2020年3月22日に首都高速横浜北西線が開通しましたが、新型コロナウイルス感染防止のため、開通式典などはおこなわれませんでした。しかし開通当日には、いまできる範囲で開通を祝う粋なサプライズ企画があったといいます。いったい何がおこなわれたのでしょうか。

開通直後、トンネル入り口上でサプライズが! 企画したのは誰?

 2020年3月22日に開通した横浜北西線は、2017年3月に開通した横浜北線と直結する路線として、東名高速道路と第三京浜道路を結ぶ延長約7.1kmの自動車専用道路です。 横浜北線と一体になり、東名横浜青葉から横浜港までが直結されました。

 新型コロナウイルスの影響で開通式典はおこなわれなかったものの、開通当日には横浜北西線開通を祝う粋なサプライズがあったといいます。いったい、何がおこなわれたのでしょうか。

 筆者(加藤久美子)は横浜青葉ジャンクションの近くに住んでおり、北西線の開通をずっと待ち望んでいた近隣住民のひとりです。

 1月末に報道関係者向けの現場公開に参加し、その後の「ファンラン」(2月29日に開通前の北西線を走るイベント)や、「一般公開イベント」(3月8日)、そして開通当日の開通式典も取材の予定でしたが新型コロナウィルスへの感染予防のため、これらのイベントはすべて中止となりました。

 少し寂しい開通となりましたが、筆者は開通の3月22日16時と同時に東名横浜青葉インターと同じ場所から北西線に入りました。

 北西線は全長7.1キロのうち約4.1kmがトンネルです。青葉側からは料金所を過ぎて間もなく「横浜北西トンネル」が始まります。

「ついに完成したんだなあ」と感慨深く、工事が本格化した6年前から7年前ぐらいのことを思い出しながら走っていると、助手席の息子が窓を開けて手を振り始めました。

 その先には近隣住民の皆さまが手を振って北西線を通るクルマを見送る姿がありました。そして、さらにすぐ先のトンネル入口の上では、緑色のユニフォームを着た関係者らしき人々がずらっと一列に並んで、笑顔で手を振ったり、小旗を振ったりする姿が。

 なんとも意外な場所で、予想しなかったサプライズな見送りを受けることになったのです。

 助手席の息子が「おめでとうございます!」と叫びながら手を振ると、トンネルの上に立っていた関係者の皆さまから、口々に「ありがとうございます!」という声が返ってきました。

 北西線開通を祝う、サプライズなお見送り。ハンドルを握りながら、心が温かくなり熱いものがこみ上げてきました。

 SNSでは同じようにこの「お見送り」にウルっと来た人々、感動した人々、「嬉しかった」という人々の書き込みがたくさん見られました。青葉側だけではなく、港北側のトンネル入り口でも同様のお見送りがあったようです。

「開通の喜びを共有できた」サプライズのお見送り企画

 開通に関わる諸々のイベントや式典が中止になるなか、関わった職員の皆さまからの、手作り感あふれるあたたかなお見送り企画。一体だれが企画してくれたのでしょうか。

 横浜市道路局横浜環状北西線建設課に聞いてみたところ、丁寧な回答をいただきました。

――北西線開通の際、トンネルの上に皆さん立っておられましたが、この企画はどのような経緯で提案、実行されたのでしょうか。

「当初は3月22日に開催予定だった開通式典のセレモニーのなかで、横浜市および首都高速道路の職員が見送りを実施する予定でした。

 セレモニーが中止となってしまった代わりに、東方地区(港北側)および北八朔地区(青葉側)の2か所のトンネル入り口で開通をお祝いするお見送りをおこなうよう、計画を立てて実行する運びとなったのです。

 職員のお見送りに対して、走行するクルマのなかから手を振ってくださる姿などが確認でき、こちらも感動するとともに、開通の喜びを共有できたことが非常にうれしく感じました」

――沿道には地域住民の方々も大勢見送りに立ってくださっていましたね。

「こちらから協力をお願いしたわけではなく自発的に集まってくださったようです。

 北西線事業には、PI(パブリック・インボルブメント)により、構想計画の段階から地域住民の方々とご意見を交わし、計画に反映させるなど、これまで多くのご協力をいただいております。

 そのため、地域住民の方々にとっても横浜北西線の開通は感慨深いものがあったものと思われます」

 ちなみに、当日職員の皆さんが着用していた「K7」のロゴ入りジャンパーは、横浜北西線ファンランや横浜北西線一般公開イベントのスタッフ従事する職員のために用意されたもので、式典でも使用を予定していたとのこと。

 残念ながら、非売品なので購入はできないようです。

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 このサプライズで和やかなお見送りが決まったのは、開通式典の中止が発表された3月12日の翌日でした。横浜市と首都高速道路で、中止となった開通式典の代替案を検討するなかで案として出てきたとのこと。

 新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ観点から、「そもそも今回のように一か所に集まることがいけないのでは」といった意見もあったようですが、場所が屋外であり、換気も十分であるものとして、実施することになりました。

 北西線が開通した現在、関わった横浜市職員の皆さまはどんなお気持ちでいらっしゃるのでしょうか。

「これまで横浜市と首都高速道路で準備を進めてきた横浜北西線ファンランや横浜北西線一般公開イベント、横浜北西線開通記念式典などのイベントが全て中止になってしまい、落胆していたところですが、この度、無事に開通を迎えることができ、ひとまず安心しています。

 このように無事に開通を迎えることが出来たのは、地元を含む多くの関係者のご協力によるところが非常に大きかったものと思います。あらためて関係者の方々に感謝申し上げたいと思います」(横浜市道路局横浜環状北西線建設課)