ホンダは、2021年2月18日にコンパクトSUVの新型「ヴェゼル」をワールドプレミアすることを発表し、同年春に日本での発表・発売を予定しているといいます。激化する日本のSUV市場ですが、今後新型ヴェゼルが登場することでどのような影響があるのでしょうか。

新型ヴェゼルが2月18日にワールドプレミアへ

 2021年2月18日にホンダはコンパクトSUVの2代目「ヴェゼル」をオンライン上でワールドプレミアします。日本では2021年春に発表・発売される予定です。
 
 世界中で激戦区となるSUV市場ですが、なかでも日本ではコンパクトSUVジャンルにおいて各社から続々と新型モデルが登場しました。
 
 そのなかで、これまで売れ筋モデルとして人気な新型ヴェゼルが投入されることでどのような影響が考えられるのでしょうか。

 現在、日本で人気となっているコンパクトSUVジャンルは、2010年に日産「ジューク」のデビュー以降、現在のブームが徐々に形成されてきました。

 コンパクトSUVは、特徴として従来ながらのオフロードテイストではなく、街中でも違和感の無いスタイリッシュなデザインを採用。

 また、日本の道路事情(狭い道や舗装路の多さ)を考慮したボディサイズに加えて、使い勝手や室内空間の広さを実現したことで、定番化していきます。

 ジューク以降、前述のヴェゼル(2013年)、マツダ「CX-3(2015年)」、トヨタ「C-HR(2016年)」が俗にコンパクトSUV第一世代として、人気を博しました。

 その結果、現行ヴェゼルは2014年、2015年、2016年、2019年と4度のSUV販売台数No.1を獲得します。

 ヴェゼルが支持される要素として、ホンダは「さまざまな場面で気持ちよく走行できる走りの楽しさ、圧倒的な広さと多彩なアレンジができる室内空間などが評価されています」と説明しています。

 しかし、その後コンパクトSUV第二世代ともいえる、スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」(2018年)、トヨタ「RAV4」(2019年)、マツダ「CX-30」(2019年)、同じく2019年にダイハツ「ロッキー」とそのOEM車となるトヨタ「ライズ」が登場。

 2020年には、トヨタ「ハリアー」と「ヤリスクロス」、日産「キックス」、マツダ「MX-30」が発売され、ここ2、3年でさまざまなSUVが発売され、注目されていることが分かります。

 続々と新型モデルが登場したことで、2019年ではSUVジャンルでNo.1だった現行ヴェゼルですが、2020年はその座をライズ(登録車2位)に譲る形となりました。

 また、2位ハリアー(登録車13位)、3位RAV4(登録車15位)、4位C-HR(登録車21位)と続き、SUVジャンルで5位に現行ヴェゼル(登録車23位)は位置しています。

 そうしたなかで、前述のワールドプレミアに先駆けて1月18日に、ホンダのハイブリッド車の証となるe:HEVのエンブレムが装着されている様子や、ディスプレイオーディオとスマホの連携、オーディオスピーカーなどの画像が先行公開されました。

 とくにリアビューに関して、新型ヴェゼルのCピラーが現行ヴェゼルよりも傾斜が強く寝ているように見え、クーペルックが強調されたデザインになると予想出来ます。

 こうした新型ヴェゼルの登場について、ホンダの販売店スタッフは次のように話しています。

「新型ヴェゼルについては、1月18日にティザーサイトがオープンしました。

 現時点では、詳細情報は分かりませんがワールドプレミアとなる2月18日頃には詳細情報や先行予約開始の日程が分かると思います。

 新型ヴェゼルに関してはティザーサイト公開から数時間で数十件ほどの問合せを頂くなど、お客さまが高い関心を持っていることがわかります。

 また、既存オーナーからもお問合せがあり、ヴェゼルからヴェゼルの乗り換え需要も高いと見込んでいます」

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 2021年12月時点のコンパクトSUVジャンルでは、ヤリスクロスやライズが販売好調ですが、新型ヴェゼルが登場することでトヨタの牙城を崩せるかにも注目が集まっています。

 トヨタ系の販売会社担当者は次のように話しています。

「2020年は新型コロナ禍で全体的に苦戦はしていたものの、2020年5月以降に全店舗で全車種を扱うようになってことで、SUVジャンルをトヨタ内で比較検討出来るため、相乗効果で販売が伸びています。

 上半期ではライズとC-HRが比較対象でしたが、下半期ではライズ、C-HR、ヤリスクロスとなり、予算に応じてRAV4やハリアーも加わるため、お客さまはトヨタブランド内で比較検討が完結していました。

 しかし、新型ヴェゼルが登場するということで、コンパクトSUVはそれらと比較されることになります。

 さらには、新型ヴェゼルのボディサイズや上級モデルの装備がどうなるかは分かりませんが、RAV4やハリアーとも比較対象になるのか気になっている部分です」

なぜヴェゼルは人気No.1になれたのか?

 では、現行ヴェゼルはコンパクトSUV第一世代において、なぜ4度のSUV販売No.1を獲得出来たのでしょうか。

 現行ヴェゼルは、全長4330mm×全幅1770mm×全高1605mmというボディサイズですが、当時のライバルだったC-HRやジューク、CX-3では後席や荷室空間がお世辞にも広いとはいえず、後席を利用するユーザーや荷物の多いファミリー層などから支持されました。

 実際に現行ヴェゼルのオーナーからは「見た目的にはスタイリッシュなC-HRと悩んだけど、後席の居住性でヴェゼルを選んだ」「ほかのコンパクトSUVより後席の頭上空間に余裕があったのがよかった」といった声が見受けられます。

 また、走行性能に関して最大のライバルとなるC-HRは元々世界一過酷なサーキットといわれるニュルブルクリンクでのテストを重ねるなどスポーツカーさながらの走行性能を求めて開発されていたこともあり、走りを気にするユーザーからはC-HRが好評でした。

 そこで、ヴェゼルでは2019年1月にターボ車となる「TOURING・Honda SENSING」を追加設定し、ボディ剛性の向上や専用ダンパーなどが採用されています。

 追加されたターボ車について、ヴェゼルの担当者は次のように説明しています。

「ヴェゼルは、発売してから5年ほど経ち、モデル末期といえる時期でした。

 さらに、販売を維持するのと今までできなかったことを底上げするということで、『上質とスポーツ』というポイントから新たなエンジンを追加することになりました。また、上質という面でも静粛性の向上や内装の質感アップをおこなっています」

 こうした販売面でのテコ入れもあって、2019年には僅差ながらもC-HRから首位の座を奪還したのです。

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 そして、2021年春に発売されるという新型ヴェゼルでは、先行公開された画像でわかるようにe:HEVのエンブレムが装着され、2モーターハイブリッドシステムが搭載されるようです。

 現行ヴェゼルでは、1モーターハイブリッドシステムとなるi-DCDが搭載されていたことから、新型ヴェゼルではハイブリッド車の性能が大幅に向上することが期待されています。

 今後、新型ヴェゼルが登場することですでに激戦区となるコンパクトSUV市場がどのような変化を見せるのかに注目が集まります。