2020年2月にフルモデルチェンジしたホンダのコンパクトカー新型「フィット」のハイブリッド仕様の実燃費はどれくらいなのでしょうか。高速道路やワインディング、一般道を実際に走って、燃費を測定してみました。

高速道路では30km/L超えの超低燃費を記録!?

 2020年2月14日にフルモデルチェンジし、4代目へと進化したホンダ「フィット」は、先代から打って変わってシンプルなデザインとなり、数値には表せない心地よさをキーワードとしたモデルに生まれ変わりました。

 奇しくも同じタイミングでライバル車種となるトヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」も、装いも新たに「ヤリス」と名前を変えて登場したことで、新型フィットへの注目度もよりいっそう高まっています。

 新型フィットのハイブリッド車は、滑らかな走りを実現する2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」をホンダのコンパクトカーとして初搭載。走る楽しさとともに、優れた燃費性能を両立するパワートレインで、実燃費がどのくらいなのかは気になるところでしょう。

 今回のテストではハイブリッドモデルのなかでもエントリーグレードの「e:HEV ベーシック」を使用。WLTCモード燃費29.4km/Lと、新型フィットでは最良値となるグレードですが、メーカーオプションの「Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ」が装着されていたため、WLTCモード燃費は「e:HEV ホーム」グレードと同じ28.8km/Lとなります。

 走行ルートは、高速道(首都高速⇒東名高速道路⇒小田原厚木道路 小田原西インター)、ワインディング路(ターンパイク箱根⇒箱根新道⇒西湘バイパス 西湘PA)、一般道(国道134号⇒国道129号⇒国道246号)の3セクションでテストしました。

 その結果は、194.7kmの走行で燃費は28.8km/LというWLTCモード燃費と全く同じ数値を記録しました(車両の燃費計を使用)。なお、今回の走行モードは「ECON」モードを使用しない通常モードで、エアコンは24度設定のフルオート、クルーズコントロールは未使用としています。

●高速道

走行距離:78.9km
実燃費:31.9km/L

 首都高速道路を経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通る今回のルート。平日ではありましたが、新型コロナウイルスの影響でクルマ移動の人が多く、かなりの交通量がありました。それが功を奏したのかこの区間では31.9km/Lをマークしています。

 じつは新型フィットのe:HEV・2WD車はWLTCモード燃費のなかで、速度域の高い高速道路モード燃費が一番悪く、今回の仕様で27.1km/Lでした。

 一方、そこまで速度域の高くない郊外モード燃費は31.7km/Lであり、今回の走行はどちらかというと郊外モードに近かったのかもしれません。

新型フィットは上り坂が苦手? 燃費はまさかの一桁台!?

●ワインディング路

走行距離:42.6km
実燃費:21.3km/L

 小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコース。モーター走行が基本となる新型フィットですが、延々と続く上り坂ではすぐにバッテリーを使い果たし、発電と駆動のためにエンジンが回りだします。

 それでも道中は、少しアクセルを緩めると途端にエンジンの回転数が下がり、極力エンジンを回さないような制御が入ります。そんなフィットにいじらしさを感じながら登り切ると、メーターの燃費計は8.4km/Lという数字でした。

 ここからは箱根新道を一気に下りますが、エンジンブレーキを併用するためにBレンジに入れるとまたエンジンが回る音が耳につきます。裏を返せばそれまでエンジンの存在をほとんど感じなかったということいえます。

 結局下りではかなり燃費を回復し、西湘PAに到着したところで21.3km/Lとなりました。

●高速道

走行距離:45.0km
実燃費:33.3km/L

 今回は時間短縮のため、再度高速で移動します。こちらも行きと同じくそこそこの交通量で、走行ペースは比較的抑えめ。その結果、行きよりも低燃費の33.3km/Lという数値となりました。

 そこまで高い速度でない巡行では、バッテリーが許す限りはほぼEV走行であり、一番耳につくのはタイヤノイズといったところ。

 風切り音がそこまで気にならなかったのは、大きく寝かされたフロントガラスが功を奏しているような印象でした。ただし、フロントガラスの傾斜は、内窓を拭くときは大変そうだと感じたのも事実です。

●一般道

走行距離:28.1km
実燃費:30.6km/L

 最後は渋滞する国道246号線をひたすら走って、南青山にあるホンダ本社ビルまで帰るルートです。新型フィットは市街地走行を得意としており、今回の仕様のWLTC燃費も29.2km/Lと低燃費です。

 実際の走行でも30.6km/Lを記録し、シティーコミューターとして使われることが多いコンパクトカーとしては非常に優秀といえるのではないでしょうか。

※ ※ ※

 今回はフルモデルチェンジを果たしたばかりの新型フィットのハイブリッドモデルの実燃費をチェックしてみました。その結果、カタログ燃費と全く同じ28.8km/Lという結果となり、このクラスの車両としては十分すぎる数値となりました。

 新型フィットのハイブリッド車は、基本的にはモーター駆動がメインではありますが、日産「ノートe-POWER」のようにモーター感の強いものではなく、どちらかというとガソリンエンジンに近いフィーリングとなっています。

 減速に関してもワンペダルドライブのようなものではなく、ブレーキのフィーリングも非常に自然で、ハイブリッド初体験の人でもスムーズに乗り換えができそうな印象です。

 これがホンダのいう「心地よさ」であるならば、さすがといわざるを得ないところです。