2020年6月25日に千葉県北東部で震度5弱の地震がありました。余震による被害も懸念されるなか、余震の多い時期には自動車盗難や車上荒らしが増加しやすく、注意が必要だといいます。いったいなぜなのでしょうか。

地震のあとのクルマの盗難・車上荒らし、千葉・茨城でとくに気を付けるべき理由とは

 2020年6月25日午前、千葉県北東部で震度5弱を観測した地震がありました。気象庁では茨城県と千葉県の県境近辺など揺れの強かった地域で、今後およそ1週間は震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

 今回の地震でもそうですが震度4から5以上の地震のあとは、しばらく余震が続きます。そして余震が続く時期に増えるのが自動車盗難や車上荒らしです。なぜクルマの盗難や車上荒らしが増えるのでしょうか。

 地震と自動車盗難の関係について、以前から警告している専門家がいます。自らも自動車セキュリティのプロショップを経営し、ボランティアで「自動車盗難情報局」を運営するA2M代表の撹上(かくあげ)智久さんです。

 自動車盗難情報局は、クルマの盗難に気づいたオーナーが登録するとすぐさまSNSに反映されるシステムとなっており、同時に目撃や発見の情報も寄せられるウェブサイトです。

「おおむね震度4以上の地震の際、その振動でカーセキュリティのアラームが作動することがあります。

 住宅や駐車場の密度が高いエリアでは、余震のたびに何度も誤報アラームが鳴ってしまうため、近所迷惑になることを恐れて、セキュリティのシステムを切って音が出ないようにする人がとても多いのです。

 セキュリティが作動しないため、窃盗団にとって自動車本体の盗みや車上荒らしがとてもやりやすくなってしまいます」(撹上さん)

 撹上さんの話によると、東日本大震災や熊本地震のような大きな地震を含め、地震のあとには津波や地震で損傷を受けたクルマの盗難や車上荒らしの事例が増えるのはもちろん、余震の振動による誤報アラームを恐れてセキュリティシステムを切っていたことによる被害も増える傾向にあるとのことでした。

 茨城県との県境である千葉県北東部は直近3か月(3月30日から6月25日)で震度3以上の地震を7回も観測しています。

 また、ほぼ同じ期間(3月18日から6月25日)に、茨城県では震度3以上が12回観測されています。これは岐阜県飛騨地方に続く全国2位の回数になります。

 そして千葉北東部から茨城北部は地震が頻発するエリアであるとともに、もうひとつ頻発しているのが自動車本体の盗難です。

 全国の自動車盗難に関する認知件数を見てみると、2018年も2019年も1位は茨城県で、2019年は2位の大阪に500件以上の差をつけた断トツのワースト1となっています。千葉県も、茨城や大阪とともに自動車盗難ワースト3の常連といえるエリアです。

 地震が多いから千葉や茨城の自動車盗難が多いとまではいい切れませんが、地震のあとに続く余震での誤報アラームをなくすためにセキュリティシステムを切ることは、窃盗団にとっては盗みやすい状況になることは確かです。

 千葉・茨城両県の盗難が多いエリアに住むクルマのオーナーは、常日頃から気を付けておくべきでしょう。

 警察庁の調べによると、全国で発生した自動車盗難の6割以上はクルマを施錠した状態で自宅(屋外・屋内)の駐車場に停めているときに発生しています。

 しかも、全体の約1割がシャッターなどで外部と遮断されているはずの屋内駐車場で車両盗難が発生しています。

セキュリティの誤報を無くすことは可能なのか

 せっかく取り付けたカーセキュリティも、誤報を恐れてシステムをOFFにしているときに盗まれてしまっては元も子もありません。

 誤報を無くすことはできるのでしょうか。前出の撹上さんに聞きました。

「誤報の無いカーセキュリティを選ぶには、日本の住宅事情や盗難事情を熟知した国産のカーセキュリティをオススメします。

 そして大事なことは、セキュリティシステムをしっかりと取り付けてくれるお店を選ぶことでしょう。同じ製品を取り付けても、お店によって防犯性能は変わってしまいます。

 機種の感度調整により反応は変わりますが海外の有名ブランドの製品のなかには震度4で『ポーッ!』という音(威嚇音)を鳴らしてしまったものもあります。

 地震で誤報にならない対策としては『センサーバイパス』(センサーのみ休ませる)の使用をお勧めします。

 ある程度の機種ならついている機能で、このモードにするとドア開、トランク開、ボンネット開、イグニッションON以外無反応に出来ます。

 カーセキュリティは誤報の無いものを選べば、何処でも安心してセキュリティをセットできます」

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 そしてもうひとつ、豪雨や台風の襲来が増えるこれからの時期も自動車盗難が増えるといますが、どんな理由でしょうか。

 夏に向かうこれからの時期、ゲリラ豪雨や台風の襲来も増えてきます。とくに、台風のときには風による振動でセキュリティの誤報アラームが増えてしまい、アラームを切ってしまう人が増えるのです。

 その結果、地震と同じ理由で自動車盗難が増大してしまうというわけです。

 また、台風や豪雨のときは外出する人が少なく、家にこもる人が圧倒的に多くなります。

 自動車盗難の現場は発見されにくく、さらに雨や風の音が大きいので外の音にも気づきにくい状況となり、盗む際の音や、エンジン音や排気音なども雨風の音にかき消されてしまうので、窃盗団にとっては絶好のチャンスとなるのです。

 狙いを定めたら、どんな手段を使ってでも盗んでいく窃盗団によって盗まれたクルマの多くは、近隣にあるヤードで解体され、部品として海外に輸出されています。

 海外の販売サイトなどで発見されたとしても、オーナーの手元に戻ってくることはほとんどゼロです。

 豪雨や台風が増えるこれからの時期、セキュリティシステムの有無に関わらず、愛車が盗まれる危険性を十分に認識しておきましょう。

 防犯対策を強化するのはもちろんですが、盗まれたときのためにエンジン番号やミッション番号を記録しておくこともお勧めします。