全国の交通事故死者数では、高齢者の死者数や死傷者数に注目が集まりがちですが、小学校低学年の死傷者も多いことが分かっています。とくに、7歳児の死者数がダントツで多いとされていますが、なぜ7歳児なのでしょうか。

歩行中の死傷者は7歳がもっとも多い

 警察庁は、2020年1月6日に2019年の交通事故死者数統計を発表しました。それによると全国の交通事故死者数は3215人となり、2018年と比較すると317人減少、2016年から4年連続で4000人を下回ったことが判明しています。

 また、最近では65歳以上の高齢者に注目が集まりがちですが、意外にも7歳がもっとも歩行中の死傷者数が多い結果となったのです。なぜ、7歳児が事故に遭いやすいのでしょうか。

 交通事故などの分析をおこなっている交通事故総合分析センター(イタルダ)によると、2015年の歩行中の交通事故 死者者は1534人でした。

 このなかで、死者数の70%を65歳の高齢者が占めていることから、社会全体で高齢者に対するさまざまな安全対策が図られています。

 一方で、19歳以下をみると死者数は全体の3%と割合は小さいですが死傷者数では18%を占めます。なかでも、死傷者数がもっとも多い年齢層は高齢者ではなく、5歳から9歳で4853人(2015年時)となります。 

 さらに年齢を細かくみると、成人の死傷者数が600人前後、65歳以上では800人前後なのに対して、7歳児の死傷者数は約1400人と際立って多くなっているのです。

 警察庁の統計資料によると、全国の歩行中の交通事故死傷者のうち、7歳(小学1年生から2年生)が際立って多く、小学校への新入学などにより活動範囲が広がる一方で、外歩きの経験や交通安全の知識が十分でないことが背景にあると考えられます。

 埼玉県交通安全対策協議会によると、交通事故に遭う時間帯は「14時から18時が多い」といい、登校時は集団登校や地域の見守りがある一方、下校後の時間帯は児童の注意や地域の見守りが手薄になりがちです。

 また、交通事故の発生場所は、小学校1年生の行動範囲はとして学校や公園などの自宅近くが中心となることから、交通事故も約8割が自宅から1km以内で事故に遭っており、歩行中に死傷した小学生のうち、約半数の児童に何らかの違反が認められ、そのうち約3割が「飛び出し」が原因でした。

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 これらの背景をふまえて、2018年5月に開催された第73回九都県市首脳会議において、とくに交通量の多い首都圏において、安全・安心な子育て環境を確保していくため、子共の歩行中の交通事故の防止に向け共同して取り組むことが決定されました。

 検討会では調査結果を踏まえ、事故防止のための留意点を児童に理解しやすく、保護者が配意すべきポイントをまとめたチラシなどを作成し、交通安全の呼びかけています。

 警察庁でも「関係機関・団体などと連携した広報啓発活動の推進新入学時期を捉えて、地方公共団体、教育委員会、学校、報道機関などと連携し、保護者やそのほかの関係者の理解を促進する取り組みをおこなっていく」と説明しています。