一般的に、移動式の焼きいも屋は軽トラックなどを使用して運用することが多いですが、SNSでは「すーぱーかーやきいも」なるものが目撃されています。一体どういったものなのでしょうか。

焼きいも屋の火を燃やしながらの走行は違反?

 寒くなってくると、あったかくてホクホクの焼きいもが食べたくなってきます。
 
 一般的に、移動式の焼きいも屋は軽トラックなどを使用して運行することが多いですが、SNSでは「すーぱーかーやきいも」なるものが目撃されています。一体どういったものなのでしょうか。

 寒さが本格化してきた時期に「い〜しや〜きいも〜」の声を聞くと、冬がやってきたと感じる人は多いのではないでしょうか。

 焼きいもを販売するクルマは、荷台でさつまいもを焼きつつ、走行しながらさまざまな場所を巡って販売をしています。

 焼きいもの販売車には、スズキ「キャリイ」などの軽トラックが用いられているのが一般的ですが、そもそも、荷台で薪を燃やしながら走行するというのは、法律上問題はないのでしょうか。

 現在の道路交通法では、煙突の高さなどの諸条件が合致していれば、走行中の火気の使用は事態は違反にはならないとされています。したがって、焼きいもの販売車も、公道を走行することが可能です。

 正確にいえば、荷台にある石焼用の設備は、取外し可能であることから「荷物」という扱いであり、大きくはみ出したり、積載量を超えていたりしない限りは、道路交通法では規制できないというのが実情のようです。

 また、消防法も、原則として建物に対しての法律であるため、移動式販売車には適用されません。

 さらに、焼きいもは基本的に素材に対して味付けをおこなわないため、食品衛生法上の営業許可も原則不要とされています。

 つまり、移動販売用の車両と石焼用の設備、そしてさつまいもがあれば、その日のうちに営業を開始することができるようです。

 この参入障壁の低さが、焼きいも屋の無くならない理由のひとつともいわれています。

 ただし、走行中には必ず後ろの荷台に蓋をする必要があり、焼きいもの販売は停車してからおこなわなければならないといった細かな規則も存在。また、公道で許可なく販売するのは違法行為として罰せられる可能性もあります。

「すーぱーかーやきいも」とは一体?

 前述のように、軽トラックで販売するのが一般的な焼きいもですが、SNSではフェラーリを使用して焼きいもを販売している男性が話題になっているようです。

「すーぱーかーやきいも」と名付けてフェラーリで焼きいもを販売しているのは、自動車修理店を営む原田輝和さんです。

 原田さんは、土日をメインに、東京都の日の出町にある自身の店舗の前や、西多摩地区を中心とした近隣のイベントで焼きいもを販売しており、日によって異なりますが、100本から200本ほどの焼きいもが1日で売れるそうです。

 また、焼きいも屋以外にカフェも経営しており、焼きいもを食べる前に飲み物で一息ついてもらったり、イベントでは焼きいもと相性の良いジェラートなども一緒に販売しているそうです。

 もともとは原田さんの奥様が焼きいもが好きであり、原田さんがスーパーカーが好きだったことから組み合わせて「すーぱーかーやきいも」が生まれたといいます。

 そんなアイデアを息子さんに相談してみたところ、「面白いからやってみなよ」と背中を押されたと原田さんは話します。

 とはいえ、焼きいもづくりのノウハウを持っていなかった原田さんは、知り合いの農家もとで一か月ほど修行し、焼きいもの焼き方を覚えたそうです。

 いまでは、水晶を用いた独自の焼き方を採用しており、「糖度が高く、びっくりするくらい甘い」と原田さんは胸を張ります。

 愛車のフェラーリは、「F430」をベースに、オーバーフェンダーなどでカスタムしたものです。

 日本では2005年から2009年まで販売されていたF430は、4.3リッターV型8気筒エンジンを搭載し、最高出力は490馬力/8500rpm、最大トルク47.4kgmを発揮します。

 当時の新車価格は2600万円でした。ちなみに、焼きいもの調理は特製のリヤカー部分でおこなっており、こちらもどことなくフェラーリ風に仕上げられています。

「すーぱーかーやきいも」について、原田さんは次のように話します。

「スーパーカー好きのお客さまも訪れるので、そうした繋がりができるのはうれしいです。

 とはいえ、どうしても焼きいもよりクルマが目立ってしまうけど、多くの人に焼きいもの美味しさを知ってもらいたい」

 今後も販売方法や宣伝方法など日々改良しながら焼きいもを販売し続けていきたいと夢を語ります。

※ ※ ※

 徐々に寒くなるこの季節にぴったりな焼きいもを、インパクトのあるフェラーリで販売しているのはとてもおもしろくて気になります。見かけたらぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。