2020年1月に開催された「東京オートサロン2020」で初披露され、注目を集めた改良新型シボレー「カマロ」。この8月にようやく納車が開始されたが、そんな新型カマロに試乗することができた。限定車の「カマロLT RS ヘリテージエディション」に、レポーターのこもだきよし氏が乗った。

20インチのスポーツタイヤだがオールシーズンでM+Sのランフラットを装着

 筆者が運転免許を持っていなかった50年以上前から、シボレー「カマロ」といえば、フォード「マスタング」と並んでアメリカ製の2ドアスポーツカーの代表で、憧れの存在だった。

 最新型のカマロは2020年1月に発表され、今回やっと日本に上陸し試乗することができたので、ホットなインプレッションをお伝えしよう。

 新型はクーペとコンバーチブル、そして2種類のエンジンが用意されている。車種はシボレー・カマロLT RS、カマロコンバーチブル、カマロSSの3モデル。「LT RS」と「コンバーチブル」は2リッター直列4気筒ターボエンジン、「SS」はいかにもアメリカンな6.2リッターV型8気筒エンジンを搭載している。

 今回試乗できたのは、LT RSをベースとした「カマロ ヘリテージエディション」という30台限定のモデルで、ボディカラーは新色のラリーグリーンメタリックだ。クーペ専用デカールとしてホワイトパールラリーストライプを配して、スポーティなルックスに仕上げている。このヘリテージエディションは台数限定ながらコンバーチブルとSSにも用意されている。

 ロングノーズ・ショートデッキの典型的なスポーツカーデザインは健在だ。長いボンネットの下には直列4気筒エンジンが搭載されているが、キャビン側に押し込められているので、その前方には大きなクラッシャブルゾーンが存在する。

 4輪ともオーバーフェンダー気味に膨らんだフェンダーにカバーされ、クルマに乗り込むときからエキサイトしそうだ。

 試乗車はグッドイヤー「イーグルF1アシンメトリック」のオールシーズンでランフラット、という珍しいタイヤを履く。タイヤサイズは前後とも245/40R20 95V M+Sで、見た目には結構太めに映る。

 じつはこのタイヤが、良い意味でカマロのキャラクターを表しているように思う。

 まずは、見た目は間違いなくスポーツカーなのに、意外と乗り心地が良いことだ。

 M+Sのオールシーズンタイヤということでトレッド面があまり硬くないため、路面の不整に対して当たりがソフトなのだ。その分、ハイスピード領域でのハンドルのニュートラル感がやや甘いということはいえる。それでも遊びが大きいとかクセのある動きにはならないので、通常ドライブの範囲では気になるレベルではない。

 コーナリングではファットなタイヤの幅広い接地面のおかげで、しっかりとしたグリップ力を感じる。あまりタイヤが突っ張り過ぎないし、路面からの反発が大きく跳ね返ってこないから、肩の力を抜いて運転できるのは良い点だ。

 タイトコーナーでちょっと攻めて走ると面白い。変にタイヤが踏ん張り過ぎないので、グリップ限界付近の変化が穏やかなのだ。つまり急にフロントが滑ったり、急にリアが滑ったりということがなく、クルマの挙動変化が穏やかで、セオリーどおりのドライビングで素直に走ってくれる。

 最近では多くのスポーツカーがハイグリップタイヤを履いていて、一般道ではとても限界まで使いきれない性能を持ったものばかりになっているが、その意味でカマロは扱いやすく、ちょうど良いグリップのタイヤを履いている。

カマロはリラックスしてスポーツを楽しめるクルマ

 基本はしっかりしたボディを持っているから、良い感触を得られていると思う。

 ボディ剛性は十分に高い。ボンネットを開けるとストラットタワーからキャビンのバルクヘッド側に補強材が入っているし、トランクリッドを開けるとその開口部は意外と小さく、ボディ強度を上げているのがわかる。

 2ドアで4人乗りなので、後席へは運転席か助手席のシートを前に倒して乗り込むことになる。しかし前席シートベルトのショルダーベルトの下の取り付け点がシートに付いているので、シートを前に移動してもベルトがついてきてしまい、乗り降りの邪魔になる。まあ頻繁に後席に乗るクルマでもないし、前席優先のクルマということだ。

 運転席に座ると、シートもハンドルもアジャスト機構が充実していて動く範囲も広いので、幅広い体型をカバーできそうだ。

 アクセルペダルはオルガン式で、床から生えているから扱いやすい。2リッターターボエンジンは最大トルク400Nmを3000-4000rpmで出せるから、8速ATを介してアクセルペダルの踏み込み量に見合った加速力が期待できる。

 最高出力は275ps/5500rpmだ。ちなみにV8エンジンを搭載したSSは10速ATで、最高出力453ps/5700rpm、最大トルク617Nm/4600rpmというカタログ値である。

 ブレーキの効きも良く、踏んだときの感触も良い。踏み増したときの追従もよく扱いやすい。しっかりしたブレーキシステムはブレンボ製なのだ。

 インストルメントパネルはスピードメーターとタコメータの中央に8インチのカラークラスターディスプレイ/ドライバーインフォメーションセンターを設置し、ラップタイム、コーナーでのGフォース、燃料使用量、走行距離、タイヤ空気圧、各種温度などの情報を切り替えて表示できる。

 新型シボレー・カマロは、リラックスしてスポーツを楽しめるクルマだ。

CHEVROLET CAMARO LT RS HERITAGE EDITION

・車両価格:550万円
・全長:4785mm
・全幅:1900mm
・全高:1345mm
・ホイールベース:2810mm
・車両重量:1560kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1998cc
・駆動方式:FR
・変速機:8速AT
・最高出力:275ps/5500rpm
・最大トルク:400Nm/3000−4000rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ前後:245/40R20