梅雨の時期には、雨天で運転することが多くなります。雨でも良好な視界を保つために重要とされるのが、ワイパーです。雨対策のひとつとして、ワイパーゴムやブレード交換する方法を紹介します。

雨風や直射日光にさらされるワイパーは劣化しやすい

 梅雨や夏に発生するゲリラ豪雨など、雨天でクルマを運転することが多くなる時期です。

 ワイパーは、フロントガラスの雨をふき取る重要なパーツですが、ワイパーを作動させているにもかかわらず、前が見づらいことがあります。

 雨でも良好な視界を保つためには、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。

 ゴム製品であるワイパーは、劣化すると水切れが悪くなったり、「キュキュキュ」や「ガガガ」といったビビリ音を発してしまうことがあります。

 これはワイパーがフロントガラスに引っかかり、小刻みに振動している証拠です。ワイパーとしての機能を十分に果たせていないことから、ワイパーゴムを交換する必要があります。

 ワイパーの構造は、ワイパーゴムとそのゴムを支える「ワイパーブレード」が、支柱となる「ワイパーアーム」と連動して動くことでウインドウの水分を拭き取りますが、雨風や直射日光などにさらされているワイパーゴムは傷みやすいといわれています。

 また「ワイパーのビビリ音」が出ているにも関わらず使用し続けていると、雨の日の視界を十分に確保できないだけでなく、ゴムが部分的にちぎれて露出した金属やプラスチックによりフロントガラスに傷をつけてしまうこともあることから、半年に1度、遅くとも1年に1度は交換したいパーツです。

 ワイパーブレードには3つのタイプがあります。

●トーナメントタイプ

 もっとも定番のワイパーブレードで、フレームがトーナメント表のように組み合わされているのが特徴です。パーツが多く関節が増える分、ウインドウの曲線をしっかり捉えることができるのが特徴です。

●フラットタイプ

 ワイパーゴムとブレードが一体になったタイプで、輸入車に多いタイプです。トーナメントタイプに比べて空気抵抗が低く、高速道路などでもバタつくことが少ないというメリットがあります。反面、ゴムだけの交換がしにくいともいわれています。

●エアロタイプ

 別名「デザインワイパー」とも呼ばれる、トーナメントタイプとフラットタイプの良いところ両立したようなものです。「エアロ」の名前が示す通り、エアロパーツのような形状を採用することで、高速域でのワイパーの浮き上がりを抑える効果が期待でき、見た目にも格好いいというメリットがあります。

 ただし、前方からの風で本体を押さえつける形状であることから、リアワイパーに使用すると逆に浮き上がってしまうため、装備する向きには注意が必要です。また、ほかの2種類と比べて価格が高いことがあります。

 ワイパーゴムも大きく3タイプに分類できます。ゴムだけでもかなり特性が違うので、自分の好みや愛車に適合しているかを確認してから装着することをおすすめします。

●ノーマルタイプ

 もっとも標準的なワイパーゴムです。特殊な加工がされていないゴム素材の部品で、安価なのがメリットです。撥水機能などが必要なければ、こちらを定期的に交換するほうがいい場合もあります。

●グラファイトタイプ

 グラファイト(炭素系微粒子)をコーティングしたワイパーゴムです。ウインドウとワイパーゴムの摩擦を軽減する効果があることから、フッ素系の撥水コーティングとの相性が良く、撥水コート済みのクルマに最適とされています。ビビリ音が出にくいという特徴があります。

●撥水タイプ

 ゴム自体に撥水効果を持たせたワイパーゴムです。濡れていない状態で約3分間ワイパーを動かすだけで、ゴムについていたシリコンオイルをウインドウにコーティングすることで撥水効果を得られます。

「撥水はしたいけれどコーティング作業が面倒」な人には最適ですが、その分価格も高めになるうえに「ビビリ音」の原因となる「コーティングのムラ」が発生しやすいデメリットもあります。

 ほかには、極寒でも使用できるスノー用ワイパーゴムもありますが、夏でも使える半面、非常に高価です。雪が多いエリアに住んでいない人は、必要ないでしょう。

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 撥水タイプのワイパーが便利そうですが、コーティング自体がワイパー可動部分のみのためムラになりやすく、効果の持続もしっかり施術したコーティングより短くなります。

 コーティングをしていなくても摩擦の影響が少ないグラファイトタイプのゴムと見た目にも空力的にも優れたエアロ形状のブレードの組み合わせたワイパーが、ベストな組み合わせといえます。

ワイパーゴムとブレードは一緒に交換するのがおすすめ

 ワイパーの交換は、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどにおいて有料で交換する方法もありますが、手軽にできる作業なので自分で交換することも可能です。

 カー用品店でワイパーを扱うコーナーでは、ワイパー適合表が置いてあります。クルマのメーカーや車種名、年式、形式を確認すれば、かんたんに適合する商品が見つかります。

 ワイパーメーカーや輸入車などの車種によっては純正以外の適合品がない場合もあるので、注意が必要です。

 ワイパーゴムが劣化するだけでなく、稼働しているアームと接触しているブレードも劣化しているケースがあります。

 ゴムを新品に取り替えても、ブレードがガタついているとウインドウに密着せずに拭き残しが発生してしまうこともあるため、ブレードも一緒に交換したほうが良いでしょう。

 手順は非常に簡単です。交換作業中にアームが倒れてウインドウが傷つかないように、タオルを交換するワイパーとウインドウの間に挟みます。

 次はワイパーをアームごと立てます。このときゴム部分を縦方向(上向き)にすると作業しやすいです。

 アームと接触しているブレードの中央部分はU字クリップになっているので、脇の小さなストッパーを押さえながらブレードごと手前にズラせば、簡単に外れます。

 最後に新しいワイパーブレードを外したのと逆の要領で取り付けます。ここで注意したいのは、ワイパーブレードには向きがあることです。ブレード本体に「→」マークが記載されています。

 所要時間はわずか数分で完了です。これで雨の日でもクリアな視界で走行できるようになります。

 雨の日の視界確保で気になるのが、ウインドウの撥水コートです。ウインドウの撥水コーティング剤はカーグッズ量販店の人気商品で、さまざまなメーカーから商品が発売されており、価格も1000円からとお手軽です。

 市販されている撥水コーティング剤の多くは「フッ素系撥水コーティング」で、手軽に施術できる半面、撥水効果は2か月から3か月程度で、比較的短期間で塗り直す必要があります。

 また、洗車程度の下処理ではウインドウ表面に汚れや傷などが残り、その上に厚塗りしてしまった結果、表面に凸凹ができ、ワイパーのビビリ音が出てしまうこともあります。

 一方で「撥水コート専門店」や「洗車専門店」などプロにお願いするという方法もありますが、その場合はコーティング費用が1万から2万5000円の予算が必要になります。

 その分、フロントウインドウに流れ出したワックスやボディコーティング剤や排気ガスなどで付着した油膜などを丁寧に落とす下処理をおこなったうえに、より強力な皮膜の「ガラス系撥水コーティング」を2層コーティングする業者もあります。

 撥水効果が1年くらい持続するといわれ、手間と作業時間を短縮できるメリットがあります。

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 ワイパーは正常に動いてこそ雨の日の視界をしっかり確保できます。駐車状況にもよりますが、日光に年中当たる状態のワイパーゴムやブレードは、日焼けも劣化も想像以上に早いものです。

 ワイパーブレード自体も数千円で購入できますし、自分で撥水コーティングすればよりクリアな視界を確保できます。雨の日に備えて、ワイパーの状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。