2020年11月26日に、日本で10番目の自動車メーカーであるミツオカは新型SUVの「バディ」を発表。新型バディは1970年代から1980年代のアメリカンSUVをオマージュしたデザインで、10月に先行公開した時点で大きな反響がありました。これまでミツオカは数多くのクルマを世に送り出してきましたが、なかでも話題となったモデルも存在。そこで、新型バディとともにミツオカのクルマを5車種ピックアップして紹介します。

新型バディとともにミツオカのユニークなモデルを振り返る

 日本で10番目の自動車メーカーであるミツオカは、2020年11月26日に新型SUVの「バディ」を発表し、先行予約を開始しました。バディは同年10月に先行公開しており、その時にはすでに大きな反響があり、人気となるのは必至でしょう。

 ミツオカは1968年に富山県で創業した会社で、当初は板金塗装業から始まり、1980年代には中古車ディーラーとして成功を収めました。

 1982年に初の自社オリジナルカーのBUBUシャトル50」を発売。50ccエンジンを搭載したマイクロカーでした。

 その後は市販車をベースにした改造車の製造に着手し、1994年に10番目の乗用車メーカーと認定された第1号車「ゼロワン」を発表し、現在に至ります。

 これまでミツオカは数多くのユニークなクルマを製造してきましたが、大いに話題となったモデルも存在。

 そこで、新型バディとともにミツオカのクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●オロチ

 ミツオカが2001年の東京モーターショーに初出展する際に、ホンダ「NSX」をベースにパイプフレームを組み合わせ、独自のデザインのボディを被せたコンセプトカー「大蛇(オロチ)」を製作。

 その時の反響が大きかったため、2003年の東京モーターショーでは国内の保安基準に適合した2代目となるオロチを出展し、2005年の東京モーターショーにおいて市販化を表明しました。

 そして、2006年10月に市販モデルを発表し、2007年4月より販売を開始。車名は日本の神話に登場する「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」から大蛇(オロチ)と正式に名付けられました。

 デザインもヤマタノオロチからヒントを得たスタイリングで、一見すると「怖い」、しかし「見たい」という衝動に駆られる妖艶さを実現したといいます。

 エンジンはトヨタ製の3.3リッターV型6気筒をリアミッドシップに搭載。性能的には目を見張るものはなく、あくまでも見た目重視だったようです。

 オロチは2014年に生産を終了しましたが、2018年には中古車をベースに永井豪氏のマンガ「デビルマン」とコラボしたカスタマイズカーの「デビルマン オロチ」を限定1台で販売するなど、再び話題となりました。

●ロックスター

 2018年11月、1960年代のアメリカ車を彷彿とさせるデザインが特徴のオープンカー「ロックスター」を発表。現行モデルのマツダ4代目「ロードスター」をベースに外観のイメージを一新しています。

 ロックスターはミツオカの創業50周年を記念して限定200台で販売され、発表と同時に発売されたのですが、すでに2019年3月に完売しています。

 ベースとなったグレードは6速MT仕様のSとSスペシャルパッケージ、6速AT仕様のSスペシャルパッケージの3種類で、エンジンはロードスターと変わらず1.5リッター直列4気筒を搭載。

 外装はドアとフロントウインドウまわり以外はすべて作り替えられており、クラシカルな雰囲気と最新のデザインを上手く融合させています。

 内装の造形はロードスターに準じていますが、オリジナルのシート表皮とされ、インパネまわりのカラーリングもシートに合わせたコーディネートを採用。

 装備もロードスターと同様で、発売当時の価格(消費税込、以下同様)は 469万8000円から518万4000円でした。

●ビュート

 1950年代に誕生したイギリスの高級サルーンをモチーフにデザインされた初代「ビュート」は、日産2代目「マーチ」をベースに製作したことで比較的安価な価格を実現し、同社のヒット作になりました。

