排気量が1リッター前後のエンジンを搭載するクルマは、古くから「リッターカー」と呼びました。1リッター以下ならば自動車税は最低ランクと、ランニングコストも良好で、最近はターボ付きでパワーも十分なクルマも増えています。そこで、最新モデルのリッターカーを5車種ピックアップして紹介します。

さまざまなニーズに応える最新リッターカーを紹介

 1970年代に日本でもFFコンパクトカーが登場し、1980年代になると一気に普及しました。なかでもベーシックカーとして人気だったのが、排気量が1リッター前後の「リッターカー」です。

 現在もコンパクトカーにはリッターカーが存在し、ダウンサイジングターボエンジンの採用拡大によって、欧州車でも多くのリッターカーがあります。

 とくに日本では、排気量によって自動車税の区分がおこなわれていることから、1リッター以下の排気量はランニングコストの面でもメリットがあります。

 そこで、現在日本で販売されている最新モデルのリッターカーを、5車種ピックアップして紹介します

●ダイハツ「ロッキー」

 1990年にデビューしたダイハツの初代「ロッキー」は、本格的なラダーフレームに1.6リッターガソリンエンジンを搭載したクロカンAWD車でした。

 2019年に登場した2代目「ロッキー」は、ダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」の第2弾商品となる、新型コンパクトSUVに生まれ変わりました。

 ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmとコンパクトで、最小回転半径4.9mと市街地での取りまわしも良好です。

 また、5ナンバーサイズのコンパクトボディながらSUVらしい力強いデザインで、広い室内空間と大容量の荷室を確保し、フラットな乗り心地と高い操縦安定性や軽快な加速感など、高い基本性能を持っています。

 搭載されるエンジンは1リッター直列3気筒ターボで、最高出力98馬力を発揮。970kg(Lグレード2WD)と軽量な車体と相まって、ストレスのない走りを実現。

 さらに、WLTCモードで18.6km/L、JC08モードで23.4km/L(FF車、4WD車は21.2km/L)の低燃費によって、経済的にも優れたSUVとなっています。

 また、ロッキーはトヨタへもOEM供給され「ライズ」の車名で販売しており、発売直後からコンパクトSUVのベストセラーに君臨しています。

●トヨタ「ヤリス」

 1999年にデビューしたトヨタ「ヴィッツ」は海外では「ヤリス」の車名で販売されていましたが、2020年発売の4代目からは、日本でもヤリスに統一されました。

 コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディによる走る楽しさと、低燃費、先進の安心安全技術を備えたヤリスは次世代のコンパクトカーとして開発。

 ボディサイズは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmで、最小回転半径4.8m。外観は局面を多用した流麗なデザインで、台形のフォルムによって安定感のある印象です。

 ムダをそぎ落として広さと快適さを確保した内装は、インパネ断面を薄くすることでワイドな印象を持たせたほか、ハンドルの小径化により室内をよりスポーティに演出しています。

 電気式4WDシステム「E-Four」仕様や、ハイブリッド車に注目が集まっていますが、ヴィッツ時代から販売の中核を担っていたのがベーシックグレードです。

 ヤリスのベーシックグレード「X」は車重940kgの軽量ボディに、最高出力69馬力の1リッター直列3気筒エンジンを搭載。トランスミッションはSuper CVT-iが組み合わされ、WLTCモードで20.2km/Lの燃費性能を実現。

 欧州でも定評があるヤリスの優れたドライバビリティは、1リッターモデルでも十分に感じられます。

●ルノー「トゥインゴ」

 1993年に欧州で発売されたコンパクトカーのルノー「トゥインゴ」は、初代から日本でも販売される息の長いモデルです。現在は2014年に登場した3代目が、2016年から日本にも正規輸入されています。

 外観は昨今のルノー車に共通する、「目」を連想させる大きな左右のヘッドライトがグリルで繋がれ、中央にルノーのマークが配置されるフロントデザインが特徴的です。

 かつてのルノー「5(サンク)」をリスペクトした佇まいは、全長3620mm×全幅1650mm×全高1545mmと、軽自動車よりもひとまわり大きいくらいのコンパクトさです。

