トヨタの高級ミニバン「アルファード」は、2020年夏も好調な販売台数を伸ばしています。その背景には、一体どんな要因が隠されているのでしょうか。

どうしてこんなに売れ続けるの!? アルファードが販売台数を伸ばす理由とは

 トヨタの高級ミニバン「アルファード」は、2020年夏も好調な販売台数を伸ばしています。その背景には、どんな要因が隠されているのでしょうか。

 アルファードは、2020年7月も好調に販売台数を伸ばしています。日本自動車販売協会連合会によると、7月の月間販売台数は8448台となっており、軽自動車をのぞく普通車のなかでも、数ある人気車に負けない6番目の販売台数となりました。

 2002年に初代モデルが登場した当時は「アルファードG」「アルファードV」として販売。2003年には「アルファードハイブリッド」が追加されます。

 2008年には、6年ぶりのフルモデルチェンジがおこなわれ、2代目モデルからはアルファードGの「G」部分が無くなったほか、アルファードVは独立してモデルとして「ヴェルファイア」という新たなネーミングが与えられます。

 そして、2015年は姉妹車「ヴェルファイア」とともに再びフルモデルチェンジを遂げて、現行モデルとなる3代目アルファードが登場。開発コンセプトを「大空間高級サルーン」とし、より高級感を高めて仕上げられました。

 発売開始から5年の月日が経過するアルファードですが、直近の変化としては2020年1月に一部改良を実施。同年5月1日から特別仕様車「S“TYPE GOLD”」も追加されています。

 さらに、これまでアルファードはこれまでトヨペット店のみでの取り扱いだったものの、2020年5月からは全国のトヨタ系販売店(トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店)で取り扱いが開始されています。

 そんなアルファードは、これまでも順調に販売台数を伸ばしていましたが、2020年1月から3月にかけてはコロナ禍の影響もあり、軽自動車を除く国内普通車のランキングで10番目以内に入ることはありませんでした。しかし、同年4月から7月にかけては、5位から6位の順位を維持している状態です。

 アルファードがここまで好調に販売台数を伸ばす背景には、一部改良や特別仕様車の追加、取り扱い店舗の増加などが影響しているのでしょうか。トヨタ販売店の担当者は、次のように話します。

「これまでは販売店によって取り扱いが限られていましたが、その垣根が取り払われたことで、より多くの車種をおすすめできるようになった結果、アルファードの販売台数にも大きく貢献していると考えられます。

 また、もうひとつの要因はコロナ禍によるメーカーサイドからの支援です。これにより、クルマを購入する際に、条件的な部分での相談が可能になりました。

 たとえば、下取り価格の段相談や分割の金利を下げるといった点です。さらに、6月中旬に入ってからはこの条件相談がさらに強化されたことで、7月の販売台数を伸ばす結果につながりました。

 アルファードは比較的高額なクルマなので、少しでも価格を抑えられる相談ができるのは、検討されているお客さまにとっても購入へ踏み込みやすいきっかけとなります。その結果、6月に比べて7月の販売台数が大きく伸びたといえます」

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 アルファードの2020年6月の販売台数は6835台でしたが、7月は8448台となり、2000台以上伸ばしています。

 コロナ禍の影響によって、自動車メーカー全体の販売不振が囁かれているなか、こうした流れを少しでも変えるために取り組まれたメーカー側の後押しがあったことで、アルファードの販売台数を大きく伸ばしたようです。

 また、ガソリン車とハイブリッド車が展開されているアルファードですが、トヨタの販売店によるとガソリン車のほうが圧倒的に台数を伸ばしていると話します。

 普段から長距離運転をメインとするユーザーであれば燃費で金額を回収できるものの、週末だけの使用頻度ではハイブリッド車の初期費用の元が取れません。

 ガソリン車に比べて、ハイブリッド車は約90万円近く高額になることから、こうしたコストを踏まえたうえでガソリン車を選ぶ人が多いようです。

2020年5月に販売された特別仕様車も人気を集めている?

 前述のとおり、2020年5月に特別仕様車S“TYPE GOLD”が販売されていますが、このモデルの売れ行きについて、前出したトヨタ販売店は、次のように話します。

「特別仕様車は、アルファードユーザーに選ばれていた人気のオプションを盛り込んだモデルとなっています。

 はじめから必要なオプションがあらかじめ搭載されているため、後から追加するよりもリーズナブルです。

 さらに、パッケージ価格としても比較的お求めやすい価格設定となっていることから、多くのお客さまに好評をいただいています。

 ただし、なかには予算の関係でグレードに下げる人もいます。したがって、ある程度予算に余裕があるうえで、検討される人が多いのも事実です」

 S“TYPE GOLD”の価格は2WDのガソリン車(7人乗り)が約424万円、ベース車となるSグレードの2WDガソリン車(7人乗り)の価格が約309万5000円となっており、約34万円高となっているため、予算設定に余裕があることが大前提です。

 しかし、ひとつ上の上級グレードとなるSRグレードになると価格は526万円となり、S“TYPE GOLD”の価格と比較すると約102万円と価格差が非常に大きくなります。

 そのため、Sグレードにやや物足りなさを感じているものの、SRグレードでは予算的に手を出しづらい顧客によって、S“TYPE GOLD”はツボを抑えて満足感をアップさせたお得なモデルといえます。

 そんな顧客の満足度を満たすS“TYPE GOLD”は、どんなクルマに仕上げられているのでしょうか。

 S“TYPE GOLD”専用のエンブレムが装着されているほか、スモークメッキと黒メタリック塗装を施したフロントグリル、スモークメッキ加飾のボンネットフードモール、フロントバンパーモール、バックドアガーニッシュといった特別装備も採用されました。

 内装では、ハンドル部分に本革をあしらっているほか、シートの素材にはウルトラスウェードを採用。

 また、座席の両サイド部分には合皮タイプの生地もあしらわれており、室内の高級感は従来グレードより高くなっています。

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 現行モデル登場から5年以上が経過する現在でも、アルファードはブランドが確立されていることや、コロナ禍におけるメーカーの販売戦略などにより好調を維持しています。

 かつてトヨタ「クラウン」でいわれた「いつかはクラウン」に代わる、「いつかはアルファード」と一部ユーザーからいわれるほど、憧れのクルマになっているといいます。

 今後、モデル末期ともいえる6年目以降でも堅調な販売台数を維持していけるのかに注目です。