大八車もしくはリヤカーのような車両が描かれた標識はどのような意味があり、何が禁止されているのでしょうか。

「大八車」?「リヤカー」? どの車両が通れない?

 道路標識の中には普段あまり見かけないものがあり、どのような意味なのか迷ってしまうことがあります。
 
 なかでも「大八車」や「リヤカー」のような車両が描かれた標識がありますが、これは一体どういう意味なのでしょうか。

 道路標識には様々な種類があり、禁止や規制・制限などを示す「規制標識」や、特定の交通方法ができることや決められた場所を示す「指示標識」、危険場所の警告や運転の注意喚起を行う黄色いひし型の「警戒標識」などがあります。

 このうち、規制標識のひとつである、赤い〇(丸)に斜線を組み合わせた標識があります。

 これは「車両通行止め」を示す標識で、クルマやバイクをはじめとしたすべての車両の通行が禁止されている場所を示しており、主に歩行者専用道路などに設置されています。

 さらに、この車両通行止めの標識は、さまざまなイラストと組み合わされることで、特定の車両の通行禁止を示すことがあります。

 例えば、普通自動車のイラストが描かれている場合、二輪自動車以外の自動車の通行が禁止されていることを意味しています。

 バイクのイラストが描かれている場合は、二輪の自動車・一般原動機付自転車通行止め、自転車のイラストが描かれている場合は自転車の通行が禁止です。

 では、大八車もしくはリヤカーのようなイラストが描かれた標識は、どのような意味なのでしょうか。

 これは、自転車以外の軽車両の通行止めを意味しているもので、具体的には荷車やリヤカー、馬車や人力車のほか、人力でけん引する屋台などが通行できません。

 なお、道路交通法には軽車両に自転車も含まれていますが、この大八車が描かれた標識は、自転車が特定して除外されているため、標識がある道路でも自転車に乗って通行することが可能です。

 この大八車が“単体”で描かれた通行止めの標識は、実は全国的にも珍しい標識で、東京都内では中央区銀座の一部地域に設置されています。

 該当するエリアは銀座の中心地でかつ18時から翌3時までの時間指定があることから、タクシーなどでにぎわう時間帯に、交通に支障をきたすラーメン屋などの屋台の流入を規制するためのものだということです。

 一方で、それぞれの車両のイラストは複数を組み合わせて表示されることも多く、大八車と自転車が一緒に描かれている場合は、自転車を含めた軽車両すべての通行が禁止されていることを表します。

 ほかにも、「クルマとバイク」や「トラックとバス」などの組み合わせがあり、それぞれ、バイクを含めたすべての自動車、大型貨物自動車と大型乗用自動車の通行止めを示しています。

 また、車両通行止めの標識には、さらに詳しい規制内容を示す補助標識を組み合わせることがあります。

 例えば「8-20」や「日曜・休日を除く」など、通行止めとなる時間帯や曜日が定められていることがあるため、一緒に掲げられた標識の表示もチェックすることが大切です。

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 ちなみに、似たような標識として赤字に白い横棒の「車両進入禁止」の標識があります。これは一方通行の出口などに表示され、その方向からの進入が禁止されていることを表しています。

 対して、車両通行止めの標識が設置されている道路は、進入する方向に関わらずすべての方向からの通行が禁止されており、標識が示す内容が異なっています。