近年、世界的に人気が高いクルマのジャンルといえばSUVです。また、同じく人気となっているのが、1980年代から1990年代に発売された「ネオクラッシック」とも呼ばれるクルマで、車種によっては新車価格を上まわる相場で取り引きされています。そこで、いまも色褪せない魅力がある、ネオクラシック世代のクロスカントリー車を3車種ピックアップして紹介します。

無骨な見た目がカッコいい、ネオクラシック・クロカン車を振り返る

 ここ数年で人気が急上昇したクルマのジャンルといえば、SUVが挙げられます。今では世界的なムーブメントにまで成長し、3000万円クラスの超高級モデルから100万円台から手に入るコンパクトモデルまで、各メーカーが続々とラインナップの拡充を図っています。

 また、同じく世界的に人気が高くなっているのが、1980年代から1990年代に発売された「ネオクラシック」と呼ばれるモデルです。もともとは投機目的から一部の高性能モデルだけが注目され、中古車価格が高騰しましたが、その後、同年代の幅広いクルマへと波及し、相場の高騰が見られている状況です。

 今後、このふたつの人気ジャンルを組み合わせた、ネオクラシックに属するSUVも人気となるのではないでしょうか。

 そこで、いまも色褪せない魅力がある、ネオクラシック世代のクロスカントリー車を3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ランドクルーザー 80」

 悪路走破性と信頼性の高さから、トヨタ「ランドクルーザー」は今も世界中で人気を得ているクロスカントリー4WD車です。

 なかでも現行モデルで最上級クラスに位置する200系は、道を選ばない高級ラグジュアリーカーという不動の地位を獲得しています。

 そのランドクルーザー200系の先祖にあたるのが80系で、1990年代初頭のRVブームの頃に絶大な人気となっていたモデルです。

 1989年に発売されたランドクルーザー80系は、5ドアのステーションワゴンタイプのボディで、3列シートの乗用モデルと、2列シートの商用モデルをラインナップ。

 搭載されたエンジンは年式で異なりますが、4リッターと4.5リッター直列6気筒ガソリンエンジンと、4.2リッター直列6気筒ディーゼルを設定していました。

 トランスミッションは4速ATと5速MTが組み合わされ、駆動方式はフルタイム4WDを採用。当時はまだ駆動系の制御は電子化が進んでおらず、悪路ではドライバーの腕が試された最後のモデルといえます。

 ランドクルーザー80系は洗練された外観ながらクロスカントリー車としての実力は折り紙付きだったことから、北米ではレクサス初代「LX」として販売され、国産高級SUVの草分け的存在となりました。

●日産「サファリ」

 もともとは軍用車として開発され、民生へと転用された国産クロスカントリー車の先駆けだったモデルといえば三菱「ジープ」ですが、このジープと並ぶ存在だったのが日産「パトロール」です。

 そして、パトロールの後継車として1980年に初代「サファリ」が誕生しました。初代はシンプルな装備に迫力ある大型ボディで悪路走破性が高く、消防や警察といったプロからも信頼される本物の「道具」として人気となります。

 1987年には2代目サファリが登場し、大きく変わったのが外観のデザインとともにサスペンションで、初代の4輪リーフリジッドからコイルスプリングへ変更するためにフレームが新設計され、高い悪路走破性能を受け継ぎながら、オンロード走行時の操縦安定性と普段使いの快適性が大幅に改善されました。

 ボディバリエーションはロングホイールベースで4ドアの「エクストラ」と「エクストラハイルーフ」、ショートホイールベースで2ドアの「ハードトップ」と、大きく分けて3タイプが設定され、全車商用バンとしてデビュー。

 ワイドトレッド化のため張り出したフェンダーによって、全車1ナンバー登録となりました。

 1988年には5速MTに加えて4速AT車が追加され、さらにカスタマイズされたような外観の「グランロード」が登場。

 また、1991年に3ナンバー登録のワゴンモデルが発売され、エクストラは3列シートの7人乗りとなり、幅広いユーザーの獲得に成功します。

 2代目サファリは発売当初、全車ディーゼルエンジンでしたが、ワゴンモデルにはガソリンエンジンが搭載されるなど乗用車的な要素が強くなり、RVブームの頃は大型で迫力のあるボディによって高い人気を誇りました。

 その後、サファリは2007年に3代目をもって国内販売が終了しましたが、現在も海外ではパトロールの名で販売が続けられており、インフィニティブランドでは「QX80」として、よりラグジュアリーなモデルへと進化しています。

大ヒットした「パジェロ」をベースにした都会的なモデルとは!?

●三菱「チャレンジャー」

 クロスカントリー4WD車を中心としたRVブームの火付け役となったモデルといえば、三菱2代目「パジェロ」です。

 パジェロはまさに空前のヒットとなり、三菱はさらなるクロカン車のラインナップ拡充に着手し、1996年にパジェロの主要なコンポーネンツを流用した新型SUV「チャレンジャー」を発売しました。

 外観はステーションワゴンタイプのロングボディのみで、ワイルドなイメージのパジェロと区別するため、洗練された都会的なデザインを採用。

 搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒ガソリンに加え、2.8リッターと2.5リッターの直列4気筒ディーゼルターボの3タイプが設定されました。

 駆動方式は全グレードとも4WDですが、上位グレードは4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられる、三菱独自のスーパーセレクト4WDで、下位グレードではパートタイム4WDとなっています。

 その後、マイナーチェンジでガソリン直噴エンジン「GDI」が搭載され、フロントフェイスのデザインの刷新がおこなわれましたが、RVブームの終焉により販売が落ち込んだことから2001年に国内向けの生産を終了。

 なお、チャレンジャーは海外で販売が継続され、現在は「パジェロスポーツ」の名で欧州やアジア圏を中心に高い人気を誇っています。

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 RVブームの頃はいまのSUV人気とは比べ物にならないくらい、クロスカントリー4WD車が大ヒットしました。

 しかし、その性能を発揮する機会はほとんど無かったと思われ、室内騒音や燃費、高速道路での走行安定性の悪さなど、ネガティブな要素もあったことからブームの終焉と同時に急激に数を減らすことになります。

 一方で、本物の「ギア」だけが持つ性能は機能美に通じるものがあり、前述のランドクルーザー 80系やサファリは、絶版車人気とは関係なく高値安定が続いている状況で、色褪せない魅力があるということでしょう。