2019年に日本に上陸したシトロエン「C3エアクロスSUV」は、Bセグメントモデル「C3」をベースにしたコンパクトSUVだ。いま注目のコンパクトSUV市場にあらたに登場したポップなモデルに試乗した。

世界中で流行の「BセグメントSUV」に登場したシトロエンのポップなモデル

 2019年に日本に上陸したシトロエン「C3 AIRCROSS(エアクロス)SUV」は、いま世界的にも成長しているBセグメントSUVに属するモデルだ。

 日本でも売れ筋のトヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」、輸入車でいえばフォルクスワーゲン「Tクロス」やプジョー「2008」、ルノー「キャプチャー」など、そうそうたるライバルがひしめくのがこのBセグメントSUVというジャンルになる。

 BセグメントSUVはおもに全長4.2m前後のモデルを指し、全長3995mmのトヨタ「ライズ」やダイハツ「ロッキー」もここに含まれる。このクラスは日本だけでなくヨーロッパの市場でも右肩上がりで伸びており、注目のジャンルとなっている。

 C3エアクロスSUVは、その名のとおりシトロエンのコンパクトモデル「C3」をベースに開発されている。

 そもそも、ベースとなるC3自体がSUVデザインをふんだんに採り入れた外観なのだが、新しく登場したC3エアクロスSUVは、ルーフレールやアルミのアンダーガードなどで、よりSUVらしさを強調しているのが特徴だ。

 全長4160mm×全幅1760mm×全高1630mm、ホイールベースは2605mmと、C3と比較すると全長で165mm、全高は135mm、ホイールベースは70mmそれぞれ大きくなっている。

 これにより、C3では300リッターだった荷室容量は、C3エアクロスSUVでは410リッター、後席スライドをいちばん前にすると520リッターへと広がっている。また助手席シートバックを折りたたむと2.4mの長尺ものまで積載することが可能だ。

 搭載エンジンは、プジョー/シトロエン/DSのモデルではおなじみとなった1.2リッター「ピュアテック」直列3気筒ガソリンターボ。110馬力/205Nmを発生するエンジンは、アイシンAW製6速ATと組み合わされ、WLTC燃費は14.7km/Lを誇る。

 グレードは「FEEL(フィール)」と「SHINE(シャイン)」の2種類。車両価格はフィールが263万8000円(消費税込。以下同)、シャインが279万1000円。またパノラミックサンルーフやグリップコントロール、17インチアルミホイール、オールシーズンタイヤが着いたパッケージオプション「シャイン パッケージ」は、シャインにプラス23万4000円となる。

内外装の印象とマッチした元気の良い走り

 今回試乗したのは、C3エアクロスSUVの上級グレード「シャイン」にパッケージオプションが装着された「シャイン パッケージ」。

 外観は独自の世界観を表現している。シトロエンならではのポップな色づかいのボディカラーと、アンダーガードなどタフさを演出するアイコンが融合されて、ほかのモデルにはない個性を生み出しているのが特徴だ。

 2016年に登場した「C4カクタス」からはじまったシトロエンのSUV攻勢だが、このC4カクタスは、日本では限定車として扱われたこともあり、公式には2019年5月に発売された「C5エアクロスSUV」がシトロエン初のSUVモデル、という立ち位置になる。そして第2弾がこのC3エアクロスSUVとなっている。

 ボディのカラーバリエーションは6色、さらに2色のルーフカラー、3色のカラーパック(ヘッドライトユニットベゼルやドアミラーなど)が用意され、自分好みの色が選択できる。

 ちなみに試乗車のボディカラーは特別塗装色のスパイシーオレンジ、ナチュラルホワイトのルーフ、シルバーのカラーパックの組み合わせとなっている。

 室内も、エアコン吹き出し口やハンドル、シートなどにオレンジの差し色が入り、外観同様にポップな印象。ほかのどのクルマにもないデザインで、かといって派手すぎず、「良いもの感」にあふれたこういうインテリアは、オーナーに「C3エアクロスSUVを所有する喜び」を与えてくれる。

 厚みがありながらもしっかりと身体を支えるフロントシートや、前後スライド/リクライニングも可能なリアシートも、長く付き合えば付き合うほどその良さがわかるものだろう。

 スタートボタンを押しエンジンを始動、ゲート式のシフトレバーを「D」に入れて走り出す。

 1.2リッターターボエンジンは、レスポンス良くクルマを前に進ませる。110ps/205Nmというスペック数値以上に元気の良いエンジンだ。パドルシフトは設定されていないが、クセのない6速ATもその元気な走りに貢献している。

 街乗りでは、よく動く足で乗り心地はなかなかのものだ。「シャイン パッケージ」グレードには17インチのオールシーズンタイヤが装着されるが、荒い路面の場所ではパターンノイズがちょっと気になったものの、それ以外にはタイヤのネガは感じなかった。

 高速走行では、風切り音やエンジンノイズがそれなりに室内に届いてくるが、この元気の良さはクルマの性格には合っていると感じる。

 ワインディング路で頑張って走っていくと、背の高さゆえロール感はあるのだが、そこはシトロエン。ロール自体は深いが、グラッとはせずに粘りながらコーナーをクリアしていく。

 プジョーやシトロエンのSUVモデルにも用意される「グリップコントロール」がパッケージオプションで選べるのは朗報だ。

 これは路面状況に応じてトラクションを最適化する機能で、「スノーモード」「マッドモード」など5種類のモードから選べるもので、これにより、前輪駆動(FF)ながら悪路走破性能も向上し行動範囲が広がる。

 今回は悪路を試乗していないが、以前プジョー2008でグリップコントロールを試した経験がある。

 そのとき、かなり本格的なオフロードコースも走破することができて驚いたのを覚えている。スタイルだけのSUVではなく、いざというときに頼りになる走行性能を持っていることは、それこそSUVを所有する喜びそのものだろう。だからC3エアクロスSUVのオススメのグレードは、グリップコントロールがオプション装着される「シャイン パッケージ」になる。
 
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 ポップなデザインの外観と内装、その印象と合った元気なエンジンが組み合わされたC3エアクロスSUV。所有する喜びにあふれ、豊かなカーライフをおくることができる1台として、注目のコンパクトSUVだろう。

●CITROEN C3 AIRCROSS SUV SHINE PACKAGE
・車両価格:279万1000円
・試乗車オプション込み価格:302万5000円
・全長:4160mm
・全幅:1765mm
・全高:1630mm
・ホイールベース:2605mm
・車両重量:1310kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:1199cc
・駆動方式:FF
・変速機:6速AT
・最高出力:110ps/5500rpm
・最大トルク:205Nm/1750rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:205/50R17(オプション)
・WLTC燃費:14.7km/L