 スマート「フォーフォー」とシャシを共有することで、RRレイアウトを採用。フロント部に生まれたスペースを利用してステアリング有効角度を増やし、最小回転半径4.3mの高い小回り性能を実現しました。

 エンジンは最高出力90馬力を発揮する0.9リッター直列3気筒ターボと、5速MT車には71馬力の1リッター直列3気筒自然吸気を搭載。

 ターボエンジンの「EDC」グレードはWLTCモードで16.8km/L、自然吸気エンジンの「S」は19.9km/Lの燃費性能となっています。

 2017年に限定発売され2018年からカタログモデルとなっていた高性能モデルの「GT」は、現在ラインナップされていませんが、スタンダードなモデルでも、十分にキビキビとスポーティな走りが体感できます。

欧州ブランドのリッターカーが売れている!?

●フォルクスワーゲン「T-Cross」

 フォルクスワーゲングループの生産モジュール「MQB」による堅牢かつ設計自由度の高いシャシを用いた、同社のSUVシリーズのなかでもっともコンパクトなモデルが「T-Cross(T-クロス)」です。

 2019年にデビューしたT-クロスは、高い居住性とクラストップレベルの荷室容量を持ち、発売後にヨーロッパの若者を中心に人気が高まっていました。

 本国に数か月遅れの2019年11月には日本でも発売されると、現在まで好調なセールスを記録しています。

 ボディサイズは全長4115mm×全幅1760mm×全高1580mmと、日本の道路環境でも使いやすいサイズで、最小回転半径は5.1mですから、取りまわしも良好です。

 外観はワイドなラジエーターグリルと一体化しているかのようなヘッドライトや、ボディサイドを水平に走るキャラクターラインが特徴で、SUVにふさわしい力強くパワフルなイメージを強調。

 高い居住性に加えて455リッターの荷室容量を持ち、さらに後席シートバックを倒せば最大128リッターという広大な空間を利用できる高い実用性も魅力です。

 エンジンは全車とも最高出力116馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボを搭載し、トランスミッションは7速DSG(DCT)が組み合わされています。

 車重は1270kgと同クラスでは少々重いですが、トルクフルなエンジンによってストレスを感じることはないでしょう。

 また、JC08モード燃費19.3km/Lの燃費も、魅力的です。

●アウディ「A1 スポーツバック」

 フォルクスワーゲングループのプレミアムブランドであるアウディのエントリーモデルが、2010年に登場した3ドアハッチバックの「A1」です。

 2012年には「A3スポーツバック」や「A5スポーツバック」と同様に、5ドアハッチバックの「A1 スポーツバック」が追加発売されました。

 2018年に発表された2代目A1 スポーツバックは、2019年から日本にも市場投入されました。

 ボディサイズは全長4040mm×全幅1740mm×全高1435mm、最小回転半径は5.1m。フロントフェイスはパワフルなエンジンをイメージさせるサイドエアインレットや、幅広で低い位置に構えるシングルフレームグリルが特徴的です。

 2代目が発売された当初は、最高出力150馬力の1.5リッター直噴4気筒ターボエンジン搭載車のみでしたが、2020年からは95馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載する「25TSFI」シリーズが追加されました。

 乾式デュアルクラッチを備える7速Sトロニックトランスミッションとの組み合わせにより、25TFSIではWLTCモード燃費は15.2km/L、JC08モード燃費は16.3km/Lを達成しています。

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 ひと昔前のリッターカーといえば、とにかくベーシックなクルマという印象がありましたが、現在はさまざまな車種が展開されています。

 アウディなどプレミアムブランドからもリッターカーが登場するとは、驚き以外ありません。

 日本でも、小排気量エンジンを得意してきたメーカーばかりですから、ターボエンジン化することで、さらなるリッターカーの拡大も十分に考えられます。