 現行モデルは4代目マーチをベースにした3代目で、4ドアセダンと5ドアハッチバックの「ビュートなでしこ」の2タイプをラインナップしています。

 ビュートのつくりはマーチのフロントセクションをすべて交換して、リアにはトランク部分を増設し、リアハッチを埋めてセダン化。

 ビュートなでしこはフロント部分がビュートと同様で、リアはバンパーが異なる程度です。

 内装はマーチに準じていますが、インパネまわりやシート表皮、内張りがクラシカルな雰囲気の意匠に変更されています。

 ビュートの価格は262万9000円から322万8500円、ビュートなでしこは201万3000円から266万7500円で、2020年10月に先進安全技術をグレードアップする改良がおこなわれました。

アメリカンテイスト第2弾は初のSUV!

●ヒミコ

 前出のロックスター登場以前に、4代目ロードスターをベースにつくられたモデルが「ヒミコ」です。

 初代は3代目ロードスターをベースとして2008年に発売され、現行モデルは2018年にフルモデルチェンジした2代目にあたります。

 ヒミコの外観は第二次世界大戦以前に誕生したスポーツカーをオマージュしたデザインで、最大の特徴は超ロングノーズになっているところです。

 ベースのロードスターに対してフロントセクションとリアセクションはすべて変更され、さらにホイールベースを600mm延長。

 十分な強度を保ちながらモノコックシャシの前端を伸ばし、構造部材を追加してフロントサスペンションを取り付けており、ユニークなプロポーションを実現しています。

 また、メッキグリルを配置したクラシカルなフロントフェイスやクラムシェルフェンダーは現代風にアレンジされており、斬新な印象です。

 内装はロックスターと同様で、ロードスターの意匠をベースに各部の素材を変更して仕立てられています(オプション)。

 なお、エンジンやトランスミッションはロードスターから変更はありません。

 ヒミコの価格は516万6280円から618万5740円と高額ですが、モディファイの内容を考えるとリーズナブルといえるでしょう。

●バディ

 前述のとおり2020年11月26日に、同社初となるSUVの新型バディが発表されました。

 ベースとなったモデルはトヨタ「RAV4」で、ボディサイズは全長4730mm×全幅1865mm×全高1685mm-1690mmと、全長が120mmほど伸ばされています。

 バディの外観は1970年代に登場したアメリカ製のSUVをモチーフにデザインされ、角型縦目4灯のヘッドライトに、メッキの大型バンパーと格子状のグリルが特徴です。

 なお、往年のアメリカ車のデザインを反映させた理由は、ロックスターの成功があったからといいます。

 ほかにもフロントではフェンダーとボンネットが変更され、リアもバンパーとリアゲートに専用のデザインを採用。

 内装は大きく手が入れられておらず、RAV4の使い勝手の良さを継承しつつ、一部装飾が追加されるくらいです。

 パワーユニットは2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドの2タイプを設定。駆動方式はガソリン車が2WDと4WD、ハイブリッド車が2WDと電子式4WD(E-Four)がグレードによって選択可能となっています。

 発売時期は2021年6月を予定しており、生産台数は2021年が年間50台、2022年以降は年間150台の見込みで、組付けがほぼすべて手作業となっているため、これ以上の量産は難しいようです。

 価格はガソリン車が469万7000円から549万4500円、ハイブリッド車が525万300円から589万9300円。発表と同日に予約が開始されました。

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 ミツオカのクルマというと、今回紹介したようなユニークなカスタマイズカーが真っ先に思い浮かびますが、じつはほかにもさまざまなクルマを手掛けています。

 とくに定評があるのが霊柩車で、セダンをベースに全長をストレッチしてステーションワゴン化したモデルや、トヨタ「グランエース」をベースにしたモデルもあります。

 ほかにもストレッチリムジン、寝台車、遊園地などの園内を走る乗り物なども手掛け、近年は自社の旧型モデルのレストアサービスもおこなっています。

 富山県で板金塗装業からスタートしたミツオカは、いまでは生粋の技術屋集団になったということです。