アイドリングストップは、燃費にも環境にも優しいとして環境省が推奨していますが、どれほど燃費に影響するのでしょうか。また、ある状況下ではアイドリングストップが推奨されないケースもあるといいます。どのようなシチュエーションなのでしょうか。

アイドリングストップって本当に効果はあるの?

 クルマに対する評価のひとつとして、燃費性能があります。昨今は、燃費の向上や環境への配慮から多くのクルマにアイドリングストップが搭載されていますが、どれほど燃費へ影響があるのでしょうか。

 アイドリングストップとは、クルマが信号待ちなどで停止しているときに、エンジンを休止する機能です。

 エンジンが休止するタイミングは車種によって異なり、クルマが完全に停止する直前から機能するタイプや、完全に停止してからやや遅れて休止するタイプなどいくつかあります。

 エンジンが再始動するには、ブレーキを緩めることで元のアイドリング状態になりますが、この再始動時の振動を苦手とする人も少なからず存在するほか、アイドリングストップのタイミングが意図せず機能することもあり、操作感覚が慣れないという声もあるようです。

 そんなアイドリングストップは、エンジンが停止することにより無駄な燃料消費を抑えられ、排気ガスも削減できることから、エコな機能として普及していますが、どれほど燃費が向上するのでしょうか。

 日本自動車工業会によると、10分間のアイドリング状態(エアコンはOFF)では130cc程度の燃料を消費するといいます。

 アイドリングストップシステムを備えたクルマをラインナップするトヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「アイドリングストップをおこなうことによって燃費が向上することは確かです。しかし、アイドリングストップの有無によって、目に見えてわかるほどの明らかな違いは生まれないでしょう。

 停止と発車を狭い間隔で繰り返すと、むしろ燃費が悪くなることもあります。目安としては、エンジンが再始動してから1分に満たないうちにアイドリングストップをおこなうことは避けてください」

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 トヨタ「アルファード」の2.5リッターガソリン車(2WD)には、アイドリングストップシステム搭載車と非搭載車の燃費数値が記載されていますが、搭載車の方がWLTCモードで0.6km/Lほど上回っています。

 決して大きな差ではありませんが、非常に稀なケースを除くと、やはり搭載車の方が燃料消費を抑えられることは確かなようです。

アイドリングストップは良いけども、手動はやめておいたほうが良い?

 アイドリングストップの効果は一定以上にあるようですが、アイドリングストップシステムが搭載されていないクルマの場合も手動でおこなったほうが良いのでしょうか。

 まだアイドリングストップシステムの普及が進んでいなかった1990年代後半、JAFは「アイドリングストップ1200万人推進運動」を開始しました。

 このとき、JAFが推奨される行為として挙げていたのは「無用なアイドリングをやめる(駐車時にはエンジンを止める)」ということです。

 これはあくまで駐車時のアイドリングストップであり、信号待ちを含む停止時には推奨していないのです。

 しかし、その後急速に普及が進んだアイドリングストップシステムは、駐車時のみならず、信号待ちなどの停止時でも自動でエンジンが休止します。

 これを機に「アイドリングストップ」という言葉が持つ意味の範囲が広くなったことで、誤った認識から交差点などで手動アイドリングストップをおこなう事例が発生したといわれてます。

 しかし、手動でアイドリングストップをおこなう場合、例えば交差点などで信号待ちの際にエンジンを停止にすることになります。

 走行時のエンジン停止は思わぬトラブルや事故の原因になると、前出の日本自動車工業会は注意喚起しています。

 手動でエンジンを停止中に何度かブレーキを踏むとブレーキの効きが悪くなるほか、とっさの動きに対応できず、誤動作や発進遅れが生じます。

 また、エアバッグなどの安全装置やウインカーなどが作動しないため、先頭車両付近や坂道での手動アイドリングストップは事故の要因となる可能性もあるのです。

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 目で見てわかるほどの大きな違いではないものの、アイドリングストップをおこなうことによって燃費が向上すること自体は確かです。

 しかし、適切な方法でおこなう必要はあります。信号待ちなどの際に、手動でアイドリングストップをおこなうことはくれぐれも避けましょう。