近年、クルマのフロントフェイスで流行しているのが、いわゆる「オラオラ顔」です。精悍で吊り上がったヘッドライトに、大きめのサイズにメッキで加飾したグリルというのが定番で、小型のモデルにも波及してきました。そこで、イカついフロントフェイスのコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

コンパクトなボディながらイカつい顔のクルマとは!?

 クルマのデザインには流行があり、大ヒットしたモデルに見た目を寄せるというのは、昔からおこなわれてきました。

 近年はミニバンや大型セダンが押し出し感の強い、いわゆる「オラオラ顔」を採用すると、各社が追従しています。

 オラオラ顔の特徴としては、吊り上がった精悍なヘッドライトに大きめのサイズにメッキで加飾したグリルというのが定番で、次第に小型車や軽自動車にも波及しはじめました。

 そこで、イカついフロントフェイスのコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ミラージュ」

 1978年に発売されたコンパクトカーの三菱初代「ミラージュ」は、同社初のFF乗用車で、室内空間の広さと欧州テイストのスタイリッシュな外観デザインで大ヒットを記録します。

 1982年には他社に先駆けて、1.4リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「ミラージュIIターボ」が登場。これをきっかけにコンパクトカーのパワー競争が勃発することになります。

 その後、ミラージュはスポーティグレードを設定するのが定番となり代を重ね、1995年から2000年に販売していた5代目をもって系譜が途絶えてしまいます。

 そして2012年に、新興国向けのエントリーモデルをコンセプトとした6代目が登場したことで復活を遂げました。

 6代目はタイで生産されて日本を含む世界各国に輸出されているモデルで、当初は100万円を切る価格が話題となります。

 2020年4月にビッグマイナーチェンジがおこなわれ、フロントフェイスを一新。三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用したことで、一気にオラオラ感のあるフロントフェイスに変貌しました。

 また、このマイナーチェンジを機に衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術がアップデートされたことで、これまでの販売不振の巻き返しが期待されます。

 ミラージュは2グレードの展開で、価格(消費税込、以下同様)は「M」が143万2200円、「G」が156万9700円です。

●スズキ「クロスビー」

 スズキ「クロスビー」は、2017年の末に発売されたコンパクトクロスオーバーSUVです。

 デザインは先に登場して人気を博した軽ワゴンの「ハスラー」に酷似していますが、ボディサイズは全長3760mm×全幅1670mm×全高1705mmと軽自動車とは異なり、5名乗車が可能な登録車となっています。

 スタイリングは一見するとボクシーですが、曲面を多用することで抑揚が効いており、SUVらしい力強さを感じさせます。

 また、バンパーやフェンダーとボディのカラーリングを分けることで、機能的なアウトドアギアのイメージを表現。

 フロントフェイスは初代ハスラーのファニーな印象に対して、サイズが大型化されたことと、スポイラー形状のフロントバンパーの造形が相まって、押し出し感があります。

 搭載されるパワーユニットは、99馬力を発揮する1リッターの直列3気筒ターボエンジンと、3.1馬力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドのみで、全車6速ATを採用し、価格は179万8500円から222万9700円となっています。

●ダイハツ「ロッキー」

 ダイハツ「ロッキー」は、初代が1990年に登場したコンパクトなクロスカントリー4WDでしたが、2019年11月にコンパクトSUVとして2代目が発売されました。

「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」によるパッケージング技術を生かして、全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmと、コンパクトな5ナンバーサイズながら、広い室内空間と大容量の荷室を確保しているのが特徴です。

 ロッキーはトヨタにも「ライズ」としてOEM供給されていますが、見た目はどちらも「ミニ RAV4」といったところで、都会派のクロスオーバーSUVというよりも、クロスカントリー4WDに寄せたイメージです。

 また、フロントフェイスもメッキの加飾を控えめにしながらも、車体に対して大きなヘキサゴングリルで、迫力ある顔を表現しています。

 搭載されるエンジンは全車98馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボでCVTが組み合わされ、価格は170万円5000円から242万2200円です。

海外専用モデルもオラオラ系がトレンド!?

●トヨタ「アイゴ」

 トヨタ「アイゴ」は欧州向けに販売されているコンパクトカーです。日本市場のトヨタ車で、もっともコンパクトな登録車はダイハツからOEM供給されている「パッソ」ですが、アイゴはさらに小さく、全長3455mm×全幅1615mm×全高1460mmと、いわゆるAセグメントに属しています。

 欧州市場では各メーカーから低価格なコンパクトカーが販売されており、競争も激化しています。トヨタはプジョー、シトロエンを有するグループPSAと共同開発をおこなう戦略をとり、アイゴが誕生しました。

 現行モデルのアイゴは2014年に発売された2代目で、ボディタイプは3ドアと5ドアハッチバックがあり、外装のデザインは日本の漫画やアニメに強くインスパイアされたものといわれています。

「X」をモチーフにした力強いフロントフェイスや、ヘッドライトからフロントウインドウへとつながるライン、リアの大きなガラスハッチ、フロントバンパーと共通するデザインを持ったリアバンパーなどが特徴的です。

 欧州での価格は1万1190ユーロ(フランス仕様)からで、日本円で約136万円とリーズナブルです。

●ホンダ「アメイズ」

 ホンダが2018年にインドで発売したコンパクトセダン「アメイズ」は、同社の新興国向けセダンラインナップのエントリーモデルとしてデビュー。

 ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1501mmと、全長、全幅は新型「フィット」と同等のコンパクトさで、車重も905kgからと軽量です。

 フロントフェイスは「CR-V」のようにボンネット部分が高いSUV的なデザインで、押出し感のある印象ですが、横から見るとかなりユニークな造形です。

 ホンダはアメイズのデザインを「空力にも配慮した洗練されたセダンスタイル」とアピールしていますが、オラオラ系のフロントフェイスと、前後にギュッと圧縮されたようなサイドビューのアンバランスさが、面白く新鮮に映ります。

 エンジンは90馬力の1.2リッター直列4気筒SOHCと、100馬力(MT車)の1.5リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボで、どちらも日本ではラインナップされておらず、とくにディーゼルエンジンはコンパクトカーのパワーユニットとして魅力的です。

 なお、インドでの価格は日本円で約95万円からと、エントリーモデルらしく安価に設定されています。

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 最後に紹介したアメイズのような新興国向けのクルマは、各メーカーから販売されており、そのほとんどが海外専用車です。

 生産工場も海外にあるため安価な価格設定となっており、装備もそれなりですが、昔のコンパクトカーからくらべると十分な装備です。

 そんな魅力的な海外向けコンパクトカーですが、安全基準の問題や、質感に対するリクエストが高い市場のため、日本での販売は難しいでしょう。