2020年も12月となり、一年の締めくくりの時期が到来していますが、世間を騒がす新型コロナウイルスは第3波の到来といわれています。そんななかで、日常の移動手段として「自動車」が見直されていますが、ユーザーのなかではどのような意識の変化があったのでしょうか。

コロナ禍の移動手段として、「自動車」への関心高まる

 世界中を襲う新型コロナウイルス感染症。日本では、2020年4月から5月にかけて緊急事態宣言が発令され、その後も全国で感染症予防となる「3密を避ける」「マスク着用」「こまめな喚起」などが定着化しました。
 
 しかし、気温の低下や空気の乾燥などに影響なのか、10月中頃から新規感染者が次第に増え始めています。
 
 さらなる感染症予防が求められるなかで、密を避ける移動手段として「自動車」が注目されているのです。では、実際に移動手段に対してどのような変化が見られているのでしょうか。

 2020年12月現在も世界中に多大な影響を及ぼす新型コロナウイルス。そのなかで、自動車に関する意識に変化があるようです。

 トヨタが展開する自動車のサブスクリプションサービス「KINTO」を運営する株式会社KINTOは、新型コロナ第3波の到来といわれる状況において「移動」に関する意識調査を全国20歳から69歳男女を対象実施(有効回答数1792人)。

 調査において、「日常的に利用したい移動手段」として自家用車が80.0%と高い水準となり、感染防止の観点からパーソナルな空間を確保できる点が評価されているとみられます。

 また、移動手段に関する質問は2020年6月にも実際されており、その前回からの伸び率でみると「タクシー・配車サービス」(+8.1ポイント)、「バス」(+5.5ポイント)、「電車」(+4.3ポイント)が伸長し、マスク着用などの感染防止対策をとったうえで利用を再開する人が増えていることも判明。

 また、コロナ禍における、 自動車の今後のニーズについて、「自家用車を検討したい人」は75.6%と利用の意向も高いことがわかっています。

 一方、同様の調査は、日本最大級のインターネット商店街「くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケット株式会社も、同会員の男女985名に対して実施していました。

 くらしのマーケットがおこなった調査は、「年末年始に利用しようと思っている交通手段」という内容です。

 そこでは、7割以上もの人が「自動車(自家用車)」と回答し、2位の「鉄道(在来線)」(25.9%)を大きく引き離しました。

「自動車(レンタカー)」を含めると約4人に3人が自動車を利用する予定のようです。

 2020年の年末年始は新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら過ごすことが求められており、他人との距離が確保できる自動車の利用意向が高まっていることがうかがえました。

コロナ禍で「ペーパードライバー講習」の希望者増加?

 これらのように、自動車(自家用車やレンタカー、カーシェア)に対する意識はコロナ禍によって、高まっているといえます。

 そうしたなかで、運転免許は取得したものの、普段まったく運転をしない通称「ペーパードライバー」の人達にも変化が見られているといいます。

 首都圏の自動車教習所では、2020年夏頃から「ペーパードライバー講習」を希望する人が増加したといい、緊急事態宣言で従来の新規免許取得者と合わせて、講習予約がなかなか取れないほどの盛況ぶりなようです。

 同教習所のスタッフは「免許は持っているけど運転の仕方を忘れたというようなペーパードライバーの講習希望は多くなっている印象を受けます。とくに、主婦層や中年層の人が申し込まれています」と説明します。

 ペーパードライバー講習の内容は、指定教習所や出張講習などによって異なりますが、基本的には初歩となるドライビングポジションから各種操作、運転時の動作など、一連の流れを復習する形でおこないます。

 また、講習料金も場所や内容に異なり、1時間数千円というものから2時間プランで1万5000円前後という差があります。

 さらに、コロナ禍において教習所に出向きたくないという人には出張形式のペーパードライバー講習もおこなわれており、注目が集まっています。

 首都圏で出張形式のペーパードライバー講習をおこなっている会社では、「今年の夏から秋に掛けて予約が増えました。ただ、第3波といわれるようになってからは、お問合せも落ち着いてきています」と説明しています。

 コロナ禍によって、移動に対するユーザー意識は変化しています。同様に公共交通機関が発達していない地方では、自動車は移動手段に欠かせない存在です。

 そのなかで、近年の高齢者による事故が増加していることにより運転免許の返納を考えていた70代の男性は返納することを一旦思い止めたといいます。

「最近は運転する機会も徐々に減っていたため、運転免許の返納を考えていました。しかし、コロナが流行ったことで何かあった際に運転出来るほうが良いと思い、返納するのは一旦やめました」

 今後、コロナ禍がいつまで続くかは誰にも分かりません。同様に移動に対する意識の変化は、地域や年代などに関係なく重要な課題といえるかもしれません。