タイヤはおもにゴムでできているので、長い間経つと劣化していきます。では最新のスタッドレスタイヤは、4年経ってもとその性能を十分に発揮するのでしょうか。横浜ゴムの勉強会で試してみました。

タイヤがいつ作られたのかはサイドウオールに記されている

 タイヤはゴムやスチールコードなど、いろいろな材料からできた製品です。時間が経つとその特性も変化していきます。

 一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)によると、「使用開始後5年以上経過したタイヤについては、継続使用に適しているかどうか、速やかにタイヤ販売店などでの点検を受けられることをお奨めします」とあります。

 また「外観上使用可能のように見えたとしても(溝深さが法律に規定される値まですり減っていない場合も)、製造後10年経過したタイヤ(スペアタイヤ含む)は新しいタイヤに交換されることをお奨めします」とあります。

 さらに注意書きとして「環境条件、保管条件および使用方法によって、この年数を経過していないタイヤであっても継続使用に適していない場合もあります」とも書かれています。

 タイヤがいつ作られたかを知るには、「セリアルナンバー」を見ればわかります。

 タイヤの横、サイドウオールをよく見ると、楕円に囲まれた4ケタの数字が書かれています。前の2ケタが製造週、後ろの2ケタが製造年を表しています。たとえば「1216」の場合、2016年の第12週(3月)、「4119」の場合、2019年の第41週(9月)に製造されたタイヤだということがわかります。

 では、4年経ったタイヤは、新品タイヤと比較して、性能にはどれだけの違いがあるのでしょうか。

 今回、北海道・旭川市にある横浜ゴムの北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)で、冬タイヤ勉強会が開催されました。そこで、横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード6 iG60」の、新品と4年経過相当のタイヤを比較する機会がありました。

最新スタッドレスは4年経過しても柔らかさを保って永く効く

 今回の比較対象である「4年経過相当のスタッドレスタイヤ」とは、横浜ゴム担当者によると「およそ70度のオーブンのような所に新品タイヤを入れ、数日間おいて擬似的に経年変化させた状態」といいます。

 ただしこれは、4年間使い続けたタイヤ、ということではなく、4年経過相当のタイヤということなので、溝の摩耗はなくきれいな状態です。

 実際に比較すると、見た目上は4年経過相当のタイヤと新品タイヤの区別はつきません。計測器で測定すると4年経過タイヤのほうが新品より若干硬くなっているそうですが、トレッドゴムを指で押した触感も、ほとんど違いがありません。

 まずは新品のアイスガード6でアイス路面を走行します。試走するクルマは、195/65R15 91Qサイズを履いたトヨタ「カローラスポーツ」です。

 20km/hまで加速してブレーキング。グググっとABSを効かせながら止まっていきます。その後の停止状態からの発進でも、難なく加速していきます。スケートリンクのような、人も歩けないような氷の上でもアイスガード6はきちんと止まり、加速できます。

 続いて4年経過相当のアイスガード6。20km/hまで加速してブレーキングしますが、ABSの効きかたや右足に伝わるフィーリングは、新品とほとんど変わりません。3回ずつテストしましたが、制動距離もほとんど一緒でした。

 横浜ゴムの資料によると、新品のアイスガード6のアイス制動性能を100とした場合、4年経過相当のアイスガード6のアイス制動性能は99.5。経年劣化しても性能低下は少ないことがわかりました。

「スタッドレスタイヤでの氷雪性能は、ゴムの柔らかさ、しなやかさが重要です」と横浜ゴムの担当者はいいます。

「ゴムの柔らかさを保つためにタイヤにはオイルを充填しますが、そのオイルは時間が経つとともにゴムから抜けていきます。つまり、ゴムが硬くなってスタッドレスタイヤの氷雪性能は著しく低下します。

 ですが、ヨコハマの最新スタッドレスタイヤであるアイスガード6には、オレンジ由来の素材である『オレンジオイルS』が使われています。このオレンジオイルSを配合することで、永く効く性能を向上させました」。

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 スタッドレスタイヤは、季節商品です。冬シーズンが始まる前にタイヤ販売店などで新品タイヤを購入し、セリアルナンバーを見ると、製造年が前年の場合もあります。

 しかしながら、保管がしっかりしているタイヤ販売店ならば、今回のテストでもわかるように、製造から1年経過した新品タイヤでも、ほとんど性能に影響はありません。

 では、購入して毎シーズン履き替えるスタッドレスタイヤを少しでも長持ちさせるには、どうすればよいのでしょうか。

「直射日光があたらない場所に保管してください」と横浜ゴム関係者はいいます。

「ガレージや物置など、夏でも高温になりにくい場所に置いておくと、経年劣化が起きづらいと思います。マンションにお住まいの方などは、ベランダに保管するしかない場合もありますが、そのときは直射日光を避け、タイヤカバーをかけてください」

 自動車ディーラーや大手のカー用品店、タイヤ専門店などでは、外したタイヤを有償で保管してくれるサービスがあります。自宅にタイヤの保管場所がない場合、そういうサービスを積極的に使うのも手です。