ここ最近、日本全国を走っているタクシーでは、トヨタ「JPNタクシー」の比率が増えてきています。JPNタクシーは英国のロンドンタクシーをモチーフにしていますが、その本家ロンドンタクシーが日本に上陸しました。電気で走るロンドンタクシーとはどのようなクルマなのでしょうか。

英国から上陸!? 本場「ロンドンタクシー」はスゴいヤツだった!

 2020年1月に日本上陸を果たし、2月から販売開始となった英国の「ロンドンタクシー(新型TX)」。6月からデリバリー開始となるようですが、どのような特徴があるのでしょうか。

 今回、紹介するロンドンタクシーを見て「都市部で増えてきたJPNタクシーに似ていますね!」と思う人も多いかもしれません。

 実際、このクルマで街中を走っているとタクシーに間違われ、手を挙げられることも少なくないといいます。確かに見た目はそうかもしれませんが、実は、トヨタの「JPNタクシー」がロンドンタクシーをマネしたのです。
 ただ実車を見ると、ロンドンタクシーのほうが二回りくらい大きい。JPNタクシーのボディサイズは全長4400mm×全幅1695mm×全高1750mmなのに対し、ロンドンタクシーは全長4855m×全幅1874mm×全高1880mmもあります。

 来日したイギリス人はJPNタクシー見て「キュート! ミニチュアタクシー!」と思うらしい。JPNタクシーはトヨタ「シエンタ」をベース車両にしていますが、ロンドンタクシーはボルボ「XC90」級なサイズです。

 インテリアボリュームだってまったく違います。JPNタクシーもまぁまぁの室内高を確保し、レッグスペースだって広い。そんな印象でロンドンタクシーに乗り込むと圧倒されます。

 なにせ対面式のシートが3脚折り畳まれており、その気になれば6人まで乗れるスペースを確保。乗客3人までなら大型の海外旅行用トランク携行だって余裕です。

 加えて、JPNタクシーで問題になっている「クルマ椅子に座ったままの乗降性」が素晴らしい。ドアの下に大型スロープが収納されており、そのまま引き出せばすぐに使えます。

 ロンドンとかで実際に使っているシーンを見ると、ドライバーも気軽に活用しています。大きな室内スペースを持つため、大型の電動クルマ椅子まで乗り込めてしまうというから素晴らしいです。

ロンドンタクシーは運転席&後席も楽しい!?

 では、ロンドンタクシーの乗り心地はどうでしょう。試乗してみます。

 基本のメカニズムは電気自動車に匹敵する31kWhのリチウムイオン電池を搭載しているPHEVです。大雑把にいって100kmくらいまでなら163馬力のモーターで後輪を駆動する電気自動車としての運用が可能。

 電池を使い切ると、ボルボ設計の1.5リッター直列3気筒エンジンで発電。日産の電動パワートレイン「e-POWER」のようなハイブリッドになります。

 したがって電池残量あるときは完全な電気自動車です。さすがボルボの技術(正確にいえばボルボの電気自動車部門であるポールスター)を投入しているだけあり、通っぽい制御になっています。

 アクセル全開にすると普通の電気自動車はパワーも全開の急発進となりますが、このクルマで全開するとジェントルにスタート。乗客が不快にならないような制御を採用しているワケです。

 そして車重は空車で2330kgもあるため、硬めながら重厚な乗り心地だったりします。

 ハンドルを握っているとけっこう楽しい。運転席と客室は新型コロナ対策としても十分役に立つパーティション(仕切り)付きながら、スピーカーを通して普通の声量で会話も可能。

 はたまたハンドルの切れ角が猛烈に大きいのもロンドンタクシーの特徴で、今回試乗した車両、大柄なボディなのに最小回転半径は4012mmで済みます。

 小柄なJPNタクシーの最小回転半径が5300mm、軽自動車のホンダ「N-BOX」すら4500mmですが、ロンドンタクシーはハンドル一杯切ると、信じられないくらい小回り可能。だからこそ大きなボディでもストレス無いのだと思います。

 気になる車両価格は1120万円。タクシー用として使うなら環境対応車ということで補助金が出るため、東京都なら実質756万円。

 都市部だと冠婚葬祭のニーズなどで高価な車両を使っているタクシーも少なくなく、756万円なら稼働率を上げれば十分ペイ出来るのではないでしょうか。個人タクシー用としても使えそうです。