メルセデス・ベンツのチューニングとカスタマイズを得意としているブラバスが、10台限定のスペシャルモデルを発表した。ベースとなったのは、メルセデスAMG「GT 63S 4MATIC+」。オバフェンをまとった「ロケット900」とは?

ブラバスがオバフェンを手掛けるとこれほどまでに美しい!

 メルセデス・チューニングの最大手、ブラバスから、またもや驚異的なニューモデルが誕生した。

 メルセデスAMG「GT 63S 4MATIC+」をベースに製作されたこの「ロケット900」は、40年以上にわたるブラバスが、その歴史のなかで築きあげてきた技術力のすべてが導入された、まさに究極の作品といったところである。

 同時に高性能なベース車を生み出すメルセデスAMGの存在を再確認させる1台であるともいえる。

 まず誰もがその迫力に視線を奪われるのは、前後のオーバーフェンダーだ。もちろんこれはただの装飾ではなく、フロントに295/30ZR21、リアに335/25ZR22サイズのタイヤと、それに組み合わさられる各々10.5J×21、12J×22インチ径のブラバス製「モノブロックZ・プラチナム・エディション」ホイールを収めるためだ。

 これらのパーツは軽量なCFRPで成型されており、結果そもそも1953mmだった全幅は、2068mmにまで拡大されることになった。

 その第一印象から、メルセデスAMGの作とは、まったく異なるオーラを感じるのも当然だ。

 前後のパートも、大きくその姿を変えている。フロントのバンパースポイラーは、エアインテークがさらに大型化され冷却性能を高めており、またサイドステップやリアウイング、リアデフューザーなどもブラバス・オリジナルのアイテムとなる。

 エンブレムなどアクセントとして使用される鮮やかなレッドも、エクステリアを引き締めるうえで大いに効果的な演出だ。

ハッタリではない! 900psもの超強力エンジン

 それでは注目のエンジンを見てみよう。CFRP製の美しいカバーの下にマウントされているのは、メルセデスAMGが製作した4リッターV型8気筒ツインターボエンジンをベースとする、ブラバスのスペシャル・ユニットだ。

 ブラバスのエンジニアリング・チームは、まずこのエンジンの排気量を4リッターから4.5リッターに拡大することにチャレンジ。ボアを84mmに、ストロークを100mmにまで拡大することで(GT 63S 4MATIC+は83mm×92mmだった)、この4.5リッターの排気量を得ることに成功している。

 ターボチャージャーもさらに大型化され、最大のブースト圧は1.4バールにまで高められた。このターボがツインで構成されるユニットは、メルセデスAMGと同様にエンジンのVバンク間に、すなわち「ホット・インサイド・V」のレイアウトを採るが、インテーク、エグゾーストのシステムにも、ブラバス独自の設計が見られる。

 ラジエーターグリルの左右に内蔵されたカーボン製の「ラムエア・インテーク・システム」や、ステンレス製の「ハイパフォーマンス・クワッド・エグゾーストシステム」などはその典型的な例。ECUももちろんブラバス製のもので、燃料マップやイグニッション、ブースト圧などは、これでコントロールされる。

 最高出力は、その名の由来となっている「900ps」、最大トルクは1050Nmにまで高められている。

 ロケット900のパフォーマンスにも、また驚きの数字が並ぶ。ベースのメルセデスAMG GT63 S 4MATIC+の0?100km/h加速3.2秒を2.8秒に短縮。以下、0?200km/hは9.7秒、0?300km/hは23.9秒、最高速に至っては330km/hとされるが、これらはすべてリミッター制御を受けた結果のものであるというからさらに驚きだ。

 メルセデスAMGのさまざまな制御技術、そして何より4MATIC+の効果が、加速性能ならびに安定感をもたらしていることを、カスタマーは驚愕の加速の中で感じるに違いない。

 ちなみにこのロケット900の生産台数は10台のみ。我こそはと思う方は、ぜひお早目に立候補を。