターのイラストやロゴのステッカーをクルマに貼り付けるのが特徴で、最近では、軽自動車からスーパーカーまで多様な痛車が存在します。

 しかし、貼り付けたステッカーのアニメに飽きてしまったときや、クルマを買い換える際に中古買取り店で査定してもらえるのかは気になる問題です。実際に、痛車はどれほどの価値で売買することが可能なのでしょうか。

 痛車のことをよく知らない人のなかには、直接塗装を施しているイメージを持つ人もいます。稀に、直接ペイントしているクルマもありますが、大半はステッカー(カッティングシート)を車体に貼っているタイプが主流です。

 また、痛車の装飾方法には大きくふたつに分けられます。ひとつめは、初心者にも挑戦しやすいといわれている「部分貼り(キャラ貼り)」で、ボディの塗装面を活かしながら、間隔を空けてステッカーが貼られています。

 ふたつめにあげられるのが「フルラッピング」です。クルマ全体を覆い隠すようにステッカーを貼り巡らせるため、フルラッピングという名称で呼ばれています。

 このように、痛車は複数の装飾方法が存在するため、種類によって中古買取りの査定額に影響するのか気になるところです。では、痛車はそもそも売却可能か、さらに売却可能であれば買取価格にどれほどの影響を及ぼすのでしょうか。

 結論からいうと、痛車は中古車店でも売却できます。中古車販売店「ガリバー」を運営する株式会社IDOMは、以下のように話します。

「弊社では車検が通る状態であれば、ステッカーでデコレーションした車両の買取は可能です。しかし、価値がとくに上がる訳ではなく、通常の車両の買取金額と同じになります」

 車検合格車両であれば、ガリバーでの売却は可能なようです。しかし、中古車業者によってその基準は異なり、そもそも売却できないケースもあるようです。

 まず、クルマ自体にペイントをしているものは断られる確率が高いとされています。基本的に、買取後は元の状態にしてクルマを再販します。ボディに直接ペイントしている場合、塗装を塗り直す必要があるため、買取を断られる店舗も多いです。

 一方、ステッカータイプの痛車は、売却できる可能性も高くなります。しかし、こちらもシールを剥がして元の状態に戻す必要があるので、ノーマルなクルマの売却に比べると買取査定額は低くなる可能性もあるでしょう。
 
 そのため、自分でステッカーを剥がそうとする人もいますが、オススメとはいえません。施工業者やステッカー自体の耐候性、剥離性によって大きく左右されるため、必ずしもキレイに剥がれるとはいい切れないからです。

 また、劣悪な環境で保管されていた場合、ステッカーが劣化してしまうので、無理に剥がすとボディを傷つけてしまう恐れもあります。

 ステッカーはそのままの状態で中古車販売店に持っていくべきなのでしょうか。都内の痛車ステッカー専門店は、以下のように話します。

――痛車を中古車買取に出す場合、ステッカーは剥がしてもらえるのでしょうか。

 基本的に、弊社で施工した痛車のみ、脱着できます。痛車のステッカーや施工方法は、その業者によって大きく異なるため、脱着作業についても同様のことがいえます。そのため、ほかの業者さんによる施工や自分でステッカーを貼られたお客さまについては、対応できません。

――痛車のステッカーを剥がす場合、かかる料金を教えて下さい。

 価格については、車種、フルラッピング、ハーフラッピング、部分張り、によって値段が変わります。そのため、脱着が必要なクルマを確認しないことには、明確な値段をお答えできません。

――痛車を剥がして持ち込むほうが、買取価格も変わるのでしょうか。

 痛車ステッカー制作専門のため、買取価格の変動については把握しておりません。しかし、痛車を中古買取り店に出すお客さまの多くは、施工業者に脱着を依頼しています。

 また、フルラッピングやハーフラッピングの場合、クルマを解体(クルマのドアを外す、など)して施工しているケースも多いです。そのため、ステッカーをそのままにして中古買取り店に出す人は、非常に少ないです。

痛車の買取や査定金額は? 中古車販売店に聞いてみた!

 痛車の中古車販売店での買取について、別の中古車販売店のスタッフは次のように話します。

――痛車は買取できるでしょうか。

 そのままの状態になっている痛車でも、買取はできます。ただ、ラッピングを剥がして売りに出すため、その分買取額は下がります。

 ただ、フルラッピングや部分張りなど、ステッカーの量によって金額は変わります。ステッカーの数が少なければ、その分査定額は上がると思います。もし剥がせるのであれば、通常の状態に戻してから査定したほうが買取金額はアップします。

――ステッカーではなく、直接ペイントしている痛車も査定できますか。

 クルマに直接ペイントされていても、基本的には買取しています。ただ、買取金額は非常に低くなる可能性が高いです。

 実際、買い取ったクルマは元の状態に戻してから売りに出すため、ペイントがあると塗装の塗り直し費用がかかります。車種やサイズによって費用は大きく変わりますが、1台につき30万円から50万円程度かかることもあります。『塗装料金分が買取金額から差し引かれる』と考えてもらっていいでしょう。

 しかし、ペイントの量や車体の大きさによっても大きく変わります。たとえば、大きいクルマになると、塗装費用に70万円程度かかることもあるでしょう。クルマのサイズが小さければ、その分費用も抑えられるので、買取金額も変わると考えられます。

――痛車の査定額はいくらになるでしょうか。

 ステッカーを剥がした状態であれば、通常のクルマと同じように、年式、車種、機械的な部分を判断してから査定します。

 そのままの状態だった場合は、『本来の査定額から痛車の施工金額分を差し引いた金額』になると考えておいてもらえると、いいかと思います。

 ただ、ラッピングを剥がすにしても、別途お金がかかると思います。実際に、痛車を買取に出すため、業者でラッピングを剥がしたお客さまのなかには、痛車の施工費用と変わらない金額を請求されたという人もいました。

 剥がすときにかかる費用も、業者さんによって変わります。そのため、剥がした状態かそのままの状態、どちらがお得なのか判断するには、脱着にかかる費用を査定前に確認しておいたほうがいいかもしれません。

――痛車の状態で中古販売店に売り出されるケースはありますか。

 走行距離が10万キロ超えている、15年から20年以上前の古いクルマなど、値段の付けられないクルマに関しては、もしかすると痛車として査定したほうが価値のつくケースもあります。

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 このように、痛車は中古車販売店に売却できるものの、やはり通常のクルマに比べて査定額が低く設定されてしまうこともあるようです。