ジープ、マセラティ、フィアット、アルファロメオ、アバルトを擁するFCAグループの2019年度のサステナビリティ・レポートが明らかとなった。レポートによると、2020年度はさらにグループ内でEV化が進むようだ。

FCAのEV化が、さらに加速している!

 FCAが2019年度のサステナビリティ・レポートを発表した。

 このレポートのなかでFCAは、企業活動および製品が社会および環境に与える影響を抑制し、環境全体に対するフットプリントを削減する革新的なソリューションを開発するために全力を尽くし、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs 2030アジェンダ」に貢献する責任を担うと謳っているが、具体的にはどのような施策がなされているのだろうか。

 FCAは2019年に世界中の工場で、1台の車両を生産する際の環境への影響をさらに削減している。2010年と比較すると、水の使用量を約40%削減し、CO2排出量を27%削減し、廃棄物を64%削減している。

 また、持続可能な未来の基盤となり、ビジネスをさらに強化するべく下記の5つのプロジェクトに取り組んでいる。

●ジープ初の電動化モデルの投入

 中国において、まったく新しいジープ「コマンダーPHEV」を発売。このクルマは、グローバルに展開するジープファミリー初の電動化モデルで、急成長を遂げている中国の新エネルギー車市場へ参入するために開発されたモデルである。

●ブラジルに新工場新設

 ブラジルでは、160億レアル(約34億ユーロ)にのぼる新しい投資サイクルが開始された。これにより、フィアットおよびジープブランドの製品ラインナップを刷新し、中南米最大のパワートレイン拠点となる新しい最先端のフレックスフューエル・エンジン工場を建設することが決定している。

●イタリアにバッテリー拠点新設

 イタリアでは、電動化を中心に50億ユーロという野心的な投資計画を実行。トリノ近郊の歴史的なミラフィオーリ複合生産施設では、新製品の生産に加え、新しいバッテリー拠点が建設され、今後拡大される電動化モデルのラインナップ用のバッテリーを組み立てる予定だ。

●マセラティの電動化

 マセラティは、車両ラインナップの大規模な変革計画を実行している。これには、新セグメントに参入する車種の発売や、複数の電気自動車およびハイブリッド・モデルの発売が含まれている。

●米国で電動ジープの生産をスタート

 米国では、45億ドルを投資し、ミシガン工場の生産能力を拡大。それに加えて最先端の新しい工場をデトロイトに建設し、2020年の後半から電動化されたジープモデルの生産をスタートする。ミシガン州南東部では、6500人の新たな雇用を創出する。

 FCAはまた、従業員が生活し働いている地域において、ボランティア活動を通じて社会の活性化と福祉に貢献し、慈善活動を通じて約2800万ユーロの財政的支援を提供している。

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 2020年3月に発表されたフィアットの新型「500」は、FCAグループ初のEV(電気自動車)として登場した。すでに中国ではジープ・コマンダーPHEVも発売されているが、プラグインハイブリッド(PHEV)の「レネゲート4xe」や「コンパス4xe」も2020年春から欧州での発売がスタートしている。

 ジープは、2022年までにPHEVモデルを10車種、EVを4車種ラインナップに加える計画だが、それを実現するために米国での工場拡充が急務なのである。

 現在日本ではジープの販売が好調だが、EV化されたジープが正規導入された暁には、さらにジープを求める人が増えるに違いない。