冬から春にかけての季節は、花粉やウイルスが車内に侵入するのを防ぐため、窓を閉め切ったままクルマに乗ることが多く、車内のニオイが気になることがあります。車内のニオイの原因とは、どのようなものなのでしょうか。

クルマのなかは複雑なニオイが入り混じる!?

 冬から春にかけての季節は、花粉やウイルス対策として、窓を閉め切り、エアコンを「内気循環」モードにしてクルマを運転している人も多いのではないでしょうか。

 しかし、気がつくと不快なニオイが車内に漂い、窓を開けて換気をしても一時的にしか改善せず、少し経つとまたニオイが充満することがあります。

 車内に漂うニオイの原因とは、どのようなものなのでしょうか。

 車内のニオイは、おもに5つあるといわれています。

●タバコ

 もっともニオイの原因になりやすいのがタバコです。

 煙のなかにはニコチンやタールだけでなく、悪臭のもととなるアンモニアやアルデヒドなども含まれており、窓を閉め切ったまま内気循環などで喫煙していると、車内はおろかエアコンの内部にまで煙の成分が付着し、時間の経過とともにニオイの原因になります。

●食べ物のカスやこぼした飲み物

 たいていの食べ物はおいしそうなニオイがしますが、このニオイが車内にこもるのが厄介です。コーヒーなどの飲み物も同様です。

 気をつけていても食べカスや飲み物が少しこぼれるなどで車内に残り、これが雑菌やダニのエサとなって増殖し、そのニオイが車内に広まってしまうことも考えられます。

●シートに付着した体臭や汗

 自分で気づかぬうちに、汗や体臭がシートに付着しているものです。とくに夏場などは背中や太ももなども汗をかいているもの。またシートベルトなどにもニオイが移りやすいといわれています。

 香水なども時間の経過でニオイが変化してしまうこともあります。

●フロアマットに付いた雨や泥

 雨天時は、傘などの水気に加え、靴に付着した砂や泥などが車内に持ち込まれます。これが雑菌やカビを増殖させる原因になります。

●エアコン

 エアコンが臭う場合、カビなどがエアコンのフィルターやエバポレーターに増殖している可能性があります。

 エアコンから噴き出した風にはカビ菌なども含まれ、これが車内を漂うことで新たなニオイの原因になっています。

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 花粉症の人は、車内に花粉が車内に侵入しないように、エアコンを『内気循環』にしたままということもあるようですが、最近のエアコンは事情が違うといいます。

 故障や修理を数多く手がける秀自動車(栃木県宇都宮市)の整備士である高島氏に聞いてみました。

「現在のクルマのエアコンは、フィルターが非常に進化しており、PM2.5などの微細なホコリまでを抑えてくれる効果が期待できます。

 むしろ『外気導入』モードに設定したほうが車内の空気がきれいになることが多いといわれています」

 これまでは正しいとされていた『内気循環』モードだと、服などに付着した花粉やホコリやニオイがエアコンを介して車内に広がってしまうようです。

 普段は外気導入モードで走行し、前を走るクルマの排気ガスが車内に入り込んできたり、汚れた空気がこもりがちなトンネル内で渋滞した場合などに内気循環モード切り替えるなど、必要に応じて上手に使い分けるのが良いとされています。

「タバコのニオイに関しては、エアコンのモードは外気導入にして、さらに前席と後席の窓を少しずつ開けて空気の通り道を作ってあげると良いです。

 車内にタバコの煙やニオイを滞留させないようにするだけでも、だいぶ変わってきます」(高島氏)

 最近利用者が増えている加熱式タバコは、ニオイの原因のひとつであるタールが発生しないため、かなりニオイが抑えられています。

 クルマのなかでタバコを吸う場合は、紙巻きタバコから加熱式にするのもいいかもしれません。

自分でできるニオイ対策、プロにお願いしたほうが良いことも…

 車内に付着したニオイを取り除くには、どのようにするのが良いのでしょうか。

「水で濡らし硬く絞った雑巾やタオルなどで水拭きするのがベストです。ニオイが染み込みやすいファブリックシートだけでなく、本革シートも表面には専用のコーティングで保護されているので、水拭きがおすすめです

 汚れやニオイが強い場合は、水1リットルに対して50ccほどの中性洗剤を入れた洗浄水も有効です」(高島氏)

 汚れやニオイが強いところを洗浄水に浸して絞ったタオルなどで拭き、その後普通の水拭きで拭き直します。最後に乾いたタオルなどで表面の水気を取ってから乾燥させるだけでも、だいぶニオイは解消されるそうです。

「飲み物などをこぼしてしまった場合やタバコのヤニなどは、かなり奥までしみ込んでいる可能性があります。表面だけでは取りきれないこともあり、個人で対処するのはかなり厳しいでしょう。そうなると全部取り外して洗浄するため、プロに任せたほうが確実です」(高島氏)

 フロアマットの洗浄も忘れずにしておきたいポイントです。取り外しできるので、ざっと全体を水洗いして陰干ししておくだけでもニオイはかなり減少します。

「フロアまで洗浄するのは大変ですが、先ほどのシートと同様に洗浄水&水の2度拭きするだけで、車内のホコリっぽさはかなりなくなると思います」(高島氏)

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 エアコンから出るニオイは、自分でできる対処法はあるのでしょうか。

「エアコンが臭う場合は、エアコンフィルターの洗浄、またはその奥にあるエバポレーターを洗浄する方法がありますが、ダッシュボードの奥にあるので、さまざまなパーツを取り外す必要があります。そのため、個人で洗浄するのは難しいと思います」(高島氏)

 最近のクルマは、グローブボックスだけでなくステアリング関連のパーツとも連動しているケースがあるため、パーツの取り外しが難しくなっているといいます。メンテナンスの上級者でない場合、プロに任せるほうが安心です。

「クルマを購入した販売店やディーラーに相談したほうが、時間的にも労力的にもいいと思います。フィルター洗浄だけで済むのか、エバポレーターまで洗浄する必要があるのかも診断してくれると思います。

 エアコンは、エアコンからホコリが出るようになったり、吹き出し口に汚れが見えたりしたら、早めに洗浄してもらったほうがいいです」

 ニオイの原因は、クルマに乗る人が外から持ち込むものがほとんどです。定期的に車内を清掃し、できる限り車内に汚れの原因となる食べカス飲み物をこぼしたりしないように気をつけることが大切です。