春一番といわれるほど、春先は風が強くなりがちで、台風の際にも気をつけたいのが「強風時のドア開け」です。万が一、ドアを開けた勢いで隣のクルマや施設を破損させれば、損害賠償の可能性もあります。では、強風時にはどのようなことに注意をすればいいのでしょうか。

強風時のドア開けは慎重に!

 毎年、春先の2月から3月に掛けて南よりの強い風が吹くことがあります。俗に「春一番」と呼びますが、春は風が強くなる時期でもあります。では、強風時に注意したいこととは、どのようなものがあるのでしょうか。

 突然の強風や台風時にクルマの乗り降りをする際、ドアが風にあおられ勢いよく開いた結果、隣のクルマや壁などにぶつける恐れがあります。

 自分のクルマのドアだけが破損しただけなら、被害は少ないですが第三者の物(クルマや施設)を損傷された場合には、損害賠償の可能性もあるのです。

 では、強風時にドアを開ける際には、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか。

 全国でロードサービスを展開するJAFは、「強風時のドア開けテスト」を実施。この際、送風機を用いてドアに強風が当たるように再現。風速は、20m/s、30m/s、40m/sの3種類です。

 テスト内容は、「人によるドア開けで、各風速でドアを押さえられるか?」というものを、子ども2人(6歳男児・10女児)、大人2人(30代女性・40代男性)の計4人で実施。

 また、「強風であおられたドアによる車へのダメージ。風速別での隣の車への加害性」のテストもおこなわれました。

「人によるドア開けで、各風速でドアを押さえられるか?」では、子どもは2人とも風速20m/sでもドアを押さえることが出来ませんでした。

 大人2人は、風速20m/sではドアを押さえることができたものの、30m/sでは男性が押さえきれず、40m/sになると2人ともドアを押さえられないという結果です。

「強風であおられたドアによる車へのダメージ。風速別での隣の車への加害性」では、コンパクトカーとセダンを用いておこなわれました。

 ドアの先端部分の形状により凹み具合は異なるものの、風速20m/sでは、えくぼ程度の被害でしたが、40m/sでは最大でメロンサイズの凹みが出来るほどの損傷です。

 JAFは、強風時のドア開けについて、次のように話します。

「台風シーズンはもちろん、大気の不安定な時期は突風にも備えて、大人でも急に開くドアを押さえることは難しいため、両手でしっかりドアを押さえながら慎重に開けるようにしましょう。

 また、子どもは勢いよく開くドアにつられて、クルマから転落する危険性もありますので、強風時は子どもにドアを開けさせず、大人が外からドアを開けて安全に降ろすことも大切です。

 なお、実際の突風や台風による強風はさらに強いエネルギーを持っており、周囲にクルマや障害物がなくても、ドアが開ききってヒンジ(ドアを開閉させる部品)が壊れることもあるので注意しましょう」

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 なお、強風時の安全な降り方として、大人はドアレバーを引きながら、片手でドアを持ち、大きく開かないように抑え、少しずつドアを開けてゆっくり車外に出るのがいいとされます。

 また、子どもの場合は、後席ドアに付いている「チャイルドロック機能」を使って、車内からドアが不用意に開けられないようにし、大人が外から開けるのが最善な方法です。

ドア開けで、どんなトラブルになる?

 交通事故総合分析センターの調査によると、2014年に、クルマのドアが開いたことが原因となる交通事故は、2325件発生したといいます。

 そのうち、約9割がクルマのドアに後方からきたバイクや自転車が衝突したことによるものです。これらの要因には、バイクや自転車の多くが渋滞中で停車しているクルマの脇を通る機会が多いことが挙げられます。

 一方、クルマ側の要因では、「後方不注意」といった人的な問題が挙げられ、ドアを開けるときに運転手や同乗者が後方の安全確認を怠った結果、衝突事故を起こす可能性があるのです。

 保険代理店のスタッフは、ドア開けによるトラブルについて、次のように話します。

「クルマのドアを開いて発生した事故の責任について、状況によって過失割合は異なることはありますが、基本的には停車していたクルマの運転手に責任が問われる可能性が高いと思われます。

 その場合、道路交通法第71条4の3(運転者の遵守事項)に該当します。これは、運転手は同乗者も含めて乗り降りする際に、安全確認をおこない、ほかの交通に危険を生じさせないようにすることが定められている法律です。

 運転手が注意するべき点としては、運転手は同乗者が乗り降りする際に『周囲の安全に注意!』と、事前に周知することが大切になります」

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 バイクや自転車を運転する人は、「停車中だから大丈夫」という考えではなく「ドアが開くかもしれない」という可能性を考えておくことで、ドア開き事故を未然に防ぐことが可能です。