以前から「中国=パクリ」というイメージがあるためか、中国市場で販売されるモデルが何らかの他ブランドのパクリではないかと疑われがちです。しかし、昨今では中国市場でもパクリ車に対する認識が変わったといいます。今回は、そのなかでも代表的なトヨタ「ハイエース」を例に見ていきます。

中国にニセハイエースが乱立!? 実は古い認識だった?

 2020年1月、バドミントンの桃田賢斗選手が遠征先のマレーシアで交通事故に遭遇したことは大きく報道されました。

 同時に、注目されたのが事故の際に乗っていたトヨタ「ハイエース」に似たクルマという部分です。このクルマは実は中国メーカーによるハイエースのパクリでした。

 以前から「中国=パクリ」というイメージが横行していましたが、最近ではその傾向に変化が見られているといいます。現在のハイエース事情はどうなっているのでしょうか。

 中国国内ではハイエース形状の車種が非常に高い人気を誇っており、日本と同じく単なる商用バン用途や、コミューターバスのような用途でも使用されています。

 現在、トヨタは中国市場においてハイエースを展開しておらず、コミューター用途は「アルファード」や「ヴェルファイア」、「コースター」、レクサス「LM」などが担っています。

 その中国市場でハイエースのパクリと間違えられるのが、ハイエースのライセンス生産車となる金杯(ジンベイ)「海獅シリーズ」です。

 金杯は中国の華晨汽車(英名:ブリリアンス)が商用車を中心に展開するブランドで、ブリリアンスはルノーと「華晨雷諾金杯汽車(英名:ルノーブリリアンスジンベイ)」という合弁会社を設立しました。

 そして金杯が生産する海獅シリーズはよくハイエースのパクリと勘違いされがちなモデルで、それもそのはず、海獅はトヨタが唯一許可を出したハイエースのライセンス生産品だからなのです。

 そのため、ハイエースの正規品を展開しているのは金杯だけとなりますが、中国国内には北汽福田や金龍客車、九龍汽車などのハイエースのコピー車を製造する自動車会社も存在。

 金杯は現在、100系ハイエースのボディをベースにモダンな顔をくっつけた「海獅」、200系ハイエースのミドルルーフに相当する「新海獅」、200系ハイエースのスーパーロングバンに相当する「大海獅」。

 さらに、グランドハイエースの顔をそのまま受け継ぐ商用バンの「新快運」、そしてグランドハイエースをベースによりモダン風にした「閣瑞斯」などを展開。

 また、2020年9月には親会社のルノーが持つ技術やデザインを、グランドハイエースのボディに盛り込んだ「海獅王」を発表しています。

 ホイールベースやフレームは変わらないものの、現行のルノー車が持つような大きな黒いフロントグリルが装着された新たなフェイスが非常に特徴的だ。デザインは欧州で行われたとしており、発売は2020年末を予定しています。