「東京オートサロン2020」で、トヨタ「GRヤリス」が世界初公開されました。コンパクトでありながらパワフルな走りが期待されているGRヤリスは、どのような仕様になっているのでしょうか。また、GRヤリス登場で競争激化が予想されるライバル車は……。今回は、コンパクトスポーツ車を5車種ピックアップして紹介します。

走りと使い勝手が良く低燃費! いま、走り屋から注目を集めるクルマたち

 かつて、高性能なコンパクトカーが各メーカーから販売されていましたが、年を追うごとに数を減らしてしまいました。しかし、完全に無くなったわけではなく、車種は少ないものの、継続して販売しているメーカーがあります。

 そんななか、トヨタからスーパーコンパクトカー「GRヤリス」が発表され、高性能なコンパクトカーが注目され始めました。

 そこで、現在販売されている高性能なコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「GRヤリス」

 トヨタの人気コンパクトカー「ヴィッツ」が約10年ぶりにフルモデルチェンジし、名前を「ヤリス」に変えて登場します。

 そして、早くもGRモデル「GRヤリス」が、チューニングカー&カスタムカーの祭典「東京オートサロン2020」の会場で発表されました。

 世界ラリー選手権(WRC)で培われたノウハウを、最大限につぎ込んだスポーツタイプのモデルとして期待が高まるGRヤリスは、TNGAに基づくスポーツ4WDプラットフォームが採用され、軽量化を図りながらもシャシ剛性が高い、バランスの取れたクルマです。

 さらに、新開発の「フォージドカーボン」をルーフ部分に採用し、ボンネットとドアパネルにはアルミ素材を用いるなど、ストイックなまでに軽さにこだわった設計となっています。

 また、大型の空冷インタークーラーを搭載した1.6リッター直列3気筒ターボエンジンは、最高出力272馬力、最大トルクは370Nmと、3リッター自然吸気エンジン並の大パワーを誇ります。

 燃費に関しては未だ公式に発表されていませんが、熱効率を極限まで高めているはずなので、ハイパワーながら良好な燃費にも期待が高まります。

●日産「ノート NISMO S」

 2018年暦年に、日産史上初となる車名別年間販売台数トップを獲得したコンパクトカー「ノート」ですが、そのなかでも走りを追求した「NISMO S」グレードは、ラインナップ上でも特別な存在となっています。

 日産直系のワークスチューンならではのテクノロジーが詰め込まれ、車体剛性の向上や強化されたサスペンションによって、走行性能が大幅にアップ。

 また、ガソリン車に搭載されている1.6リッター直列4気筒「HR16型」エンジンも、チューニングが施され、5速MTが組み合わされます。

 HR16型エンジンは最高出力140馬力、最大トルク163Nmを発揮し、エンジンで発電してモーターで走行する「e-POWER NISMO S」では最大トルクは320Nmにもなり、2リッターターボ級の加速を体感することが可能です。

 ボディも空力性能を綿密に計算したエアロパーツを装着することで、低速から高速まで安定した走りを実現。

 ノート NISMOシリーズの多くは基本的に持ち込み登録となっているので、燃費は公表されていませんが、通常モデルの「e-POWER S」グレードではJC08モードで37.2km/Lの性能を発揮するため、ノート NISMOシリーズは家計に優しいスポーツモデルではないでしょうか。

●スズキ「スイフトスポーツ」

 4代目となるスズキ「スイフトスポーツ」は、シリーズ初となる3ナンバー車で、スイフトに対してトレッドを30mmワイド化し、フェンダーを20mm拡幅したことで全幅が1735mmとなっています。

 ボディは大きくなりましたが、新型プラットフォーム「HEARTECT」を採用し、軽量化と高剛性を両立し、全グレードが1トン未満の車重を達成。

 また、エンジンは従来の1.6リッター直列4気筒自然吸気から、1.4リッター直列4気筒ターボにダウンサイジングされていますが、出力は歴代で最高の140馬力を発揮しながらも、燃費はJC08モードで16.4km/Lと良好です。

 軽量化の恩恵として「走る・曲がる・止まる」性能がすべて向上し、優れたコンパクトスポーツと評されています。

 2017年には2代目から3世代連続となる「RJC カーオブザイヤー」を受賞し、さらに2018年にはワールド・カー・アワーズの「2018 ワールド・アーバン・カー部門 TOP3」に選ばれるなど、その実力は折り紙付きです。

軽自動車でも侮れない、小さくて速いヤツとは

●ダイハツ「コペン GRスポーツ」

 軽自動車のなかでもオープンスポーツカーとして人気を集めているのがダイハツ「コペン」です。

 現行型の2代目コペンは2014年に発売され、ボディデザインが異なる「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」の3タイプがラインナップされていましたが、よりスポーティな「GRスポーツ」が第4番目のタイプとして2019年に追加されました。

 GRスポーツは、2019年1月の東京オートサロン2019に出展された「コペン GRスポーツ コンセプト」を商品化したもので、トヨタの「TOYOTA GAZOO Racing」がモータースポーツ活動で培ってきた技術を共有し、開発はダイハツ主体でおこなっています。

 コペンシリーズのエンジンは全タイプ共通の660cc直列3気筒ターボで、最高出力64馬力、最大トルク92Nm、組み合わされるトランスミッションはCVTと5速MTです。

 燃費はWLTCモードで19.2km/L(CVT)で、現在、国内でもっとも売れているホンダ「N-BOX」がWLTCモードで19.0km/Lから21.8km/Lですから、十分に低燃費といえるでしょう。

 また、GRスポーツは、アンダーボディに補強材を追加してボディのねじれ剛性を高め、スプリングとショックアブソーバーの最適化とあわせ、安定感のあるフラットな乗り心地を実現しています。

 なお、コペン GRスポーツという名はそのままで、トヨタにOEM供給されています。

●ホンダ「S660」

 1996年に販売が終了した名車ホンダ「ビート」から19年ぶりとなる2015年に、2シーターオープンスポーツ「S660(エスロクロクマル)」が発売されました。

 軽自動車では珍しいリアミッドシップを採用し、搭載されるエンジンは専用のターボチャージャーを採用した直列3気筒ターボエンジンで、優れたレスポンスを実現。トランスミッションは6速MTとCVTが選べます。

 最高出力64馬力、最大トルク104Nmを発揮し、トルクにおいては軽自動車トップクラスに君臨し、燃費もWLTCモードで6速MTが20.6km/L、CVTが20.0km/Lとなっており、ライバルのコペンを上まわっています。

 また、車体の動きをコントロールするためにブレーキ制御を活用して、コーナーリング時に少ないハンドル操作でスムーズな車両挙動を実現する「アジャイルハンドリングアシスト」をホンダの軽自動車で初めて採用。

 さらに、足まわりは前後独立サスペンションに、260mmの大径ディスクブレーキを4輪に装着することで、優れたコーナーリングと制動力を実現しています。

 なお、先のオートサロン2020の会場で、マイナーチェンジされたS660が発表されています。内外装の一部デザインが変更されたのと、装備の充実が図られました。

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 2020年1月10日より先行予約が開始されたGRヤリスの予約台数が、2週間で約2000台にのぼることが明らかになりました。

 高性能な本格的コンパクトスポーツが久しぶりに発売されるとはいえ、税込価格が396万円から456万円の高額なモデルがこれほど売れるとは驚異的です。

 それだけ、GRヤリスのようなモデルを、待ち望んでいた人がいるということでしょう。