日産がインドで発表したコンパクトSUVの新型「マグナイト」。一方で日本ではトヨタ新型「ヤリスクロス」の販売が好調です。もし、日本でマグナイトが販売されたら、ヤリスクロスと良きライバルになるかもしれません。

マグナイトが日本に来れば…ライバルはヤリスクロスか

 日産は2020年10月21日に新型「マグナイト」をインドで発表しました。全長4m以下となるコンパクトSUVとなりますが、もっとも存在感のあるライバルとして挙げられるのがトヨタ「ヤリスクロス」です。
 
 今回は、インドで発表されたマグナイトと、日本を始め欧州市場でも展開されるヤリスクロスとの違いを見ていきます。

 近年、世界的にSUV市場が賑わいを見せています。なかで、欧州や日本、アジアなどでは、コンパクトSUVが人気を博し、国産メーカーから新型モデルが続々と登場しています。

 日産では、2010年に投入した初代「ジューク」が2019年秋に2代目へとフルモデルチェンジを実施。2020年6月には日本でe-POWERを搭載する「キックス」も登場しました。

 トヨタでも、前述ヤリスクロス以外に2019年に日本で「ライズ」を投入し、2020年にはマグナイトと同じインドにて「アーバンクルーザー」を発売しています。

 マツダでも、2019年に「CX-30」、2020年に「MX-30」と続けてコンパクトSUVを投入するなど、今もっともアツいジャンルなのです。

 今回のマグナイトは、同社初のインド市場向けBセグメントSUVとして、画期的な製品と技術を提供することを目指す日産らしさが反映されたモデルとして開発されました。

 日産が世界で展開するSUVラインナップの「パトロール」、「パスファインダー」、「アルマダ」、「エクストレイル(ローグ)」、「ジューク」、「キャシュカイ」、「キックス」などのモデルをベースに、日産SUVのDNAが注ぎ込まれたモデルです。

 マグナイトのボディサイズは、現時点では全長4m以下ということしか公表されていません。

 外観デザインは、日産のグローバルSUVの伝統と先進技術をベースにデザインされています。

 フロント部分には、大きく開口されたグリルやL字型のデイタイムランニングライト、バンパー下部のメッキ加飾のプレートなど、スタイリッシュかつ力強くダイナミックなデザインを採用しています。

 内装では、運転席と助手席の空間が広く、ゆったりとした室内空間を提供するほか、後部座席にはクラスを超えたゆとりある足元空間を実現しました。

 機能装備では、8インチのタッチスクリーンを持つインフォテイメントシステムを搭載し、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応。ワイヤレス充電器、空気清浄機、プレミアムスピーカー(ハーマン製のJBL)を備えています。

 後席は、6:4分割可倒式を採用。ラゲッジスペースの容量は336リッターで、クラストップレベルであり、3つのスーツケースを収容可能です。

 パワートレインは1リッターターボエンジンと5速MT/CVTを組み合わせているほか、荒れた路面でも安心感のある205mmの最低地上高を確保。

 先進安全機能では、「クルーズコントロール」、ブレーキング時の安心感を高める「ABS+EBR」、「車両動的制御(VDC)」、「トラクションコントロールシステム」、「ヒルスタートアシスト」などを搭載。

 また、クルマの周囲にある障害物を見やすくするアラウンドビューモニターを搭載し、運転時の安心感を提供します。

※ ※ ※

 このように、日本にマッチしたボディサイズや機能、使い勝手を持つマグナイトですが、基本的にはインド市場を中心としてアジア諸国での展開が予定されています。

 しかし、前述の2020年に日本で発表されたキックスは、2016年にブラジルから発売開始となり、その後北米、アジア、そして日本に導入された経緯があるため、今後の展開次第では、マグナイトが日本で販売される日が来るかもしれません。

爆売れ中のヤリスクロス…マグナイトとの違い

 インド市場を中心に展開予定のマグナイトに対して、ヤリスクロスは欧州と日本を中心に展開されます。

 ヤリスクロスは、2020年4月23日に欧州と日本で同時に世界初公開。日本ではすでに販売開始となっていますが、欧州では2021年半ばの販売予定です。

 ヤリスクロスの特徴は、ヤリスに採用されているGA-Bプラットフォームとハイブリッドシステムによる高次元の基本性能と環境性能です。

 また、取り回しの良いボディサイズと、居住性や荷室空間といったSUVらしいユーティリティ性能を両立しています。

 ボディサイズは、全長4180mm×全幅1765mm×全高1560mm、ホイールベース2560mm。

 ヤリスクロスの後席は、同社のコンパクトSUVとして初となる「4:2:4分割可倒式」を採用したほか、荷室スペースのデッキボードは6:4分割を採用したことで、載せる荷物の高さに応じて荷室床面の高さを2段階で調整出来ます。

 これにより、リアシート真ん中を倒せば長尺物を積載できるうえ、大人4名乗車が可能で、なお、リアシートを倒さない状態でも、荷室スペースにはゴルフバッグふたつが積載可能。なお、容量は390リッターです。

 パワートレインは、1.5リッター直列3気筒エンジンのガソリン車(2WD/4WD)と、同エンジンにハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車(2WD/E-Four)を設定。

 新型ヤリスクロスには、力強い4WD性能を堪能できるさまざまな性能が備わっており、ガソリン車には「RAV4」などにも採用されている「ダイナミックトルクコントロール4WD」、ハイブリッド車の「E-Four」を採用しています。

 安全面では最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を採用。プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転車[昼]検知機能付き衝突回避タイプ)や、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)などが含まれています。

※ ※ ※

 なお、トヨタが欧州市場にヤリスクロスを投入する意図としては、前述のようにコンパクトSUV人気の高まりが大きいとされ、トヨタ・モーター・ヨーロッパのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのマット・ハリソン氏は次のようにコメントしています。

「ヤリスクロスはヨーロッパでのヤリスの成功を後押しする形で、両車が2025年までにヨーロッパでのトヨタ販売台数の約30%を占めると予想しています」

 また、日本では発売1か月(8月31日から9月30日)の間に約3万9000台を受注したといい、月販目標台数4100台の9倍超となりました。

 このように、欧州と日本の市場において重要な役割を持っているのが、ヤリスクロスなのです。

※ ※ ※

 現時点で日本への導入予定が無いマグナイトですが、もし発売されることになれば、ヤリスクロスと良きライバル関係になるかもしれません。