中国が2035年にガソリン車を全廃する方針だということが分かりました。世界の自動車市場においても電動化が進んでいる中国市場で何が変わろうとしているのでしょうか。

中国市場は2035年にすべて環境車になる?

 日経Webは中国政府筋からの情報として「中国、2035年全て環境車に。通常のガソリン車は全廃」というスクープを伝えた。どういうことだろうか。

 記事の内容によれば「2035年までに新車の半分を電気自動車に。半分をハイブリッド車にする」。

 そして「トヨタなどハイブリッド車を得意とする日本メーカーに追い風」という結論です。

 目標としては日本の「2050年までに温室ガス排出量ゼロ」より緩い。

 日本の場合「2050年時点で排気ガスを出す自動車が走っていない」ということだから、クルマの寿命を15年として2035年にすべての新車を電気自動車か燃料電池車にしなければならない。

 中国は電気自動車の比率が半分です。それほど難しい技術目標ではないと思う。

 中国の新車販売台数は2019年で2600万台。販売台数が3000万台を超えるのも時間の問題だといわれているため、その半分を電気自動車にするとなれば1500万台となる。

 中国に於ける2019年の電気自動車販売台数は110万台程度だから(すでにダントツ世界1です)、今の14倍。

 これだけ大量生産するとなったら電池のコストだって下がる。

 電気料金はガソリンより圧倒的に安価。広大な国土を持つ中国なら太陽光発電をいくらでも増やせることだろう。

 電池コストさえ下がれば十分にガソリン車の代替となると考えます。

 ちなみに電気自動車は主として中国メーカーの担当となるようだ。

 電池の調達価格を含め海外ブランドが入り込むことは難しいんじゃなかろうか。残る半分のハイブリッドやいかに。

日本優勢に見えるが… 中国との関係性が焦点になる

 2023年から燃費規制が厳しくなり、現在ヨーロッパで流行っている燃費イマイチのマイルドハイブリッドは適合しない。

 中国政府のいう「ハイブリッド」とは普通ガソリンエンジン車の2倍程度の燃費を持つトヨタのTHSIIや日産e-POWER、ホンダ2モーター式に限られると思ってよい。

 ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーが中国市場のため本格的なハイブリッドを開発すると思えず、なるほど日本にとってチャンスのように思う。

 実際、トヨタは中国でハイブリッドの生産を開始したうえ、特許もすべて無償公開すると発表しているし、日産e-POWERも技術的なハードルは高くない。

 中国政府もトヨタや日産の技術を欲しがることだろう。

 欧米のメーカーからすると電気自動車は中国勢と激しい戦いになり、ハイブリッドだって手強い日本勢が相手。

 2兆円という巨額の投資を発表したフォルクスワーゲンを除き、中国で生き延びるのは難しい。

 そうなればハイブリッドは日本の独壇場になる――というのが日経Webの読みです。ただ中国に関していえば、常に政治が絡む。

 日本メーカーのハイブリッド技術を習得した後は、いつ追い出してもいいということになります。

 2035年まで15年ある。すでに中国の工場で生産を開始したトヨタ方式など、遠からず中国独自で他車種に展開できるようになるだろう。

 そうなったら安定して中国から利益を上げられるかどうかは日本と中国の関係次第になります。

 以上、良い話でも悪い話でも無い。今まで以上に中国との関係が重要になってくるということだと思う。