緊急事態宣言を機に、暴走族の通報件数が増加しているといいます。危険で近隣住民に恐怖を与える暴走行為への対策として、どういったものがあるのでしょうか。

コロナの影響で増加する暴走行為の現状

 暴走族は、主に深夜に活動が活発となり、速度制限を超えての走行や法律違反の装飾で爆音を響かすなど、近隣住民の不安を煽る危険行為をおこなう集団です。そんな暴走族の活動が、緊急事態宣言による外出自粛要請を機に増加傾向であるといいます。

 実際に福岡県警では、2020年6月13日から14日にかけ改造バイクに乗る2人に対して、消音機の不備などで交通違反切符を交付しました。

 2日間で延べ15人に対して4件の整備命令、無免許運転や信号無視など、合わせて11件の道路交通違反を取り締まっています。

 また、緊急事態宣言が発令されたことで、110番の総件数は減少傾向であるといいます。前述の福岡県警では、暴走族の騒音に対しての110番通報は、1月から3月の累計で616件だったものが4月は365件、5月は498件と、それぞれ前年比で11件、83件増と、増加傾向にあると発表。

 つまり、外出する人の数が減るのと反比例して暴走族が活動を活発化させているのです。そんな暴走族に対して、有効な対処法はあるのでしょうか。

 まず、政府は、警察と地域住民が協力して「しない」「させない」「見に行かない」を徹底することが、暴走族の減少に効果的であると呼びかけています。

 見物人が集まれば暴走行為はより過熱するほか、暴走族に勧誘されるきっかけとなり、犯罪に巻き込まれたり、負傷する可能性もあります。

 また、暴走族は学校の上級生、下級生や友人同士を母体として構成されることが多く、断りきれずに参加してしまうこともあるようです。

 なかにはSNSでメンバーを募るケースもあり、現代的な方法でその数を増加させています。こうしたことから、自分がしないことは勿論、周りの友人や家族が参加を止めることも必要になってきます。

 そのほかに、暴走行為をさせない取り組みとして、駐車場の深夜利用の停止や、ゲートバーの設置に協力を依頼、暴走行為が多発する道路管理者に道路の改善を働きかけるなどしています。

 実際に暴走族の迷惑行為に出くわした場合にはどのような対策を取ればいいのでしょうか。首都圏のある警察官は以下のように話しています。

「110番か地元警察への通報をお願いします。ご自身で注意をしにいくと逆恨みされ、その場でトラブルになる恐れがあります。注意をしにいった住民のほうが暴行などを受けたというトラブルは、過去に多数報告されています。

 また、近所の場合、家を特定され長期的な嫌がらせを受けるかも知れません。決してその場に足を運ばず、警察に一任していただければと思います」

※ ※ ※

 暴走族と顔を合わせることは、身の危険だけでなく、迷惑行為の助長に繋がりかねません。個人で注意しに行ったり見物へ向かうといった行為は、身の安全を脅かすため、絶対に控えましょう。

暴走族ってどんな人達なの?

 そもそも、暴走族とは、どのようなものなのでしょうか。暴走族は大きく分けて「共同危険型」と「違法競争型」のふたつに分類されます。

 共同危険型は、信号無視や騒音運転、速度違反を集団でおこなうグループです。一方の違法競争型はドリフト族やローリング族とも呼ばれ、公道をまるでサーキットのように使って違法なレースをおこなう走り屋集団を指します。

 最近の傾向では、集団での暴走行為は減少傾向にある一方、2台から5台程度のゲリラ運転が主流になっているのが特徴とのことで、警察はそのような危険な暴走族に対しては、取り締まりを強化するとしています。

 なお、道路交通法第68条によると、集団暴走行為は被害者がいなくても検挙され、2年以下の懲役または50万円以下の罰金となるとしています。免許は取り消しとなり、欠格2年が科されるほか、同乗者も免許停止になります。

 警察ではこうした暴走行為を抑制すべく、地域の学校と協力して加入阻止教室を開催しています。この教室では地元警察が生徒に対して、暴走族の実態についての説明をおこなっています。

 具体的な内容としては、暴走族がチーム存続のため勧誘に必死であること、加入するのは簡単だが脱退は困難であることなど、暴走族に加入しないよう呼びかける内容が話されました。

 また、一部の暴走族は、暴力団の下で活動していることがあるといいます。暴力団からは金品を要求されるなど、資金源としての役割を担っているため、警察としても無視できない存在となっています。

※ ※ ※

 警察は、周辺の地域や施設にも呼びかけ暴走族への対策を講じていますが、頻繁に世代交代がおこなわれる為、根絶は困難であるとしています。

 現実的に即座の根絶が難しいとしても、身の安全を守るため、暴走族への対策は何か事が起きる前に把握しておく必要があるでしょう。