長年に渡って販売されているクルマは、数年ごとにフルモデルチェンジをおこなうのが一般的です。そして、代を重ねると初期のコンセプトから大きく変化することがありますが、なかにはコンセプトが継承されているモデルも存在。そんなブレないこだわりのあるクルマを3車種ピックアップして紹介します。

大きさやレイアウトにこだわるクルマとは

 一般的に長年にわたって販売されているクルマは、数年ごとの周期でフルモデルチェンジをおこない、デザインやボディサイズ、エンジンなどが刷新されます。

 代を重ねたクルマのなかには、初期のコンセプトから大きく変わってしまったモデルがありますが、あるポイントにこだわって変わらないモデルも存在。

 そこで、ブレないこだわりのあるクルマを3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「フィット」

 2001年に発売されたホンダ初代「フィット」は、センタータンクレイアウトの採用でクラスを超えた広い室内空間を実現し、優れた燃費性能、スタイリッシュな外観から大ヒットした次世代のコンパクトカーとしてデビュー。

 現行モデルのフィットは2020年2月に発売された4代目で、基本的なスタイリングとセンタータンクレイアウトは初代から継承されており、コンパクトなボディに広い室内、荷室は変わっていません。

 そして、初代から一貫してこだわっているのが、4m未満となる全長です。

 初代のボディサイズは、全長3830mm×全幅1675mm×全高1525mm(「W」2WD)で、現行モデルでは全長3995mm×全幅1695mm×全高1515mm(「e:HEV BASIC」2WD)となっています。

「CROSSTAR」のみ全長4090mmと4mを超えていますが、そのほかのグレードではすべて全長3995mmです。

 この全長4m未満というのは、フェリーを頻繁に利用する地域やユーザーには重要なポイントで、「自動車航送運賃」が全長3m未満、3mから4m未満、4mから5m未満と分類されている場合に、お得になるというわけです。

 料金は運行会社によって異なりますが、全長4mを境に概ね4000円から5000円の運賃増になりますから、数ミリが重要になります。

 そのため、フィットに限らずベーシックなコンパクトカーは、全長4mを超えないケースがほとんどです。

●トヨタ「クラウン」

 トヨタ「クラウン」は1955年に初代が登場。誕生以来、同社を代表するアッパーミドルクラスのセダンに君臨し、日本専用車として独自の進化を続けてきました。

 現行モデルは2018年に発売された15代目にあたり、初代コネクティッドカーとして遠隔で車両の診断や走行アドバイスが受けられる「eケアサービス」、LINEを通じてナビの目的地登録やガソリンの残量確認などができる「LINEマイカーアカウント」などの機能を持ち、車載通信機「DCM」を全車に標準搭載するなど、先進性を全面に押し出した新世代のモデルです。

 また、ロングノーズでFRらしいプロポーションと、ルーフからテールエンドにかけて伸びやかなサイドシルエットを生む、クラウン初の6ライトウインドウの採用など、トヨタは「クラウン史上最高にスポーティなデザイン」と表現しています。

 15代目のボディサイズは全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm(2WDモデル全車)と先代よりもわずかに大きくなりながら、全幅1800mmを守り、日本の道路環境で取り回しやすいサイズとしています。

 昭和の時代までは、クラウンは5ナンバーサイズを基本に設計されていましたが、平成元年の自動車税改正以降はボディサイズを拡大し、全車3ナンバーサイズとなりました。

 しかし、クラウンは3ナンバー専用ボディとなって以降も、国内市場に特化したモデルとして、全幅1800mmを守り続けています。

 唯一の例外は1962年に登場した2代目の派生車「クラウンエイト」で、2.6リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載し、ボディサイズは全長4720mm×全幅1845mm×全高1460mmと、全幅1800mmを超えました。

初代から50年変わらない、こだわりのクルマとは!?

●日産「フェアレディZ」

 1969年に発売された日産初代「フェアレディZ」は、アメリカ市場をメインターゲットとしたスポーツカーとして登場。以降、代を重ね、現行モデルは2008年発売の6代目になります。

 発売当初は2シーターでしたが、後に4シーターの「2by2」が追加され、歴代のエンジンもSOHC、DOHC、ターボとバラエティに富んでいます。

 しかし、初代から現行モデルまで、一貫して6気筒エンジンをフロントに搭載してリアを駆動するFRモデルということは変わりません。

 これまで、4WDモデルが設定されたことは一度も無く、4気筒や8気筒エンジンなども搭載されずに現在に至ります。

 また、日産車は「スカイライン」をはじめ伝統的に高性能モデルが「GT」グレードが設定されますが、フェアレディZはGTと名付けられたことはなく、独自のグレード体系です。

 すでに次期フェアレディZといわれるモデルが、ティザーで公開されていますが、6気筒+FRが踏襲されるか、注目されています。

 なお、フェアレディZは初代から最新モデルまでマニュアルトランスミッションが設定される、希少な国産モデルのひとつです。

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 今回紹介したフェアレディZは、デザイン面も初代から変わらないポリシーを守り続けています。

 次期型はシルエットのみ公開されていますが、やはりスタイリングはファストバックスタイルを継承しているようです。

 これはポルシェ「911」も同様ですが、もはやデザインはアイコン化しているため、変わることが許されない状態だからでしょう。

 一方で、シボレー「コルベット」は、最新モデルがフロントエンジンからリアミッドシップに変わって話題となりました。長い歴史のあるコルベットながら、この大きな変化はユーザーからは好意的に受け入れられているようです。