北米で世界初公開されたスバル新型「BRZ」。初代モデルの現役オーナーである女性編集部員が、詳しくチェックします。

世界初公開された新型BRZが意外にも大反響

 2020年11月18日に北米で世界初公開されたスバル新型「BRZ」が話題となっています。

 新型BRZについて、初代モデルの現役オーナーである女性編集部員が詳しくチェックしてみます。

 2012年に初代モデルが登場したBRZは、トヨタとスバルが共同開発したFRスポーツカーで、トヨタでは「86」として販売されています。

 BRZは、86の陰に隠れたマイナーな存在だと認識していたのですが、新型モデルの世界初公開時にはツイッターのトレンド入りしたり、ヤフーの記事ランキングでも上位にランクインするなど、多くの人が注目していたことに正直驚きました。

 実際私がBRZ(中古車)を購入するとき、中古車店の営業マンにいわれたのは「86じゃダメなんですか?」ということ。

 86のほうが多く売れていることから中古車の在庫も多く、あえてBRZを選ぶ人は少数派なのです(私の場合、BRZしかないWRブルーのボディカラーが購入の決め手でした)。

 初公開で大きな反響を集めた新型BRZですが、初代モデルのオーナーとしてもっとも気になるポイントが、外観デザインがどのようになるかでした。

 初めて新型BRZを見たとき、正直なところ「ちょっとイマイチかな」と思ったのも事実です。

 シルバーのボディカラーだったこともあり、ブラックのヘキサゴングリルが目立っているのが、バランスが悪いように感じたのですが、別の画像のWRブルーのモデルだとグリルが目立ちすぎず、じわじわとカッコよさが伝わってきました。

 やはりBRZは、スバルを象徴するWRブルーのボディカラーが似合っているのではないでしょうか。

 北米仕様のボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmと、初代モデルと比べて全長は25mm長く、全高は10mm低くなっていますが、全幅は変更していません。

 クーペスタイルが強調されたサイドのシルエットは、厚みが増したボンネットフードのラインとリアがダックテールのような形状になったことで、よりメリハリが効いているようです。

 テールランプも最近のスバル車と同じくコの字のようなデザインとなり、後ろから見てもひと目でスバル車だとわかるようになりました。

 これまでBRZはスバル車のなかでも独自のデザインを採用していましたが、新型モデルはほかのモデルとの共通点も取り入れられ、スバルファミリーとして重要なポジションに位置づけられているような感じがします。

 また、フロントフェンダー後方に配置されたエアアウトレットやサイドシルスポイラーなど、スポーティさを演出するパーツも装備されていますが、デザイン性だけではなく空力性能も兼ね備えているとされており、スポーツカーとして磨きがかかりました。

 その一方で、インチアップしたアルミホイールはトヨタのスポーツ4WD「GRヤリス」と同じデザインとなるようで、このあたりはトヨタとのつながりを連想させているとも感じます。

 新型モデルの内装は、先進的なデジタルメーターが採用される点がポイントです。運転中に目にする部分だけに、少しシンプルすぎるような印象を受けました。

 初代モデルの3眼メーターは、赤いアクセントなどが施されてスポーティなデザインだっただけに、新型モデルのメーターには味気無さを感じてしまいました。

 ただ、デジタルにすることでさまざま情報を表示できるようになるので、最近のクルマはこちらが主流です。これも時代の流れだといえます。

 インパネは水平基調となり、視界が広く確保されているようです。初代モデルは中央のエアコンの吹き出し口が盛り上がった形状だったので、フラットになる新型モデルのほうが見やすさが向上していると思われます。

スバル車で唯一! 6速MT車も当然用意されている

 新型BRZのトピックスのひとつが、排気量の拡大です。初代モデル(MT車)は、最高出力207馬力、最大トルク212Nmの2リッター水平対向4気筒エンジンでしたが、物足りないという声もあったといいます。

 新型では初代モデル同様、エンジンにはトヨタの直噴技術「D-4S」が組み合わされ、排気量は2.4リッターへとアップ。最大出力は約231馬力(228hp)、最大トルクは約249Nm(184lb.-ft)へと向上しました。

 徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によってトルクが15%向上。レスポンスも向上し、滑らかに高回転まで吹け上がるスポーツカーらしいフィーリングと、力強い加速が味わえるといいます。

 また、AT車はスポーツモードの制御が進化し、よりダイレクト感のあるコーナリング性能を身につけました。

 パワーアップは喜ばしいニュースではありますが、日本の税制では、2.4リッターに排気量が上がることで、自動車税も上がります。

 年間数千円の差ではありますが、やはりより多くの販売が見込める北米を重視していることを感じざるを得ない点だといえますが、排気量アップが走りにどう影響するのかは楽しみです。

 また、AT車にBRZ初の「アイサイト」が搭載されることも注目されます。プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールが装備され、より安心で快適な移動が可能になるといいます。

 一方で6速MTも設定されていますが、こちらにアイサイトは搭載されません。

 ちなみに、初代モデルのMT車には、前車に追従しないタイプの「クルーズコントロール」が装備されていますが、スイッチはトヨタ車と同じものが使われていました。

 トヨタのMT車では衝突被害軽減ブレーキなどが搭載されているモデルもあるので、新型BRZのMT車でもトヨタの技術で安全デバイスが搭載されるかもしれないと期待していましたが、その可能性は低そうです。

 とはいえ、初代BRZは2020年夏に販売が終了しているため、現在スバルの自社生産車でMTが設定されているモデルはひとつもありません(WRX STIが2019年12月に生産終了)。

 新型BRZの日本発売時期は未定ですが、発売されればスバル唯一のMTモデルとなり、MT車好きにとっては貴重な1台となりそうです。

 初代モデルではMT比率が7割だったこともあり、BRZにMT車は必要不可欠。アイサイトが搭載されなくても、BRZのMT車を廃止するという選択肢はありえないというわけです。

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 非常に気になる存在である新型BRZ。コンパクトなボディで、じつは女性にもおすすめのモデルです。男性では狭くて窮屈な室内でも、女性であれば問題ありません。

 そしてBRZは2+2の4人乗りなので、頑張れば後席に乗ることも可能(中学2年生くらいの子供なら乗れるとされています)。

 2シーターモデルだと同乗者がいる場合、荷物の置き場所がなくて困りますが、後席があれば荷物を載せることもできます。

 また、後席を前に倒してトランクスペースを広げると、タイヤが4本搭載できるほどの荷室容量も確保されており、意外と実用性も高いのです。

 いまだ公開されていない新型86がどのようなデザインになるかも注目されていますが、2021年1月に開催予定の東京オートサロン2021に出展されるという噂もあり、新型86と新型BRZの日本でのお披露目を楽しみに待ちたいと思います。