2019年5月にマツダ「マツダ3」が発売されてからまもなく1年が経過します。「アクセラ」から車種名が変更されて発売されたという経緯を持つモデルですが、車種名の変更は販売状況にどのような影響を与えたのでしょうか。

発売からまもなく1年、マツダ3の売れ行きは?

 2019年は、多くのマツダ車が車名変更を伴うモデルチェンジを果たした年となりました。その先陣を切ったのが、2019年5月に発売された「マツダ3」です。発売からおよそ1年が経過した現在、販売台数はその後どのようになっているのでしょうか。

 マツダ3は2019年5月に発売されたハッチバック(ファストバック)とセダンをラインナップするモデルで、前身となるモデルは「アクセラ」です。なお、マツダ3は以前はアクセラの海外名として使われてきた車種名で、2019年5月のフルモデルチェンジを機に日本でも海外名へ統一されたかたちになります。

 車種名が代わり心機一転されたマツダ3。しかし、車種名が変更されると、それまでの知名度を活かせなくなってしまうことから、売れ行きが失速することが懸念されます。マツダ3の月販目標は2000台とされていますが、車名が変わったことによる販売への影響はあったのでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会が発表した登録車販売台数ランキングによると、2019年5月に発売された「マツダ3」は、2019年度(2019年4月から2020年3月)に3万1635台を販売し、総合25位となりました。なお、これはマツダ車として最高の順位となります。

 車種名がアクセラだった頃と比べるとどうでしょうか。

 アクセラ時代、モデル末期の頃(2018年1月から2019年4月)の月平均の販売台数は約1400台でした。一方、マツダ3が販売された2019年5月から2020年3月までの毎月の販売台数は平均して約3900台です。この販売実績は月間販売目標の2000台の2倍近い結果となります。

 販売現場の声はどうなっているのでしょうか。マツダ販売店スタッフは次のように話します。

「元々ヨーロッパを中心にマツダ3という車名が浸透しており、グローバル標準に則って変更されましたが、車名変更が販売店として大きな影響があったということはないですね。アクセラからマツダ3へ乗り換えいただいているお客様がおられることも大きいと思います」

※ ※ ※

 マツダ3は、フルモデルチェンジに伴い、外観デザインも大きく変化しています。マツダの共通デザインである、「魂動デザイン」を深化させ、引き算の美学を追求して不要な要素を削ぎ落したシンプルで繊細なデザインが表現されました。

 また、ガソリンとディーゼルの両方の利点を併せ持つ新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ エックス)」の採用も話題となっています。

同じく2019年に車名変更したマツダ2とマツダ6の売れ行きは

「アクセラ」が「マツダ3」に車名を変更したのを皮切りに、「デミオ」が「マツダ2」に、「アテンザ」が「マツダ6」に車名が変更されています。

 コンパクトカーのデミオが、マイナーチェンジを機にマツダ2となり販売開始されたのは、2019年9月です。そして、同社のフラッグシップセダン/ステーションワゴンであるアテンザもマイナーチェンジにあわせて2019年8月に販売開始されました。

 車種名が変わったもののフルモデルチェンジがおこなわれなかったモデルにおいて、販売状況はどうなっているのでしょうか。

 販売規模の大きいマツダ2(旧デミオ)で検証すると、マツダ2が去年9月に発売されてからの月平均の販売台数は約3000台です。改名する前のデミオの月平均販売台数は3300台強でしたから、販売台数が微減したことになります。

 マツダ2は発売されてから1年経過しておらず、季節による変動があるので何ともいえないものの、2020年3月時点でモデルチェンジ効果は現れていません。

 前出のマツダ販売店のスタッフは次のように話します。

「マツダ3と同様に、グローバル標準に沿った車名変更ですね。こちらも販売店として特に売りにくくなった、売りやすくなったという影響はあまりないように感じています」

※ ※ ※

 マツダ3は車種名が変わったこと以上に、デザインの深化や新エンジンの採用などによって商品力が向上したことが、販売台数アップに結びついたといえるでしょう。